パフィンの生態

映画と美術好きなパフィンの感想を記録。香港映画が一番好き!

レジェンド・オブ・ゾロ

2006年01月28日 19時34分41秒 | 映画全般
ロドリゲス監督「デスペラード」から10年。45歳になった
アントニオ・バンデラスのゾロに会いに行きました。あらら、
妻の尻にひかれ、ちょっぴり情けないゾロ。息子ホアキン君の
大活躍が印象に残る娯楽映画でした。

時は1850年、カリフォルニアが選挙を経てアメリカ合衆国に
参加することになり、街は希望に満ちているかに見えた。
ゾロ(=アレハンドロ)は、妻エレナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に
息子ホアキンと自分を最優先にしてほしいと懇願されるが・・。
(以下ネタばれしています)

超能力や武器をもたず、身一つで悪党を退治する「かっこいいゾロ」を
期待していったのですが、ジャッキーを思い出してしまいました。

アクションシーンの数々は決まってはいますが、つり橋の上で闘い、
屋敷にロープでしのびこみ、走る列車の上に愛馬トルネードと飛び乗るなど、
ジャッキー映画で観たシーンに似ているせいでしょう
「かっこいいゾロ映画」ではなく、コメディがかった娯楽作品。

妻と喧嘩した後の「情けないアレハンドロ」は必要なかったような気も。
ま、妻がキャサリン・ゼタ=ジョーンズですから、華やかな見せ場と
濃厚なシーンを用意したのだと思うことにします。

「プライドと偏見」での水彩画のような色調の田園風景&繊細な音楽とは
対照的に、濃~い色調の撮影&ラテン音楽~~
颯爽と馬に乗って現れ、弱きを助け、悪党を蹴散らすゾロなんですが・・

黒いマスクを取ると息子に尊敬されてないパパ。
愛する妻がワイナリー経営者といちゃつく姿に苛立ち、
酔っ払って裸みせちゃったり、馬から落ちちゃったり・・
ちょっと期待していたゾロとはイメージが違いました。

家族3人が活躍して、終盤で盛り上がりますし、
息子がゾロの正体を知るシーンなど良かったんですけど、
バンデラスが主役ではなかったです。(調べなかったのが悪い)
娯楽映画としては楽しめましたが、やっぱりバンデラスには
クールなギタリスト(殺し屋)が似合います

息子ホアキンや愛馬トルネードで笑いをとるのが、
正統派ゾロ映画と違うところ。ジャッキー映画好きなので(ちがうってば)
私には笑えましたが、途中で席を立つ方もいました。
脚本は「アイランド」を担当した人。2作とも長かったです



プライドと偏見

2006年01月24日 23時07分38秒 | 映画全般
キーラ・ナイトレイが18世紀末イギリスを舞台に、勝気で聡明な女性を
等身大で演じ、誰にでも楽しめる文芸ロマンスに仕上がっている。
田園風景の美しさも魅力。

ジェーン・オースティンの映画化といえば、1995年アン・リー監督、
エマ・トンプソン脚色&主演、ヒュー・グラント、ケイト・ウィンスレット共演
「いつか晴れた日に」がある。
高い評価を得た映画だが、やや華がないと感じた。

2005年「プライドと偏見」は、キーラ・ナイトレイの溌剌とした演技と
潔い脚色のおかげで楽しめた

18世紀末イギリスの田舎町に暮らすベネット家には5人の娘がいた。
長女ジェーン(ロザムンド・バイク)は、富豪ビングリー氏と親しくなる。
次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ビングリー氏の友人ダーシー氏
(マシュー・マクファディン)の言動を傲慢だと感じた。誤解が誤解を生み、
「絶対に結婚したくない男」と思い込んでいたのだが・・

映画の途中から、恋愛って難しいな~と思った。
本気で好きになる人って、自分と似ている場合が多いのよね
シャイな人はシャイな人を好きになり、想いを伝えられない。
頑固な人は頑固な人を好きになり、自分から好きだと認めたくない。
そんな二組のカップルの恋の成り行きは・・。

格調高いイギリス映画を期待した人は、肩透かし?
現代っ子の代表のようなキーラ・ナイトレイの饒舌さに
ハラハラ。自分に重ねてしまったのかな~。
自然な田園風景が心地よかった

輪廻

2006年01月12日 21時05分26秒 | 日本映画
優香と椎名桔平共演のホラーサスペンス。地味な映画だが、
優香の演技がなかなか上手い上、筋書きもひねりが効いていて、
予想外に面白かった。絵が粗い点やじわじわと謎の核心に迫る展開が
日本のホラー映画らしいと感じた。

35年前の無差別殺人事件を題材にした映画が製作されることになり、
オーデションを受けた渚(優香)は役を与えられ、
監督(椎名)に「最後に殺される少女の役で重要だ」と言われる。

