パフィンの生態

映画と美術好きなパフィンの感想を記録。香港映画が一番好き!

ラブソングができるまで

2007年04月26日 21時21分02秒 | 映画全般
”Music and Lyrics”2007年、マーク・ローレンス監督。
ヒュー・グラントの腰ふりダンスと歌だけでも劇場で観る価値あり☆
音楽好きは必見♪

アレックス(ヒュー・グラント)は80年代人気ポップグループのメンバーだが解散後、ソロ活動を諦め、過去の曲を遊園地や同窓会で再現しているチョイ悪風、
実は人生を諦めかけた中年男役。

ソフィ(ドリュー・バリモア)は大学時代に同好雑誌に詩を載せていたが、ある事件がきっかけで自信を失っている女性。

今をときめく歌姫コーラに新曲を依頼されたアレックスが必死で作曲中、ソフィが植物に水をやりながら口ずさんだフレーズがアレックスの心を揺さぶった。嫌がるソフィに協力を求めるアレックスだが・・。

冒頭、人気絶頂期のPVから笑える。80年代のポップスってダンスがつきものだったのかしら。映像的にはワムを連想したが、この歌がいい曲なの!今も思い出してしまって困るんですが・・。二人が作った曲、
Way back into loveももう一度聞きたい!

ヒュー・グラントのラブ・コメの中でも、ここまで体を張って笑いをとった作品はない!そのサービス精神と歌声に感心した!
パソコンを使ってピアノ、ギター、ドラムを打ち込みで多重録音するシーンなど、本当のポップスターに見えるもんね~♪

ドリュー・バルモアはチャーリーズ・エンジェルの頃より痩せて、かつてのメグ・ライアンを思わせる知的だが頑ななヒロインを余裕で演じている。オリエントなブラウス、スカーフ巻き、ボーダーシャツなどカジュアルな洋服と真っ赤なドレスやビーズつき黒ドレスなど素敵☆

原題”Music andLyrics”は物語を端的に表している。
適当に詩をかけと急かすアレックスに対してソフィーが言う台詞!
メロディは外見、第一印象。でも、歌詞は心の内を伝える大切なもの。
メロディが詩とであったときに”魔法”が起きる、と。


「ラブソングができるまで」の二人の作業が実を結ぶコンサートが感動的。
素直になって気持ちを歌に託したアレックスの弾き語りのシーンで不覚にも涙が・・音楽の力は偉大です

追記:2回目の鑑賞で気づいたこと。二人が共同でコーラの新曲を
完成させるまでが強く印象に残っていたんだけれど、その後の二人の
物語が思っていたより長かった。遊園地での会話や喧嘩も重要だった。

コーラのアレンジを”最悪”と思いながらビジネスと割り切ろうと
するアレックスに対してソフィが言う台詞、
追加の歌詞を作れないソフィに対してアレックスが言う台詞、

気まずい喧嘩の後の二人が映像によって上手く表現されていたから
コンサートの時のベタな演出に思わず涙が出てしまったのだな~。
監督は俳優や演出、音楽だけでなく、台詞や映像、編集まで
気を配っていたから、心を動かす映画になったのだと納得





サンシャイン 2057

2007年04月21日 23時22分43秒 | 映画全般
ダニー・ボイル監督2007年”SUNSHINE"、SF/サスペンスとなっているが
映像の美しさ、キリアン・マーフィの控えめな演技が際立つ作品。
真田広之もサムライ魂で適役。監督の作風が好きな方のみお奨め☆

2057年、死滅しつつある太陽に核弾頭を投下し、活性化して地球を救うという
ミッションのため、8人の乗組員がイカルス2号で太陽に向かっていたが、
遭難していたイカルス1号からの電波を受信した時から計画にひずみが生じ、
ついには犠牲者を出す。地球に太陽の光は戻るのか?

地球さえ汚染しているのに宇宙まで影響を及ぼすことないんでは・・と
醒めているため、普通は宇宙関連の映画は観ない。
今回はダニー・ボイル監督の作品で、キリアン・マーフィ、真田広之、
ミシェル・ヨーと気になる俳優三人が参加しているので見逃せない!と
劇場に乗り込む。

ま、まぶしい。いきなり太陽に近づく宇宙船と太陽光線が目に飛び込んできて、
「サングラスを持ってくればよかった」と思ったほどだ。

この映画はサンシャイン、太陽の光を取り戻す最後の望みを託された乗組員の物語であると同時に、太陽と宇宙の壮大さを描くことによって、人間の存在や試みの微小さを浮き彫りにすることを監督は意図しているのではないか?
あの幽霊としか考えられない人物は、太陽の偉大さを身近で知って
「神の意思=何もしないこと」を選んだと考えられる。
人間の思惑と反対の視点もあると暗示していると感じた。

