ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
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引き篭もり 主婦

2015-03-30 14:19:10 | エッセー詩

 

朝のごみ出しは

あたりを見回して

誰もいないのを確かめて

 

猫の額より狭い 庭を掃くときは

道路を背にして

誰か家の前を通り過ぎても

気付かないふり

 

よく鉢合わせするお向かいさんは

娘連れての出戻りなので

向こうの方が 顔があさってだし

 

二軒隣、 一軒となり

近づいてくる 呼び鈴のピンポーン

大概は訪問営業

日中は 息をひそめて留守を装う

 

けれど 宅急便のおじさんは お見通し

ぐでぐでしている二階の私に向かって 

「OOさーん、 お荷物ですよ~」

 

隣の奥さんの

「二階にいるから呼び鈴が聞こえないのよ。

叫んでみたら」 の忠告による

 

 

電話には 勿論出ない

だから おれおれ詐欺には引っかからない

 

留守電にメッセージを吹きこむ声に聞き覚えがあれば

慌てて 受話器を取りに行くが

 

親しい人は メールで足りる

 

 

夕食の買い出しは

勿論 日が暮れてから

 

デパ地下は

値引きが始まるし

 

 

南面三室 どの部屋も日当たりがいい

この家に13年前に越してきて

 

夫の定年だけが恐怖 

一日中パジャマのままで過ごしたい

そんな私の

明るい気儘な 引き篭もり生活

 

 

        by  風呼       

 

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乃木坂から赤坂へ

2015-03-25 15:58:05 | 日記

 

3月23日、 千代田線の乃木坂駅にある新国立美術館に 『南画院展』を観に行ってきました。

南画は文人画ともいわれ 中国では知識人がたしなんだ画です。 水墨画に多少 色をつけたりします。 職業とする人が少ないせいか全般に 品性ある作品が多い。

 

    

赤坂 TBS前の 福島 ”三春の滝桜” の子孫の滝桜。 満開というので乃木坂から だらだらと歩いて見に行きました。   赤坂界隈は武家屋敷が多かったので 道がやたらと込み入っていてまっすぐに目的地へは進めません。 その名の通り 坂ばっかりですし。 曲者が侵入しにくくなっています。     左の建物は 赤坂ACTシアター。  

 

     

    ライトアップされた 福島 三春の千年桜 ”滝桜” (去年)

三春の滝桜は 周りが煙草畠だったので 1000年も永らえられたそうです。 煙草には殺虫の作用があるそうなのです。  ちなみに三春の滝桜は 4月中旬以降が満開です。 超混んでいます。

 

 

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壁ドンドン の穴

2015-03-24 12:35:05 | 少年期 詩作

 

「あの子の部屋の壁には

穴があいているの」

 

私立の中学に進学

大学受験に挑戦中の息子を持つ

母親が言った

 

「私は本人が良ければ

別に大学なんてどこでも良いのだけれど

主人がねぇ ・・・」

 

ご主人は 小学生の彼の

塾の送り迎えを積極的に行っていたそうだ

 

そこそこの 第二志望の

中高一貫の進学校に入学 

 

中学までは良かった

ずる休みを繰り返しても トップを守っていた

 

学校は 成績さえよければ

余り生徒に干渉はしない

 

父親の期待は いや増すのに

成績はどんどん落ちていき

夜中に壁を叩き殴る音が響き

 

第一志望校の受験に失敗

 

一浪の後

 

少し離れたコンビニでバイトをしている

しゃれた服装で歩いていた

きっと私立のK大にでも受かったのだろう

 

教育熱心で有名な家だったので

人々の注目度も大きく 噂が先走った

 

実は彼は二浪中だった

 

三度目のセンター試験がま近になった

1月10日、小雪のちらつく未明

 

彼は自室で

高校の制服のネクタイで

首を吊って死んだ

 

 

小学生の時から

同級生や 先生までを馬鹿にしていた

彼は 何に負けたのだろう

 

「私は別に T大でなくても

よかったのよ」

 

壁に開いた 無数の穴を見つめ

涙もなく 母親は呟く

 

 

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10人の演奏者による ジャズセッション  赤坂Bフラット 3/20

2015-03-21 22:20:39 | 日記

 

ヴォーカルは わが師 大橋美加。

 

ドラムの松尾明率いるテイクテン、ピアノ・トランペット・ベース・トロンボーン2・サックス3に紅一点のビブラフォンの山本玲子さんが加わりました。

片手に二本のスティックを持ってのビブラフォン演奏は 二本の幅を広めたり狭めたりしながら同時に4つの音を出すという神業ものです。

透明で優しい素敵な音でした。 山本玲子さんはバークレー音楽院を首席で卒業されたそうです。

 

     

 

 金管ばかりなのに 音が柔らかいのは ご覧のように壁がレンガのせい?

 

少しジャズが分かってきた?