その後、渚は殺人にまつわる幻覚に悩まされるようになる。
前世の記憶についての逸話が挿入され、
事件の関係者の生まれ変わりだと思われる女性たちが登場。

渚が前世の記憶を取り戻していく様子を見て、先を読んでいたが、
ある時点で予想が違うと気づく。
そこから先が読めず「どうなるのだろう」とラストまで映画に集中できた。

映画のラストで「映画の始まりのシーン」の意味がわかる仕掛けになっており
感心した。

さほど怖くないのだけれど、「ずっと一緒だよ」という少女の台詞と
不気味な人形は頭に焼きつきます!
映画より公式サイトの方が怖い。
前世占いとか、あなたの前世の記憶とか怪しいな~。


土方歳三 最期の一日

2006年01月10日 21時21分39秒 | 日本映画
2004年大河ドラマ「新撰組!!」で、鬼の副長として近藤勇を支えてきた
土方(山本耕史)の最期の一日を描いたドラマが正月3日放送された。

大河ドラマを見ていなかった観客でも、十分に感動できるドラマに
仕上がっており、大河ドラマを見ていた観客にとっては、試衛館や京都時代を
土方と一緒に思い出すような気分に・・・。(斉藤さ~ん!)

総攻撃目前の函館を舞台に、土方歳三と榎本武揚(片岡愛之助)の
心中を探る形でドラマが進行する。

函館港を守る新撰組の下にかけつける土方。
ボロボロになった新撰組の旗、試衛館時代のシーンを見せて、
近藤勇を失った土方の無念と時の経過を感じさせる演出が上手い。
「土方さん、丸くなったな」の台詞が印象的。

洋服を着て、ワインを飲む榎本武揚を快く思わなかった土方が、
総攻撃について直談判する間に「北海道を独立国にしたい」と
榎本が本気で夢見ていたと知り、近藤勇と榎本を重ねる。
二人の”ロマンチ”のために最期の戦に出かけるシーンがクライマックス。
台詞の積み重ねでドラマに引き込まれ、舞台を観ているような緊迫感
やはり脚本と役者の演技という点では、「里見八犬伝」より大人向け。

上方歌舞伎の若手、片岡愛之助の声と演技(声も演技の一部?)が
山本耕史に勝るとも劣らず、素晴らしい。幕臣たちの配役も良かった。
徳川への恨みを背負い死んでいったもの、
生き延びて薩長による新しい世界を見届けたもの、
どちらも「幕末を駆け抜けた」のだ。
ラストの演出も爽やか。

2005年アジア映画(邦画含む)

2006年01月04日 00時24分34秒 | 香港・中国映画
あまり日本映画を観にいけなかったので、香港映画と同じ範疇に
しました。ワクワク、どきどきしたり、感動した映画は・・

★1:ALWAYS 三丁目の夕日(監督の丁寧な仕事に敬意)
★2:香港国際警察(ジャッキーお帰りなさい♪)
★3:頭文字D(香港・台湾スターが日本人を自然に演じてた)
★4:ベルベット・レイン(新旧スターたちの共演に乾杯
★5:インファナルアフェアⅢ終極無間(トニーが登場して驚き)
★6:同じ月を見ている(エディソン・チャンが窪塚と共演)
★7:セブンソード七剣(アクションはよかったんだけど・・)
★8:カンフー・ハッスル(少林サッカーの方が笑えたかな
★9:まだまだあぶない刑事(初めて観たので楽しめた!)
★10 亡国のイージス(真田広之に一票を・・)

特別賞:「奇談」映画としては単調でしたが余韻が残っています。
映画ではないですが、2005年大河ドラマ「義経」での
滝沢秀明の俳優としての成長が嬉しかったです

2005年公開の映画

2006年01月01日 22時24分04秒 | 映画全般
皆さま、明けましておめでとうございます。
昨年、鑑賞した映画から「もう一度劇場で観たい映画」を
選びました。アジア圏(日本も含む)は除きます。

★1:「キング・コング」(VFX、演技ともに良かった)
★2:「チャーリーとチョコレート工場」(ウンパルンパが楽しい)
★3:「エターナル・サンシャイン」(撮影、脚本、演出が斬新)
★4:「イン・ハー・シューズ」(地味なのに心に染みる)
★5:「理想の女(ひと)」(ヨハンセンとHハントの競演)
★6:「ダンシング・ハバナ」(サルサ音楽と青春!)
★7:「アルフィ」(ジュード・ロウら豪華な配役、音楽が良かった)
★8:「ダニー・ザ・ドッグ」(リンチェがアイスクリーム・・笑)
★9:「ロード・オブ・ウォー」(Aニコル監督らしい軽妙な映画)
★10「ヴェニスの商人」(アル・パチーノ他、俳優陣の演技とロケ)

特別賞:「シン・シティ」(驚くような配役と撮影でした)

1,2,7は過去の映画のリメイク、5はオスカー・ワイルド、
10はシェイクスピアの映画化。とすると、3、4の独創性が際立つ。
比較的、低予算で製作した秀作だと思います。
好きだな、こういう映画。