無知の知

ほたるぶくろの日記

今年の折り返し地点

2012-06-30 00:23:36 | 日記

今日、帰宅時に氏神様の前を通りかかると鳥居の前に茅の輪がありました!もう今年も半分が過ぎたということですね。感慨深いです。今年は年初からいろいろなことがあり、今もどんどん状況が動いています。正念場、という感じです。

先日、学生時代の友人が「虚血性大腸炎」で入院した、という話しをしていました。そんな話しを聞いて数週間後、私もそれを患ってしまいました。脂汗の出るような痛みでじたばた。その後粘血便が出て、しばらく腸の左側が痛みました。約一日絶食し、水分やスープ、野菜ジュースからおかゆ、とだんだんに普通食に戻しましたが、それ以来、食事量を減らしています。

食事量を減らしてもそんなに空腹感はありませんし、ともかく腸の状態はよくなりました。そうしてしばらくしたら、今度は歯に痛みが走り、歯科に行くと奥歯の治療済みの歯の根が折れていることが発覚。今週、奥歯の半分を抜歯しました。その歯は長らく慢性炎症をおこしていた歯で、約十年ほどずっと気になっていた歯でした。今回それがなくなって、寂しい反面、すっきりもしました。

こうやって少しずつ懸念が現実化して、問題を解決するように物事が動いて行きます。その度に一生懸命あたふたしまして、この世の活動を楽しんで(泣き笑い)います。生きているからこそのあれこれですから、ありがたいことですよね。


宇宙からの塵

2012-06-23 17:50:45 | 生命科学

季節外れの台風が過ぎ去って梅雨らしいどんよりの空模様です。今年の梅雨は雨が十分なようですね。それにしても気温の差が激しいです。毎日10度の差があって、着るものに気をつけませんと風邪をひきかねません。最近電車に乗ると、辛そうな咳をしている方に頻繁に気がつきます。

先日『宇宙の渚』を観ていまして、流れ星の直径が一センチにも満たないことを知りました。正確には、彗星から生じたチリ(流星塵)が高速で大気圏に突入し、プラズマ化したガスが発光することでわれわれは明るい流れ星を観ることができるのです。興味深かったのは、この流星塵の小さなものの挙動です。流星塵の直径は0.1mm以下のものから数センチだそうですが、0.1mm以下の小さく、穴の多い塵は高速で大気圏に突入しますと、大きな密度の高いものとはことなり、減速してゆっくりと地上に降り注いでいる、ということです。そういう塵を集め、研究している方がそのなかからグリシンを同定しています。つまり、宇宙からアミノ酸が降り注いでいた、ということになります。

ちょっと前に、生命は宇宙から来たのか?というニュースが流れましたが、このことだったようです。地球の誕生時には地上は高温でとても有機物が存在できる環境ではありませんでした。どのように有機物ができ、生命の誕生へと進んだのか、様々な議論がなされてきました。私が子どもの頃のサイエンス読み物では、まず海ができて、そこへ雷がおちて偶然合成された、などと説明されていたように思います。

それがなんと常に宇宙から降り注いでいる、ということが分かったのです。平均して一年間(だったと思うのですが)一平方メートルあたり一個の割合でこのような塵が現在でも降り注いでいるそうです。現在見つかっているのはグリシンというアミノ酸の中でももっとも単純でちいさな分子ですが、もしかしますとウイルスも降ってきているのかもしれません。

これはすごいことです。たとえ地上に存在するものをいくら一生懸命調べていても、それからの類推をはるかに超えた存在が宇宙からやってくるのかもしれないということです。これから太陽活動が静穏になるという予想もあり、その場合磁場が弱くなることで、宇宙線(つまり放射線)などもどんどん宇宙から降り注ぐことになります。地球上のあれこれも重要ですが、宇宙からの影響はそれをはるかに超えるスケールであり、頭に入れておかなくてはならないでしょう。つまり、予想のつかないことが起こりうる、ということです。いいことも悪いこともありましょう。でもこれが「自然」です。地球は宇宙の一部なのですから。


お迎え体験

2012-06-22 10:37:33 | 日記
昨日、touriさんもまた他界されていたことを知りました。ご冥福をお祈り申し上げます。

この新聞記事が目を引きました。
「自宅でみとられた患者の約4割が、亡くなる前、すでにいない親の姿を見たと語るなど、いわゆる「お迎え」体験を持ち、それが穏やかなみとりにつながっているとの調査研究を、宮城県などで在宅医療を行っている医師らのグループがまとめた。
 在宅診療を行う医師や大学研究者らが2011年、宮城県5か所と福島県1か所の診療所による訪問診療などで家族をみとった遺族1191人にアンケートした。
 「患者が、他人には見えない人の存在や風景について語った。あるいは、見えている、聞こえている、感じているようだった」かを尋ねた。回答者541人のうち、226人(42%)が「経験した」と答えた。
 患者が見聞きしたと語った内容は、親など「すでに死去していた人物」(51%)が最も多かった。その場にいないはずの人や仏、光などの答えもあった。
 「お迎え」を体験した後、患者は死に対する不安が和らぐように見える場合が多く、本人にとって「良かった」との肯定的評価が47%と、否定的評価19%を上回った。
 調査は、文部科学省の研究助成金を得て実施。「お迎え」体験は経験的にはよく語られるが、学術的な報告はきわめて珍しい。
(2012年6月21日15時57分 読売新聞)」