ダニー・ボイル監督の映画は「普通じゃない」の誘拐ごっこ、
「ザ・ビーチ」の楽園ごっこなど、尋常ではない設定から物語を強引に推し進めて
その世界が終わるまでを淡々と描くのが特徴では?(ウィルスの映画は未見)

宇宙船といっても乗組員はカジュアルな服を着ているし、喧嘩して、精神科ドクターの治療を受けるクリス・エヴァンスなど、地球を救うために選ばれたエリートとは思えないような普通の人たちに最初は見えた。(一番凄いのは質問に答えて
くれるコンピューターシステム、イカルスね)

ところが物語が進行するうちに、キャプテン真田の美徳、キリアン・マーフィーの頭脳明晰さ、クリス・エヴァンスの判断力と勇気が見えてくる。大げさに口論したり、犠牲者を嘆いたりしないのは彼らが科学者であり、ミッションを遂行することを最優先にしたからだとわかる。優秀な科学者が太陽と対峙する姿勢が
興味深かった。混乱しながらも、科学者としてベストを尽くす。

地上の人間組織が一切描かれていないのも良い。
計画を支持している組織が描かれたら興ざめ。
あくまで宇宙を描いた姿勢が好き☆

映画のラストで地球の風景を見せられたとき初めて、
彼らが宇宙の塵となっても偉大な存在だったことを実感する。
このさりげない描写が監督の映画の魅力であり、
一方でスリルがない映画と思われる点かもしれない。

宇宙船の中に酸素供給のための庭があり、ミシェル・ヨーが管理を担当している。彼女のアクションなしの演技も素敵☆
生命(自然)を連想させた。

なにより、太陽光線と宇宙の闇、宇宙船の造形、細部の動きなどの静的な画面と
登場人物の瞳のアップや動作の間に挿入される不思議な映像(一瞬)など、
独特な映像の連続が面白く、美しかった♪

かちこみ!とサンシャインを続けてみたせいか、風邪をひいて寝込んだ。
サングラスがなくて体力が消耗したのかもしれない。


かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート

2007年04月16日 21時45分31秒 | 香港・中国映画
『龍虎門』2006年、ウィルソン・イップ監督。香港漫画の映画化。
劇画タッチの色調や斬新な撮影、ワイヤー&CG満載のスピード感あふれる
アクション。未来感覚のカンフー映画。カンフー好きな方、ニコラス・ツェー、
ショーン・ユーを大画面で観たい方にお奨め☆

親のいない子供たちが最後に流れ着く施設、龍虎門。
行方知らずになっていた兄ドラゴン(ドニー・イェン)が黒社会の用心棒だと
知ったタイガー(ニコラス・ツェー)。権力抗争に巻き込まれた二人は
流れ者ターボ(ショーン・ユー)と共に立ち上がる!!

アクション監督も担当のドニー・イェンの切れの良いアクションは当然のことと
して、演技派として定評があるニコラス・ツェーが激しいカンフーアクションで
魅せてくれる。涼しい顔してワイヤーで宙返りしたり、足を高くあげ敵の上から
攻撃したり・・様になっていてカッコイイ♪

ショーン・ユーはヌンチャクの名手という設定。
見せ場は少ないものの撮影中、傷だらけになったのでは
モデル出身のハンサム、美しい顔が半分金髪に隠れて見えないのが
惜しいが、ニコラスと似ているから見分けがつくようにしたのかな。

物語は香港映画の王道・・敵が悪の化身のような化け物なので、
千葉真一が二人の子供をさらってきて世界制覇をめざす物語、
「風雲ストームライダーズ」のようなスケール感はないが、
その分、コンパクトにまとまっていてラストまで失速しない。

ウォン・カーウァイ監督の数々の映画で美術を手がけたウィリアム・
チャンが衣装を担当しているため、登場人物たちの洋服がおしゃれ~
ドラゴンの恋人のドレスは色っぽく、タイガーに想いをよせる女の子の服は素朴。この二人の献身的な愛がスパイスになっていた♪

上海らしき背景に不思議な店、ラストの決闘の空間など時代がわからない設定が『攻殻機動隊』を連想させる。音楽も川井憲次なので無国籍な雰囲気。
男の人ひとりの観客の姿が見られたが、カンフーアクション好きかしら。
有り得ないカンフーアクション、斬新な編集など楽しめた




プロジェクトBB

2007年04月12日 21時10分36秒 | 香港・中国映画
ジャッキー・チェンが賭け事好きな泥棒を演じるアクション・コメディ。
2006年、ベニー・チャン監督。

前回、ジャッキーの役は部下を目の前で殺されたショックで飲んだくれになった警部の役だった。今回は泥棒しては賭け事で金をすってしまう親不孝な中年男の役。冒頭から金庫に穴をあけ、高額な薬を盗んで逃げるシーン。設定は意外でも
ジャッキー映画は笑いが散りばめられていて楽しいし、安心して観られる。

プレイボーイで見栄っ張りなルイス・クーと鍵あけ達人の大家マイケル・ホイ。
三人はささやかな泥棒を繰り返していたが、ある時、大富豪の赤ちゃん誘拐を
依頼される。首尾よく赤ちゃんを連れてきたものの、あやし方も食べ物も
おむつの交換もわからず奮闘するうちにジャッキーとルイスは母性愛にめざめ、
赤ちゃんを守ろうとするのだが・・。(二人と赤ちゃんのシーン笑えます!)

