泡姫の本音。 ~イイ男になる為の講座~

【イイ男】になりたい、そこの男性諸君っ!!
ここにある女の本音を、はいっ熟読熟読!!!

ストーカー・私の場合 ~その4~

2006年02月02日 13時10分42秒 | ストーカー。




怖い。
その言葉が、脳裏を過ぎった。

やっぱり、もう【最悪】なの?



ハンカチを手放し、口元を押さえる。
駄目だ、逃げては。



しゃがみ込み、爪に直接触れないようハンカチを介して包み直す。



男性の指に対し、極めて相応な大きさから、
恐らくは2つとも、F自身の爪なのだろう。

この形は親指と人差し指、か?

…考えたく無いな。



ハンカチを戻し、軽い眩暈を振り払いながら部屋へ帰り、鍵を掛ける。
即行で封筒ごと便器に流す。悪いが、ゴミ箱では気が休まらない。



吐気と動悸が治まるまで、実に15分。

ようやく深呼吸が出来る程回復した頃には、
徐々に沸いてくる苛立ちに頭を支配されていた。



あの爪は、何?
昨夜、尾けてきた時に剥がして置いていったの?

人間する事じゃない。



テレビも付けず殺伐した空気の中で、朝は昼へと変わっていった。








♪♪♪



仕事先からのメール着信音で、我に返る。
メールは店長からだった。

本文は、"Fと言う男は、今後出入り禁止にした"と言う内容だった。

…ユリ?言っちゃったの?!
いや、それは言うべきだよね。…でもね店長、それは逆効果なんだよ!!

そう送り返す。




"それは大丈夫。ユリちゃん、ここ辞めるんだって"



言葉にならなかった。









そのまま店長に、無理を言って欠勤した。

後に聞いた話によると、この日、またもや19時頃に現れたFは、
出入り禁止を告げられるや否や、店前で土下座しながら泣き喚いたと言う。

"出禁は直に本人に伝えられる"とは知らなかった私は、
Fのその姿を想像し、また恐怖に駆られた。









"お店、出入り禁止になっちゃったよ。あの男、殴り殺してやる。"

"俺の爪、受け取って貰えた?あれは、一番の愛の証だよ。"

"愛ちゃんの住んでるアパートって、古くて危ないね。俺が一緒に暮らしてあげようか?"

"俺は愛ちゃんの全てを知ってる。何でも調べられるよ。"



出禁を境に、Fのメールは狂気を帯び始めた。

そして、執拗な見張り・付回しも。

完全にストーカーと化した…、私はやっと悟った。