いよいよ、このような研究がされるようになってきたということですね。

生前母から聞いた話しですが、40代半ばにがんで他界した母親(私の祖母)を最後に自宅で看病していたとき、昏睡状態の祖母がふと目を覚まして「今、どこそこまで行ってきたんだよ」とはっきりと話したということです。そのとき母は「夢を見ているのかな、と思ったけど、今考えると魂だけで行っていたのかもね。」と話しておりました。もう半分自由な魂になっていたのでしょう。苦労の多い人生だったですが、一生懸命生きた方だと思っております。私が生まれる前に亡くなっていたのですが、なぜか子供の頃から気にかかっていた祖母です。なにかとお世話になっているのだと今は確信しています。本当に感謝しています。

今朝思っていたのは、お世話になっているそのときにはわからないようにご先祖様はそっとお世話をしてくださっているということです。私は車のナンバーが祖母の命日であったということに、その車を手放したあとで気づいたものです。どうしてこんなことに気づかなかったのかしら、と不思議でした。しかし、最近思うのは、無くしたり、無くしそうだったりするときに感謝するべきありがたい「こと」に気づくということです。
対象がわからないけれど感謝する、ということは本当に正しく、有り難いことなのだと思います。

黙祷

2012-06-19 11:49:12 | 日記
「マーシーmercy」さんが他界されました。今年は年の初めに「何をして」さん、そして今度は「マーシーmercy」さんです。そして私の仕事や生活の周辺でも訃報が相次いでいます。皆さん立派に生き切られました。

ご冥福をお祈り申し上げます。

忙しい梅雨の日々

2012-06-16 19:16:36 | 日記
今年も氏神様の例大祭が無事に終わりました。お天気にはちょっと恵まれず、子供神輿が予定されていた土曜日には冷たい雨の中、子供たちが御神輿を担ぐことになってしまってかわいそうでした。それでも最終日はまずまずのお天気で、大勢の人々に見守られながら御神輿は神社へ戻っていきました。ワクワクしましたから、きっと氏神様も喜んでいられたのではないかと夢想するしだいです。

先日4日に千葉県いすみ市の大原漁港で大量のイワシが打ち上げられていたことが報道されました。千葉県東方沖の様子が心配になります。
「私の場合、『サガミザメ』を目安にしています。漁では水深350mにいるメスを狙って延縄(はえなわ)を垂らすので、さらに100mから200m深海にいるオスは普段はまったくかからない。ところが、忘れもしません。地震が発生した09年8月11日(M6.5・駿河湾地震)、昨年3月11日(M9.0・東北地方太平洋沖地震)、同8月1日(M6.1・駿河湾地震)、今年1月28日(M5.5・山梨県東部・富士五湖地震)に限っては、その3、4日前からオスばかり大量に揚がったんです! 『今度、オスがたくさん獲れたら連絡しろ』と、知人や親戚にはしつこく言われています」(漁師さんの談話)

いまのところ『サガミザメ』の豊漁情報はありませんが、いつあってもおかしくない状況なのは確かです。自然に感謝しながら精一杯やっていくしかないですね。

仕事場の変化が加速しています。研究の世界ですから、当然です。とはいっても、この変化はかなり大きなものです。変化の方向は、私の個人的見解としてはいい方悪い方、入り交じっていると思います。がん研究に関しても今は流動的です。これまでの殺細胞剤としての化学療法剤の開発は終わり、分子標的薬の開発がトレンドになっています。ただ、この方向もいずれ限界が来ると思います。

やはり個体としての免疫システムを考慮に入れた上での治療法が確立されなくてはだめなのではないかと思います。がん治療薬開発は培養がん細胞でのスクリーニングから、培養がん細胞や患者さんのがん組織をヌードマウス(免疫不全マウス)に移植したゼノグラフトをもちいてのシステムへと進められ、これをもって個体レベルでの治療効果の検定としています。これらは一見個体レベルでの評価のように思われるのですが、免疫不全マウスを用いている限り、実際的な治療法開発の系にはなっていないのではないかと考えます。しかし全てのタイプのがんを動物に実験的に『発症』させるのは容易なことではありません。これを治療薬開発の現場でやるのは非常な負担であり、膨大な数の動物を必要とするでしょう。

もちろん、特定の遺伝子変異によるがんモデル動物は作られており、この特定のがんに対する分子標的薬は開発されています。早晩実際の治療現場に現れることでしょう。しかし、そうはうまく行かない場合がほとんどです。がん細胞と直接対峙する限り、宿主である個体へのダメージが必ずあるのです。

今現在、私は研究室の片隅からこれらの大きな流れを観ているしかない状況です。しかし、少しずつ私も動き出すときが来たようです。今年の後半はとても忙しくなりそうです。大きな挑戦をしなくてはいけません。準備はすでに始まっています。どこまで行けるかは分かりませんが、できることを感謝しながら、一歩一歩進んでいきます。