ジャッキーのアクション、切れは落ちても体を張っているのは立派☆
病院の手すりを滑り降りるシーンなどスタントなし。
香港らしいアパートの最上階から地上まで逃げるシーン、
赤ちゃん誘拐を依頼した悪党と赤ちゃんを取り合う公道カーチェイスや
ジェットコースターでのアクションなど心配になってしまうほど頑張っている。

ジャッキーの知り合い警部ユンピョウとの絡みや、カーチェイスのシーンでのニコラス・ツェーとダニエル・ウーの会話など見逃せない

ブラッド・ダイヤモンド

2007年04月09日 23時08分10秒 | 映画全般
レオナルド・ディカプリオがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた映画。
エドワード・ズウイック監督、2006年。
”Blood Diamond"とはアフリカ某国で反政府組織が民間人に強制労働させ発掘した原石を密輸し武器購入の資金源となっている”紛争ダイヤモンド”をさす。

ダニー・アーチャー(レオナルド)はアフリカ生まれ、南アフリカで傭兵として
働いた過去を持ち、現在はダイヤモンド原石の密売人。
ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は漁師だが、強制労働作業中に
大粒のピンクダイヤモンド原石を発見。
息子の救出のために売ろうとダニーに誘われる。

マディ(ジェニファー・コネリー)は違法ダイヤと知りつつ原石を買い上げ、
供給量をコントロールしている会社の実態を暴き告発したいジャーナリスト。
ダニーとソロモンに協力することになるが、目的の違う三人の行方は・・。

半年前から楽しみにしていて、公開初日に鑑賞したが、他の方たちが書かれていた通り長く感じた。主役級三人の俳優の演技は上手いし、物語も面白いのだが、
内乱の地で何が起きたか再現するシーン(反政府軍の非道さ、少年兵の洗脳、難民キャンプ)で神妙な気持ちになり、ピンクダイヤモンドをめぐるダニー&ソロモンの物語に乗れないのが痛い!!現地の人たちが簡単に死ぬ場所で二人だけが
生き延びるのも都合よく感じてしまったのは娯楽映画と割り切れないため。

紛争ダイヤモンドの存在を観客に知らせることは良いと思うが、
感情移入できなければ娯楽映画に話題性をもたせるコトが目的と感じてしまう。
ジャイモン・フンスーと息子の話は涙を誘うけれど、詰め込みすぎて
誰が主役かわからない。レオナルドの心の傷を冒頭から憎しみの台詞などで
表現してたら、彼の変化に共感でき、ラストで感動できただろうに。

アンドリュー・ニコル監督が武器商人の実態を描いた「ロード・オブ・ウォー」やアフリカの医療実験に係わる会社を告発しようとした夫婦の愛を叙情的にまとめた「ナイロビの蜂」と比較すると、熱演のレオくんが報われないと思った。

ラストの演技がいいの、見てあげてください





4月に観たい映画

2007年04月05日 22時21分02秒 | 映画全般
昨日、渋谷にパリス・ヒルトン主演映画、『プリティ・ライフ』を
観にいったのですがブラウスを取って外に出ると
すごい雨。その上、寒い!!
風邪をひいたら、4月7日公開の映画鑑賞に支障をきたすため
帰宅しました。その頃、みぞれになっていたそうです

上映中:「ブラックブック」評価が高いので興味が湧いてきた・・。
4月7日公開:「ブラッド・ダイヤモンド」レオナルド・ディカプリオ演技☆
「プロジェクトBB」ジャッキーとユン・ピョウ、ニコラスとダニエル顔見世♪

4月14日公開:「サンシャイン 2056」ダニー・ボイル監督のSF作品、
「かちこみ!ドラゴンタイガーゲイト」香港コミック。ドニー・イェン、
ニコラス・ツェー、ショーン・ユー出演・・これが一番楽しみ

4月21日公開「こわれゆく世界の中で」ジュード・ロウの演技観たい
4月7日公開の「オール・ザ・キングスメン」にもジュード・ロウ出演!

4月28日公開「バベル」ブラッド・ピット久しぶり♪
「ゲゲゲの鬼太郎」ウエンツ鬼太郎が観たい