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亜流ろいやーKの挑戦状

~Cartels from eccentric lawyer K~ 米国LL.M卒のメジャー好きサラリーマン

一介のサラリーマンが考える日本外交

2007-03-12 | 時事ネタ

先週ちょっと新領域に入り込んでみた
従軍慰安婦問題の続編。
またもやネタは池田信夫氏のブログだが、
米国で「旧日本軍の慰安婦非難決議案」が可決
される見込みだそうな。

これはちょっと酷すぎる。「日本ってなめられてるなあ」
と思ってはいたが、ここまでとは。
まず決議案の基礎となっている内容が古い+事実無根も多い。
そして、一国の議会が50年以上前の他国の、
しかも未だに詳細につき争いのある出来事について決議なんて
とって他国に干渉していいわけ?内政干渉でしょ?
さすがにこれはもっと日本人騒いだほうがいいと思うけどなあ。

そして前回も非難してみた1993年の河野談話がここでも
決議の根拠資料の一つとされてしまっている。ほんとやるせない。
ただ、すでに出してしまった政府見解を覆すのは一筋縄でいかない
のは容易に想像つくので、今後日本が取るべき対応を建設的に考えてみた。

まずは、歴史問題全部に対する「今の日本の立場/考え方」を誰も
文句がないぐらい丹念に練って全世界に発信することがなにより大事だろう。
もちろん、訳される際に誤解のないよう、英語版/韓国語版/中国語版
も作る。そして、事実関係も場合分けしてわかりやすく説明する。
いま判明していること、グレーゾーンなもの、過去に日本が主張したが誤りが
判明したもの、世界の常識でも誤っているもの、補償の経緯、等々、
小学生でもわかるようにきちんと根拠を添えて説明する。
これ、日本人でもわかってない人(自分を含む)多いだろうから。
この際、編集メンバーにも公平さを保つべく気をつけたい。
なるべく中立的な国、学者をいれて担保したい。
あまり入れたくはないけど、米国の政治家/学者を巻き込むのも手だ。

以上時間はかかるだろうが、最初に政府が「こういうの作り始めました!」と宣言
さえすればいいアピールになるだろう。「日本政府が真剣に向き合い始めた」
とポジティブに解されるように持って行くのが大事だが。そして、今さらというような
ものでも、例え何度目でもいい。国として謝罪すべきところは謝罪し、償うべきものが
足りなかったならば追加して償うと宣言
するべきだろう。

外交のカードの切り方を考えるのはこの後になるだろう。今カードをいくら用意
しても、誤解と偏見が渦巻いてまともな話し合いにならない。
日本側の主張を全世界に認識させたうえで、今更なんですが河野談話は
撤回させてもらうだとか、その代わりに竹島の権利を放棄するとか
(当然だが、経済+政治的に権利放棄したほうがメリットありとはじき出せた
 場合のみ)、近隣諸国に旧日本軍による炭鉱への強制連行と従軍慰安婦と
を直接証拠の有無関係なく無条件に認めて謝罪+補償する代わりに
同等以上にむごかった旧ソビエト連邦の満州での横暴を非難決議して
ロシアに北方領土の返還を改めて要求するとか、
アメリカの先住民に対する虐殺をカウンターで非難決議するとかね。
(カードになるかどうか疑問なものもあるが)

以上は、ポーカーでいえば「カード全とっかえ(&ゲームやり直し?)」と同じ。
外交上こんなことをするのは国辱的な恥ずかしさだが、
日本政府の外交カードの切り方が今まであまりにも下手くそだったので、
もはやこれをやらないと先に進めないと感じる。
このまま過去出したカードに引きずられて、全ての歴史外交分野でジリ貧に陥る
よりははるかにましだと思う。すでに恥ずかしい状況なんだから
さらに上塗りもこの際しょうがない。名を捨てて実を獲る戦略だ。

自分は所詮一介のサラリーマンだが、ビジネスで苦境に陥ったときはやはり
同じことをするだろう。前任が間違えたカードを切りすぎて、もはや取引先も
第三者も誰もいうことを信じてくれなくなった場合どうするか。一度身を引いて、
恥ずかしさを忍んで、現状をまとめなおして、メンバーを替えて、誠心誠意
再交渉するしかない。実にシンプル。時間はかかるかもしれんが。

外交の裏側とか、水面下の交渉とか、そういう小手先のものはこの際開き直って
全て二の次に。進行中のものもできれば一度凍結したほうがいい。
もともと日本の政治家は特に外交分野においてこのへん得意とはとても思えないし。
ここは不得手なことは潔く捨てて、正々堂々、正面突破でいこうよ。
ビジネスと外交は確かに違うのかもしれないが、これまでの外交があまりにも
外交になってないからビジネスの基本に戻ったら?ということ。

世耕補佐官とか、サラリーマン出身の政府要職の方も多いことだし、
ビジネスの基本から抜本的に外交政策を練り直してもらいたい。
しがらみとか、面子とか、もうそんなこと言ってる場合じゃない。
日本を代表する政府要職の皆さん、腕のみせどころじゃないの?

と書いている最中、安倍首相もなんか謝罪したらしい。
お願いだからこれ以上不用意に発言した挙句、口先だけの
「謝罪」とかで簡単にお茶を濁すのは止めてもらいたい。
恥ずかしいし、なにより将来の日本国民が苦労する。
もっとさあ、「信念」を大事にしようよ。

追記:本件のネタ元+日ごろブログを愛読させていただいてる池田信夫氏が
    『こういう非常識な「世界の常識」ができてしまう一つの原因は、
     日本でこれまで山のように出ているこの問題についての文献が、
     ほとんど訳されていないことにあると思います。そこで、私が英文の
     ブログをつくり、そこにみなさんが訳した文献を掲載するというのは
     どうでしょうか?』
    という趣旨のもと
「COMFORT WOMEN」という英文ブログを立ち上げ
    られました。時間と能力に著しく欠ける自分ですが、なにかできること
    ないかな?と強く思う今日この頃。とりあえずここに紹介しておきます。