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worldNote

世界の覚書

道州制、易姓革命、外国人参政権には反対です。伝王仁墓に百済門を作るのは場違いであり、反対です。

CANDLE炉ないしTWRに注目せよ

2010年02月17日 | 経済・エネルギー・交通
GIZMODE:ビル・ゲイツの昆虫シリーズ:今年はホタル!
答えも用意しています。まず、石炭と天然ガスの利用を全廃すること。代わりとして、二酸化炭素回収に取り組み、原子力、風力、そして太陽光を生かすのだと言うのです。特にゲイツは劣化ウランによる原子力発電が、今後数世紀にわたりアメリカのエネルギー源となるポテンシャルがあるとしています。確かに技術的には可能なことで、今はただ必要な投資がなされていないだけなのです。
核燃料製造の副産物(訂正済)、すなわち劣化ウランで原子力発電が(理論上は)可能だという。はてなと思い、資料を探したが、とりあえず見つかったのは英文の下記ソース。

CleanTechnica:TerraPower Developing Nuclear Reactors that Run on Depleted Uranium
According to TerraPower, available supplies of depleted uranium could be used for centuries― maybe even thousands of years.
どうやら、TerraPowerの話は、2009年の凄い話(10 Emerging Technologies 2009)の一つらしい。さらにソースを繰ると、下記が見つかった。

Technology Review:TR10: Traveling-Wave Reactor
A new reactor design could make nuclear power safer and cheaper, says John Gilleland.


その画期的な方式の原子炉は、traveling-wave reactor(TWR)という。どうやら、高速増殖炉(FBR:Fast Breeder Reactor)とは違うもののようだ。
TWRs differ from other kinds of fast-neutron and breeder reactors in their ability to use little or no enriched uranium, instead burning fuel made from depleted uranium, natural uranium, thorium, spent fuel removed from light-water reactors, or some combination of these materials.
ビルゲイツの言っていた事が、ようやく飲み込めてきた。

日本語ソースでもっと分かってきた。

東京工業大学革新的原子力センター
TerraPower社はMicrosoft社の企業城下町Bellevueに最近設立され、多くのエンジニアを集めてCANDLE炉と同様の原理を用いたTravelling Wave Reactor(TWR)の設計研究を積極的に進めている。関本センター長は2009年9月30日及び10月1日TerraPowerにコンサルタントとして招かれCANDLE炉について講演を行うとともに、CANDLE炉とTRW炉についての実りの多い情報交換と議論を行った。
ビルゲイツは、おそらくテラパワーに出資しているのだろう。チャイナにも一緒に行っている。
2009年11月初旬ビルゲイツ氏(マイクロソフト創設者)及びTerraPower(3.22参照)のメンバーが中国の主要な原子力関連機関を訪問し、Travelling Wave Reactor(TWR)の開発研究への協力を取り付けた。
また東工大(関本 博 教授)では、そもそもTWRとよく似た(同じ?)原理のCANDLE炉を開発していたのだ。関本氏の独自の着想だったが、気がついてみると、TWRはほぼ同じ構想だったというわけだ。

革新的原子炉CANDLEの研究
CANDLE炉は天然ウランや劣化ウランを装荷燃料として利用するにもかかわらず、その40%を燃焼することができる。軽水炉では例え使用済燃料を再処理してプルトニウムの再利用を行ったとしても元の天然ウランの1%程度しか利用できない。これに対し、CANDLE炉は再処理せずに40倍の利用ができることになる。但し、これだけ燃焼するためには材料の問題が発生する。また燃焼領域の移動速度は通常の出力密度で運転したとき、4cm/年という極めて遅いスピードになっている。このため優れた長寿命炉の設計が可能である。
制御棒が無く、燃料交換は数十年以上不要という。燃料効率は軽水炉の50倍。おそろしく画期的なシステムだ。特許がどうなっているか知らないが、とにかく、凄い話である。既にチャイナにも話は及んでいるようなのが心配だが、まあ長期的な話。うまく開発が進み、人類にとっての福音となる事を祈りたい。

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劣化ウラン≠使用済みの核燃料 (R.F)
2010-03-23 09:30:06
劣化ウランは、ウラン濃縮で生じるU235の含有率が天然ウランを下回るウランのことです。
軽水炉で核燃料として使えるU235を取りだした後の残りかすとでもいえばいいでしょうか。

使用済み核燃料は元々U238のパーセンテージが低いことと、一部のU238はプルトニウム239に転換していることによって、劣化ウランよりもU238の含有率は低くなります。
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Unknown (worldNote)
2010-03-23 12:32:49
すいません。本文手直ししました。
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