「十字路のあるところ」 吉田篤弘(文)坂本真典(写真) (朝日出版社)
<あらすじ>
「夜を拾うんだ」
先生は事あるごとにそう言っていた。
「ピアノから黒い鍵盤だけ拾うみたいに」
そうした言葉が、黒砂糖を丸ごとのみこんだように、
いまも僕の腹の中にある。
あんな人はもう二度と現れない。
物語あり。
クラフト・エヴィング商會の作家と写真家が
町を歩いて拾いあげた
六つの絵巻
(付属帯より引用)
<感想>
吉田篤弘の小説はこれで何冊目かだけど、やっぱり独特の空気感を持ってる気がする。
すごく透明で、少し古いにおいがして、ちょっと優しくて切ない。
十字路がたくさんあってマンションもたくさんある、とある街を共通の舞台に、物語は紡がれる。
短編の合間合間に挟まれる写真は、今見てきた物語を実際に歩いているような感覚になる。
何なんだろう、この空気感は。
フィクションなのは分かってるけど、なんとなく、そういうことがあってもいいなと思える。
これが、世界観、というやつなのか。
きっとほかの人が同じ筋の物語を書いても、この空気は出ない。
物語は、人の視点?観念? なんて言ったらいいのかわからないけど、人を通して、書かれる、生まれる、ことによって、その人の世界が出来る。
感じたことを上手く言葉に出来ないんだけど、自分もそういう一つの世界を持てたらいいなと思う一冊。でした。
<あらすじ>
「夜を拾うんだ」
先生は事あるごとにそう言っていた。
「ピアノから黒い鍵盤だけ拾うみたいに」
そうした言葉が、黒砂糖を丸ごとのみこんだように、
いまも僕の腹の中にある。
あんな人はもう二度と現れない。
物語あり。
クラフト・エヴィング商會の作家と写真家が
町を歩いて拾いあげた
六つの絵巻
(付属帯より引用)
<感想>
吉田篤弘の小説はこれで何冊目かだけど、やっぱり独特の空気感を持ってる気がする。
すごく透明で、少し古いにおいがして、ちょっと優しくて切ない。
十字路がたくさんあってマンションもたくさんある、とある街を共通の舞台に、物語は紡がれる。
短編の合間合間に挟まれる写真は、今見てきた物語を実際に歩いているような感覚になる。
何なんだろう、この空気感は。
フィクションなのは分かってるけど、なんとなく、そういうことがあってもいいなと思える。
これが、世界観、というやつなのか。
きっとほかの人が同じ筋の物語を書いても、この空気は出ない。
物語は、人の視点?観念? なんて言ったらいいのかわからないけど、人を通して、書かれる、生まれる、ことによって、その人の世界が出来る。
感じたことを上手く言葉に出来ないんだけど、自分もそういう一つの世界を持てたらいいなと思う一冊。でした。