乙女の靴音

    
    〜 一歩・二歩・山歩 〜

  
          

熊野三山めぐり

2010-11-17 | 登山
世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』

悠久の時を越えて旅人の心を癒す神々の地へ................



11/14(日)遥かなる歴史と伝統の新宮

自宅 5:15 徒歩 ~ 5:45 牛久駅 5:58 ~ 東京 7:30 (のぞみ)~ 9:13 名古屋
(南紀)9:58 ~ 13:25 新宮 本宮行きバス 15:59 川湯温泉 16:56

熊野の都・新宮に降り立ち、
13:30 からの観光協会主催の『まち歩きフェスタ』に参加

新宮の世界遺産・熊野速玉大社と神倉神社コースを、
ガイドさんの案内で4名(地元の夫婦と)スタートです。

先ず、新宮が生んだ文化人、大石誠之助他、
大逆事件の犠牲者顕彰碑に立ち寄り、
熊野三山の神々が最初に降りたった場所『神倉神社]へ向かう。



不安定で急な石段は滑りやすいので、夫は行き交う人に杖を勧められ、
汗だくになって霊域に入る。
仏が神として権に現れる山『権現山』
全国熊野神社3000余社の総本宮で『天磐盾」として崇められた。
巨岩『ゴトビキ岩』が鎮座する。
これから始まる熊野詣の安全を祈る。



女坂を下りると「新宮参詣曼荼羅」を熊野比丘尼に扮した女性が、
(70過ぎでも魅力的な物腰で裸足)絵解き。
新宮の歴史や伝説を熱心に聞き入る。



ここで梛の苗木を頂いた。熊野のご神木で熊野詣の安全を願い、
護符として財布などに忍ばせるそうです。
寺町(あちこち寺ばかり)を散策しながら、
熊野三山の一社『熊野速玉大社』に詣でる。



参道には樹齢1000年日本最大の梛の木

“ 千早ふる 熊野の宮のなぎの葉を 
  変わらぬ千代のためしにぞ折る ”
                 藤原定家



祭神は熊野速玉神(くまのはやたまのかみ)、本地仏は薬師如来
ここでは、四十八のカラス文字で描かれた
熊野牛王御神符の御護りを買った。

隣接した佐藤春夫記念館(東京の旧邸を移築、復元したもの)
を覗いて、熊野川の河原家横町へ立ち寄る。



タイミング良く、本宮の大斎原から新宮の権現川原までの
川の参詣道を下る川舟が見える。



熊野地方で唯一の蔵元尾崎酒造では、
『試飲はありませんか?』・・・
覗いてはいけませんよ。。。あと少しの我慢です。

待ち歩きフェスタも終盤になり、同行のご夫婦とお別れし、
我々は権現前から川湯温泉行きのバスに乗る。
熊野川の雄大な眺めを楽しんで、1 時間程の路線バスの旅。

今宵の宿 川湯温泉『みどりや』

部屋の8階から眼下に露天風呂は川の中に、
男女湯の区別ないので浴衣で入るが、
暗くならないと乙女には、ちょっと・・・・・
おばさん方は、『浴衣が邪魔』とか言っているから羨ましい?



さぁ、飲みますよ,,,,,,,,,,
ビール、冷酒、熱燗(太平洋がない?)、に会席料理と熊野の味覚バイキング
中でも鮎の塩焼きだけはグー。あとは~。

川沿いの席はいい雰囲気だが、団体ツアー客が到着すると、
(殆どじじばばだが)騒然となる。
早めに飲み干して退散するがよし。

夜半までと早朝から露天風呂の声が喧しい.....
渓流の瀬音を聞きたいところなのに。

11/15(月)宿 8:00 三越峠 8:30 赤木越分岐 9:30 猪鼻王子 9:55 発心門王子 10:20
伏拝王子 11:40 三件茶屋 12:30 祓殿王子 13:15 本宮大社 13:20
大斎原 13:50 熊野本宮館 14:30 紀伊勝浦行バス 15:20 ホテル浦島 17:00

朝食前に周辺散策に出る。国の有形文化財 
江戸時代からの『亀屋旅館』は趣きある佇まいで覗きたくなる。



川湯温泉、冬の風物詩『仙人風呂』は、
清流大塔川の川底から湯がわき出すため 73 度の高温で川水で調整。
最近復活したばかりで、増水の度に作り直すそうだ。



川湯に来たら仙人風呂には入るべし.....