 

         風呼   でした       

 

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もやし もやし

2015-03-19 14:13:21 | 日記詩

 

夕刻の デパ地下に

ここのところ もやしの姿が ない

 

しょうがないから

少し離れた大手スーパーに 足を運ぶ

 

もやし を買いに

もやしだけを 買いに

 

何でもかんでも 高いので

もやし位 満足に食べたい

 

主婦の思いは 同じらしく

あっ 最後の一袋が 目の前で消えた

30代くらいの主婦

 

キャベツなどが混ざった

炒め物セットなら 残っている

 

どうしようか 値段は倍以上

迷っていると

20代くらいの男性も

その袋を手にとって悩んでいる

 

と 40代くらいの主婦が

もやしを元の売り場に戻していった

 

考えるより先に 私の手が伸び

袋を素早く買い物かごに入れる

 

袋を戻した彼女の 気が変わらないうちに

 

さっき 最後の一袋を持って行った

30代くらいの女性と 同じ素早さで 

 

もやし もやし

たかが もやし されど もやし

 

 

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菅原伝授手習鑑(昼の部)  於・歌舞伎座

2015-03-17 22:44:17 | 観劇

 

片岡仁左衛門さまさまの 右大臣菅原道真です。

先の帝 宇多天皇の元に娘を入内させ さらに宇多天皇の息 醍醐天皇の弟 斎世(ときよ)親王に娘を娶わせ天下を取ろうと謀反を企てていると 左大臣藤原時平に讒言され 失意のうちに大宰府に流されていきます。

この浄瑠璃が書かれたころ 大坂で三つ子が生まれ評判になっていました。 それを物語に取り入れ 菅丞相の忠臣に三つ子が生まれ 丞相によって 梅王丸、松王丸、桜丸と名付けられ それぞれ丞相、 時平、 斎世親王に舎人として仕えます。

 

『加茂堤』  舞台は斎世親王と丞相息女との牛者での逢瀬から始まります。 桜丸の手引きによるものでした。 が 時平の追手が詮議に来ます。

             

            菊之助さんの桜丸。

斎世王と丞相息女は 無事に逃げおおせます。 菊之助の桜丸と 梅枝のその妻八重のやり取りが 微笑ましい。

 

『筆法伝授』 朝命により家伝の筆法を伝授するため 丞相は奥方の腰元と不義の罪で勘当していた源蔵を呼び戻し一巻を与えます。  

           

         魁春さんの奥方と丞相一子 菅秀才

取り巻かれた丞相の館から 梅王丸(愛之助)の手引きで源蔵は菅秀才をこっそりと連れ出します。

           

        染五郎の源蔵と 菅秀才を負ぶった 梅枝の戸浪

梅枝さん さっきは菊之助の妻で 最後は夫の代わりに牛車を曳く羽目になるもやり遂げるという おきゃんで魅力的な女性でした。 戸浪さんも魅力的、 浪人となった夫の不遇を支え、立ち回りまでして援ける勁い妻です。

 

『道明寺』  斎世王と恋仲になった丞相の娘刈屋姫は養女でした。 追われて実母の元に身を寄せていました。 流されていく途中で道真はその屋敷に立ち寄ります。 が 流罪の原因になった娘とは 会おうとしません。 刈屋姫(中村壱太郎 かずたろう)をかばう姉の立田の前(芝雀)とともに 母は(秀太郎)姉妹を杖で折檻するのでした。 それを止める菅公の声が聞こえ障子を開けると 菅公が掘り上げた自身の木像があるのみでした。

この木像が菅公の身替りになったり、大活躍をします。

            

         片岡秀太郎の姉妹の母 覚寿

杖で娘たちを叩くも 殺された姉娘の仇を取ったり 覚寿さんの迫力ある母心。名演です。

 

             

最後まで目を合わさない丞相。 手にした扇を刈屋姫に残していく。

 

科白は極端に少なく、ほば伏し目で感情を表す仁左衛門。 静かな存在感に脇役たちも応えました。 どの役者さんも役になりきって目が離せません。

 

夜の部は ご存知 『車引』 三兄弟の父親の古希を祝う 『賀の祝』 松王丸の子の小太郎が 菅秀才の身替りとなる 『寺小屋』 と続きます。

そうだったのですね。    (3/16 観)

 

満足満足の 

         風呼  でした        

 

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不思議な押し花展  於・銀座鳩居堂

2015-03-13 00:17:33 | 日記詩

 

主催するのは

『岡田 わ』 さん

 

糊は使わず

息をひそめて 花びらを重ね

 

静電気防止スプレーをかけて

そっとそっと額にガラスをかぶせる

 

花を丸ごと押すのではなく

花びら 葉っぱで 絵を描くのです

 

まずは 植物を 色を褪せさせず

乾燥させ ストックする事から

 

『岡田 わ』 さんの作品

思わずお弟子さんに

「宗教ですが?」 と訊いてしまった

 

押し花で表現されているのは

雨に見立てた 花火に見立てた

鯉のぼりに見立てた

強烈な求心力の 御魂の世界

 

誰か 『岡田 わ』 さんを知っていますか?

