エトルタの東の崖から降りてくると、未だ明るく、海岸では海水浴客が大勢いた。
海岸近くに綺麗なエトルタの市役所もあった。フランスの市役所はどこでもアンティークで美しい。
それから私達はヴィルジニの案内で、この地に住んで海の絵を描いていた画家の展覧会へ行った。
これもエトルタ市の主催事業であった。
実際に書いた人は亡くなっていたが、その息子さんが来ていた。
それから私はヴィルジニと別れ、近くの「ルパンの館」へ行った。怪盗アルセーヌ・ルパンを生んだ作家のモーリス・ルブランの家である。
これによく似たのは昔ロンドンへ行った時、「シャーロックホームズの家」へ行ったことがあるが、あれと同じだが、こちらは大層立派な広い庭付きの邸宅であった。
観光客向けで様々なしつらえがしてあり楽しめたが、とりわけユーモアとして印象に残っているのはあの「モナリザ」があったことだ。
エトルタのこの「ルパンの家」にある「モナリザ」は、ルパンがルーヴル美術館から盗んできた本物で、現在ルーヴル美術館にあるのが「偽物」と言うわけである。
ルパンは日本にもやってきたことになっていた。
ヴィルジニの家に戻ってから、午前中に登った西の崖の上にあるゴルフ場の付属レストランへ夕食にヴィルジニの車で出かけた。
ここは先にも書いたが、ヴィルジニの友人のアヴィニヨンにいるイザべルとご主人が来た時も、一緒に食事したところだそうで、なかなか眺めもよく、食事も海の幸を中心として美味しかった。
夕日が沈みかけてとても美しかった。
かくしてエトルタをほぼ満喫した長い一日は、終わったのであった。
翌日はル・アーブルまでもと来た道をヴィルジニに車で送ってもらい、パリへの帰途に就いた。思えばまる2日、2泊3日のエトルタ訪問だったがほとんどずっとヴィルジニにお世話になった。
彼女は大の日本好きだが、まだ日本に来たことはない。その後もメールのやり取りはしているが、独身の彼女に彼が出来たと言う知らせもまだだ。
しかし何時かきっと、彼氏と一緒に日本へそして奈良へやって来るに違いない。
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