宿に戻り朝食後、送迎車で今日予定の古道まで送ってもらう。
発心門王子までの予定だったが、その先に引き寄せられ、
三越峠まで送りますよと言う運転手さんの計らいで変更する。
高度を上げながら林道を 30 分程で目的地に着いた。

中辺路三越峠は静寂で誰一人いません.....
ここから古道歩きスタートです。



整然と間伐された杉木立の中は木漏れ日を受けて神聖な霊気が漂う。



これが 500m 毎にあるが、本宮に向かって数字が増えていきます。



この標識を直進したら『ここは熊野古道ではありません』?表示(間違う人がいるんだ)
バックして確認すると正規はここから下りでした。



音無川のせせらぎと紅葉ロード。ルンルンスキップで進みます。



赤木越え分岐に到着し、トイレ休憩するが人の気配全く無し。



舟玉神社を過ぎると、初めての王子は石碑が残る猪鼻王子跡。
この先もいろんな王子様が待ってます。

「熊野九十九王子」は熊野権現の子神を祀る社
現在は休憩スポットになっている。



坂を上がると「発心門王子」ここには語り部ウォークツアー客が多数いた。
熊野本宮大社の霊域の玄関口では心を鎮めて、
「菩提心を発す門」仏道に入る心を起こすことにしましょう。



『ようこそ熊野古道へ』からくり人形のお出迎え。
このあと布が上がって歓迎されました。
しくみがユニークで、地元の方々の演出が微笑ましく思わず笑ってしまいます。



廃校になった三里小学校三越分校では
管理人さんが庭木の手入れをやっていた。
勿論、声かけ触れ合いは忘れません。

水呑王子跡は美味しいお水を補給



里山風景からの果無山脈は熊野本宮と高野山を結ぶ熊野古道(小辺路)



無人販売所で,美味しそうな梅干しとみかんをつい買ってしまう。



伏拝王子は小さな坂の上にあり、和泉式部伏し拝んだと伝えられる。
かすかに大斎原を眺めることができる。



ここには休憩所とトイレがあり、地元のおばさんが、
「どうぞ一休みして下さい。コーヒーはいかがですか?」
『はーい』夫は温泉コーヒーを頂く。
そこで、おばさんとの触れ合いが始まりました。
弟さんがつくば市に在住とのことで、語らいはどんどん発展し止まりません。
また、美味しそうなお弁当を広げてるおばさん組から、
焼きおにぎりをご馳走になり、旅は道ずれ『ごっつぁんです』

やっと腰が上がって歩き出すとこれが目に・・・



NHK連続TVドラマ”ほんまもん”(ロケ地)
キョロキョロしていると地主のおじさんが、
待ってましたとばかりに案内が始まる。(様子を見て旅人を選ぶらしい)
我々も幸運のようです。???

★の井戸(昼までも井戸の底から星が見える?)



敷地の茶畑の上にはロケで使った墓石が残されていて、
素晴らしいロケーションをバックに記念撮影のサービス。
日本の位置関係や世界規模までもレクチャーしてくれる面白おじさんだった。

吊り橋を渡ると『右かうや(高野)、左きみい寺」の石標

地元の手作り品が並ぶ三軒茶屋跡に、おばさんが店番。
にこやかに声をかけられると、
また触れ合いが始まりなかなか進まない。



九鬼ヶ口関所を過ぎると、祓戸王子は最後の王子です。
ここで、旅の埃を払い清めいよいよ本宮大社に



裏鳥居をくぐると熊野本宮大社に到着。
黒い八咫烏ポストかぁ~

厳かな中、霊気を感じながらのお参りは、
証誠殿の主神を祀る第三殿から、第1、2、4殿と進み、拝み捲ります。
祭神は熊野坐神(くまのにいますかみ)、本地仏は阿弥陀仏



日本一の大鳥を潜ると熊野権現が現れたと伝わるその場所
大斎原(おおゆのはら)に到着しました。

もともと本宮大社の境内は、大斎原と呼ばれる熊野川と音無川の中州にあった。

本日のゴール地点です。
三越から13km 5 時間10 分位かかりましたが、
地元の方との触れ合いタイムが何より楽しかったかも。



本宮町の町並みは世界遺産効果で無電柱化と建物の統一化で
整然としてきれい。

紀伊勝浦行きのバス停は『世界遺産熊野本宮館』の前。
待ち時間は熊野古道の歴史と情報を学習します。
「紀伊山地の霊場と参詣道」のすべてが解ります。

ちょっとは賢くなった気分でバスに乗り込み、
新宮経由で紀伊勝浦へ桟橋で下車し、浦島丸に乗り
数分でホテル浦島に到着。

6階の室からの眺望は暮れなずむ夕景が....