 

メディアに 彼女の押し花絵は

一枚も 出回っていないのです

 

それが証拠に

ネットで調べてやっとたどり着いた

 『岡田 わ』さんの情報は この一冊の著書のみ

 

       

 

今日届きました

 

でも1996年刊のこの本には

押し花絵の片鱗もありません

 

最初 彼女は 華道家だったらしい

 

さまざまの花の道に通じ

人それぞれの挿し方があっていいと思われたらしい

一人一流派思考 と 呼ばれます

 

2015年3月3日~3月8日までだった

この押し花展は

8年ぶり2回目だそう

 

写真撮影厳禁なので

類まれな『岡田 わ』さんの作品を

見た人は ごくごくわずかです

 

ご本人を知る人によれば

年齢は60才前半くらい

すらりとスタイルがいい

安倍晴明の末裔らしい

 

教室では ”般若心経”を解説しながら

授業する

 

もう一度あの絵を見たいと思うのですが

8年待たねばならぬのか

  

 

世の中はひろーい

       風呼   でした        

 

 

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フェルメール光の王国展  

2015-03-06 23:47:59 | 日記

 

フェルメール(1632~1675)に魅せられた 生物学者福岡伸一博士が

残された37点(うち1点は行方不明)を 独自の方法で再生・展示した

ものです。         (レンブラントは 1606~1669)

              

同年、ごく近所に 顕微鏡を発明するレーエンフックも誕生。

2人は交流があり共に 現在の写真機の原理で 逆の映像を見ていた

ようです。それはまだ紙に残せませんでした。

 

図録の表紙、 真珠の耳飾りの少女の下の 天文学者と名付けられた

絵は レーエンフックがモデルと言われています。  地理学者という絵も

あり どちらも話しかけたらすぐに振り向いてくれそうです。 

 

福岡ハカセは フェルメールの絵は 思い込みを排除した 写真のようだと、

そこに 科学者として共感できるのだと 言っておられます。

 

             

 

         合奏という名の絵、 1990年に盗難に遭い

         現在行方不明。

 

フェルメールは22年間の結婚生活で 11人の子供に恵まれました。

お腹の大きな女性のモデルが度々でてきますが きっと奥さんなのでしょう。

 

真珠の耳飾りの少女は 1665年作、 明らかに身ごもっているモデルの

青衣の女と 天秤を持つ女は 共に1662-1664年作。

あらあ フェルメールさんったら・・・

 

展示されている物は 描かれた時を想定してあるので 色彩は少しどぎつく

感じられます。 図録の方が目易い。

 

スマホをかざすと 絵が3Dになり フェルメールの絵の謎が解けるそうで

ついでに写メをする人もいて 自由な雰囲気でした。  贋作だし。

 

 

  3・10まで 日本橋三越前(A10出口 銀座線が近い)の

      日本橋室町センタービル1F  にて

 

       by   風呼             

 

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『九年前の祈り』 第百五十二回芥川賞受賞作

2015-03-03 13:52:20 | 

 

 

小野正嗣著。

 

大分の海沿いの過疎の町。

9年前に6人のおばちゃんたちと カナダに旅行した

26才のさなえ。

 

そのうちのひとりのおばさん、 みっちゃん姉が 教会で

一心にお祈りをしていた。   みっちゃん姉の息子には

障害があった。

 

その時たまたまカナダを案内してくれた青年と 東京で再会

したさなえは 彼と同棲し 息子を授かる。 が、 彼はまもなく

家を出て行った。

 

東京での生活が立ちいかなくなって さなえは息子と共に故郷へ

戻る。 

 

母親をはじめ近所の人は 「かわいやのう」 と ハーフの息子を

褒めてくれるが 息子には脳に障害があり さなえの手に余っていた。

 

みっちゃん姉の息子が癌で入院したと聞いて お見舞いにと 厄除け

のごりやくのあるという貝殻を 母の生まれた文島に取りに行く。

 

が 帰りの船を降りようとしたとき 4才の息子が 貝殻の入った

瓶を海に落としてしまう。

 

9年前の旅行と 貝殻を取りに行く現在が交互に さなえの過去と

共に語られる。

 

田舎の風景、 人情、 淡々とした描写は一気に読めず 二度ほど

中断、 ”文芸春秋” で90ページ位なのに延べ三日がかりでした。

 

 

作者は過疎の大秀才。

学歴のない家族に応援されて 東大を出、 フランス暮らしが

長かったそう。

 

フランスで出会ったイギリスの大学を出た 奥様の強烈な個性

とか 作秋亡くなられた3歳上のお兄さんとか 読む前に私生活

を 多く語っておられるのを知っていたので 「それで?」 感が

私の中に意地悪くあったせいかもしれません。

 

作者は自身の故郷、 竹野浦河内を 「浦」 と呼び 繰り返し作品に

されているそうです。 ちょっと不思議な「ひと」の感性とか そうそう

と思うのですが いまいちしっくりとこないのは 作者の同調が感じ

られないから?

 

 

   ???  by   風呼       

 

 

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