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中国と韓国の対立

2017-03-23 13:16:06 | 軍事

以下文は、米国ヘリテージ財団、ハンギョレ新聞(28、7,5)、AFP、ジェーン誌、ネット情報等々を参考にしていますが、専門家でなく素人ですので意味不明文が多々あるかも知れません。

中国は、韓国内配備THAADの何処が問題か・・・

 

昨今のニュースでは、米軍の弾道弾迎撃システム、高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)の韓国への配備をめぐり中韓関係悪化、韓国人に他国の好感度を尋ねたアンケート調査の嫌いな国ランキングで、中国が日本を抜いたことが明らかとなっています。

中国は北朝鮮のミサイルの脅威に対抗するため韓国に配備されたTHAADについて、自国の安全保障を脅かすものとして強く反発、経済報復・・・国内の韓国系小売店数十店の閉鎖、韓国への団体旅行禁止等をとっているようです。結果、中国、韓国の旅行者等は旅行先を日本へ変更していると言われています。

 

この高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)、弾道弾迎撃システムとは?

先ず言えることは、相手に対し攻撃的なものでは無い!

脅威がある相手の弾道ミサイルを落とすものです!

相手の基地等を攻撃する攻撃的なものでないことが分かります。これはパトリオットPAC-3、イージス艦等のSM3等にも言えると思います。

THAADシステムは、弾道ミサイルの飛翔過程の最終(ターミナル)段階である大気圏に再突入した段階(最大200km)において迎撃・撃破するために開発されたようです。(弾道ミサイルは発射したら、一旦大気圏外に出て目標近くで、大気圏に再突入し目標を攻撃するようです。)

 

*弾道弾迎撃用ミサイル

全長6.17m、弾体直径0.37m最大速度は毎秒2500m(音速の7倍)以上、ミサイル先端部は炸薬は内蔵しておらず、先端部は運動エネルギーにより目標を直撃、破壊します。

最大射程:200km以上
最大射高:150km以上
最低射高:約40km

*弾道ミサイルを探知・追跡するためのTHAAD・早期警戒レーダー(Xバンドレーダー)

THAADのレーダーは1000km程度の探知、飛来する弾道ミサイルの追跡が可能と言われています。韓国配備の場所からして、THAADの最大探知距離1000kmと言ったら、中国沿岸部等の一部が含まれ、弾道ミサイル発射の早期探知等が可能になり、中国はこの探知距離1000kmを問題にしているように思います。

THAADレーダーのXバンドはマイクロ波の周波数帯域の一つで、9GHz帯(9000メガヘルツ、携帯電話は800~2500メガヘルツ程度)のセンチメートル波(SHF)で安定した周波数帯と言われ、軍事通信、レーダー 、気象衛星、高分解能の降雨レーダー等に使用されているようです。レーダーはパルス幅、繰り返し周波数等で識別出来るサイズ(一般的には、発見できる大きさを替えるにはパルス幅、繰り返し周波数等を変化させますが、探知距離が変わります。)は変わります。

THAADのXバンド・レーダーには、「FBR」「TBR」の2モードがあると言われています。このレーダーはイージス艦、パトリオット同様、常時電波を放射しているわけでは無く、弾道ミサイルの発射等が予想される場合、迎撃時等のみ、極、限られた数十分~数時間程度電波を放射します、通常は殆どが電波放射待機モードとなります。フェーズド・アレイ・レーダーで25344個の半導体素子で構成されています。パトリオットPAC-3のフェーズド・アレイ・レーダーは5000個以上の半導体素子で構成されています。

前方展開迎撃用レーダー(FBR)・水平面・1000km程度、イージスBMD、GMD(地上配備型中距離弾道ミサイル防衛)等の弾道ミサイル防衛システムに目標情報伝達を行うモード(日本導入)、FBR(広域モード、1000Km程度)に切り替えた場合、ミサイル防衛の領域を広げ、相手国の弾道ミサイルを遠距離で早期探知、警報・通知されるようになると言われています。

特に、2つのモードの一つである、FBR(広域モード、1000km程度)を中国は問題としていると思います。(当然、早期に弾道弾ミサイルを探知するほど、迎撃の対応が容易になると言われています。)

終末段階迎撃用レーダー(TBR)・水平面・600~800Km程度

両モードのレーダーの捜索範囲は水平に120度

高度40km以上での運用を前提、これ以下の高度を飛行する航空機、ヘリコプター、巡航ミサイル、無人機などには対処できないようです。

似たものに航空自衛隊運用のペトリオットPAC-3システムがあります。これらはシステムが比較的小規模、展開が容易・・・射程が短いPAC-3 (35Km程度)です。

 

何故、THAADを韓国に配備するか?

昨今、ブルックス(Vincent K. Brooks)米韓連合軍司令官兼在韓米軍司令官(陸軍大将)は、開発を続ける北朝鮮の弾道ミサイル、大量破壊兵器に対して米韓同盟のミサイル防衛体制を強化させるための措置であるとしています。


対し、中国の対応?

中国の王毅外相はTHAADは単に技術的な問題ではなく、純然たる戦略的問題・・・戦略的な軍事問題には戦略的な軍事で対応するとしています。

その具体的対応策とは?

*韓国に対する経済制裁

*THAAD推進派韓国政治家及び関係企業への制裁

*THAADに対する技術的妨害、戦略ミサイルによるTHAAD照準等を含む人民解放軍による研究(確か、過去ロシアは、東欧配備のTHAAD?等に対し、軍拡になると言っていたようです。)

*対北朝鮮制裁の見直し

*THAAD対策のための中ロ協力の可能性検討等々

まあ、中国側から見たら、簡単に言えば「今まで配備してきた、一部の弾道弾ミサイルがTHAADにより戦略的、戦術的にも無効化される恐れ」があり、絶対に許せない!THAAD配備を認めた韓国は許せない!でしょう。

 

THAADに影響するであろう中国の保有弾道ミサイル(1000発以上保有と言われています。)の種類等々の一例

*SRBM(短距離・弾道ミサイル)

DFA-11・射程300Km、CEP(発射されたミサイルの半分が到達する可能性のある円の半径)500m程度

DF-15・射程600Km、CEP300m程度

*MRBM(中距離・弾道ミサイル)

DF21C・射程2500Km、CEP50m程度

THAAD、ペトリオットPAC-3、イージス艦も相手基地等を攻撃する基本的な能力は無く、何も相手に脅威とはならないと思いますが、中国側から見たら「一部の弾道ミサイルが韓国配備のTHAADにより対戦略、戦術の無効化」は絶対許せない!憎き韓国!で、その結果が中国国内での韓国商品、韓国旅行等のボイコットになったと思います。

 

Xバンドレーダーは日本にも配備(THAADのレーダー、AN/TPY2)されています。

日米のミサイル防衛用の地上レーダーとして米国は2006年6月、青森県の航空自衛隊・車力分屯基地(パトリオット配備基地)に配備、2014年12月には京都府、米軍・経ヶ岬通信所(航空自衛隊、レーダーサイト、経ヶ岬分屯基地に隣接)に配備され、弾道ミサイルの発射が予想される時間帯に電波を放射し運用しているようです。

 

THAAD、ペトリオットPAC-3システム、イージス艦も相手基地等を攻撃する基本的な能力は無く、何も相手に脅威とはならないと思います。これらのシステムは、専守防衛を旨とする日本にとっても最良の防衛システムだと言えると思います。

THAAD配備は、孫子の兵法からしても有効のように思います。

 

 

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