早速,山上館、32階の天海の湯へ、
スペースウォーカーに6分くらい乗るが、
7時までのため超混みで失敗。

11/16(火)曼荼羅の道を辿って熊野那智大社へ

ホテル 8:30 紀伊勝浦駅 9:30 那智駅 9:38 浜の宮王子 9:42 山道分岐 10:15
尼将軍供養塔 10:30 市野々王子 10:53 大門坂 11:20 那智大社 12:00
御滝 12:50 御滝バス停 14:41 新宮城 15:00 徐福公園 15:45
      新宮駅 17:25 名古屋 21:00 東京 22:33 牛久 23:42

朝湯に忘帰洞の洞窟風呂へ、太平洋からの日の出は、
微妙な薄紫の夜明を波に映すだけ。

ロビーはチェックアウト後、浦島丸に乗船する
行列がもの凄くたじろぐ。
時間をずらしても変らなかった。

紀伊勝浦駅 9:30 発のバスで那智駅下車、
今日は那智山目指してスタート。

熊野灘は、観音菩薩が住む浄土に続く海として信仰され、
この海を崇拝する場所、浜の宮王子ある。



補陀洛山寺に隣は浜の宮大神社
熊野は神仏習合の聖地で何ら不思議ではありません。



渡海上人を祀る補陀洛山寺は補陀落渡海の出発点で、
渡海僧が乗りこんだ船を復元した。
(内田康夫の熊野古道殺人事件にも登場)
屋形の前後左右を4つの鳥居 「発心門」「修行門」「菩薩門」「涅槃門」
浄土往生すると信じられていた時代があった。
補陀落渡海の背景はかなり興味深い。



曼荼羅の道です。



那智川沿いを那智山に向かう。



この辺りから山道へ



素敵な竹林に囲まれた美しい古道。



尼将軍供養塔は北条政子が我が子を供養するために建立した。
林を抜けると、



ふだらく霊園の広い墓地があり、
尼将軍の廟所を代々守った所縁の人々の墓である。



旧道の住宅地に入ると市野々王子があった。
境内社に地主八咫烏神社
市野々小学校の校章も八咫烏。



二ノ瀬橋を渡ると那智山の入口、大門坂へ



ここからは観光客が増えて来る。
車で来る人は古道歩きがスタートする所だ。



鳥居をくぐると振ヶ瀬橋(俗界と聖域とを振り分ける境の橋)



巨木の夫婦杉は樹齢800年も寄り添って人々を見つめて来たのか?
石畳を上がって行くと定番『これぞ熊野古道』....
何万何十万人もの人が、神とふれあい、
自分自身を見つめ直すためにここを歩いた・・・



中辺路最後の王子社、多富気王子



杉並木は古道の雰囲気が特に素晴らしいが、
メインの苔むした石段は観光客の増加で消滅しそうです。



長い急な石段を上がると、鮮やかな朱塗りの社殿が目を引く。
熊野那智大社は那智の滝への崇拝からおこった霊場。
祭神は熊野牟須美神(くまのむすびかみ)、本地仏は千手観音



隣接する那智山青岸渡寺にも参拝。
西国33カ所観音巡りの第一番礼所でもあります。
延命水を頂き、宝篋印塔を見て進むと大滝も遠望できる。
この先は大雲取り、小雲取り越えの古道が本宮で完結する。
いずれは歩いてみたいものだ。



滝に向かう時、千葉から来た二人のお嬢さんと遭遇、
帰りは同じ列車と聞き、意気投合?
夫はお仕着せの観光案内を盛んに勧める。

那智の滝は迫力が違い、落差133mの日本一の直瀑。
神社とはいっても本殿も拝殿もなく、
この大滝が御神体である滝を直接拝む。



お滝前バス停~新宮で下車し、帰りの列車時間までとことん新宮観光に。
夫は、再び速玉神社に五円玉お守りのお土産を買いに向かう。
諦められず(これは此処だけにしかなかったらしい)

新宮城跡 別名丹鶴(たんかく)城跡も探索
太平洋を一望出来る絶景ポイント。



浮島の森は通過点に



徐福伝説が伝わる徐福公園は
中国風の楼門がひと際鮮やかです。
ここから新宮駅は直ぐだ。



無事、熊野三山を巡拝終了。
はたして、心と体が甦り人間本来の美しい姿に
立ち戻ることが出来ただろうか?

いえいえ、人生一生修行です。
そう簡単ではありませんね。

今回はメインをチョッコと探検だったが、
熊野古道制覇するには半月くらいは掛かりそうです。


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