高樹のぶ子のSIAブログ
朝日賞、大佛次郎賞、大佛次郎論壇賞
先日、朝日新聞主催の朝日賞、大佛次郎賞、大佛次郎論壇賞の合同授賞式に出てきました。
わたしはその中の大佛次郎賞の選考委員をしていますが、この賞をうけられた「出星前夜」飯嶋和一作は、どしりと重い、人間味あふれる傑作でした。
島原の乱を宗教的に描くのではなく、けれどきちんと資料を押さえて庶民歴史として書かれています。
この授賞式で、論壇賞の「反貧困ーすべり台社会からの脱出」湯浅誠氏のスピーチはこれまたすばらしかったです。
貧困というのは、単にお金がないということではなく、情報からも心のネットワークからもすべり落ちてしまうことだ、という説明に、わたしもあらためて、自分の無知に気づきました。
そうなんですね、貧困はお金の問題ではなく、「未来をむしばむ」病なのですね・・
そのスピーチのなかで、日本は貧困率がアメリカに次いで二番目だとありました。
アメリカが17%日本は15%です。
この貧困率とは、平均値からの落差なのでしょう。詳しくはわかりませんが、アフリカなどの国とは違う物差しで、ある意味で、格差社会の底辺生活者の率とも考えられます。
つまり、それだけ「自尊心」を傷つけられ、「惨めな思い」をしている人たちです。
「おにぎりが食べたい」と言って死んでいった人がいます。
ショックです。
ちょっと前までは、フリーターはプータローの言葉にも重なり、自分の意志で、ある意味気ままな生活を自ら選んで、社会の組織の外で生きている若者たちでした。
だから、生活の不安定、は自己責任の問題だとされていたところがあります。
けれどいま社会の組織に入ろうとすれど、入れない人たちがあふれているのです。
これからどんどん、増えてくるでしょう。
もはや自己責任ではなく、社会の責任、政治と行政の責任です。
そうしたことを、受賞のスピーチで話され、強い説得力を持たれたのは、ご本人が
日比谷公園で炊きだしの指揮をとる「反貧困ネットワーク事務局長」をなさっているからです。
このスピーチを聞けただけでも、出席してよかったです。
高樹のぶ子
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コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
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かならずしも金銭的な貧困ばかりでなく、人と付き合わない自由を求めることで滑り台社会を転げ落ちていくような悲しい人たちが増えているようです。
若い連中でも自由気ままにしていたいと言いながら、知らず知らずに滑り台社会の罠に嵌り、他人との繋がりも細くなり、精神的にも貧困に落ちていく現状はこのところの経済危機で加速されているようです。
戦後間近い頃もそうでしたが、ごく最近の小泉時代でも、我々はアメリカの自由主義に憧れていたのです。
しかし、人間を自由にすると、戦争を惹き起こしたり、こんどのカジノバブルを起すなど失敗もするし、またうまくいったとしても、結局力のあるものがこの世を支配し、力のないものは落ちていくという構図になるのは人間の動物的な避けがたい側面です。
それを調整するのが政治の役目、つまり人間的な配慮、目配りこそが政治なのでしょう。
自由を妨げる施策は望むところではありませんが、ある程度の制約を掛けるという政治の役割は必要といういうことです。
あまり行き過ぎないようにぼちぼちとというシニアの知恵が必要な時代です。
屁理屈をこねている人より、はるかにりっぱです。
白い桃の花も膨らみ始めたのですが、あの紅ソメイヨシノはちょっと工夫をしないと、未だ蕾も固く上手く開花しないかも・・・。
あのボケは猪のように、いつも咲いてます。
大仏賞は好感の持てる作品のようですね。
「貧困」問題?
これは長いコメントになって仕舞いそう・・重い話。
さて、猪は何を提示しましょうか・・。
う~ん、猪はイラク戦争には絶対反対だったし、あの巨額な軍事費用もアメリカ凋落の原因の一つですし・・ふ~む。
でも日本人は美しい女性が多いので、国内の状況や身の回りを確認して見ます。
時代によって貧困層の人々には、それぞれの原因や状況が有り、またそれを把握するのはとても難しいことです。
昨今の行政、つまり公務員達は自己既得権益や、自らの雇用を守る体制が、すべての分野で目立ちます。
ですから政策によって予算を付け変えて、行政を動かすにも、我々の代弁者の代議士家達に対し、難しいですが具体的にいろんなケースの、きちんとした貧困撲滅計画を提案できる、ボランティア機構団体が必要でしょう。
猪の業界で見渡すと、手抜きの構造設計の「姉葉事件」により、役所の確認申請許可業務や、その役所が求める設計事務所の作業が膨大になり、なかなか建築確認申請許可が下りなくなって、不況の原因の一つになっています。
そこへの今回の大恐慌でした。
これはあの事件により、役所責任を担当窓口が追求されないようにと、チェックする項目の書類も膨大にしてしまったのです。
建築確認申請許可制度は、防災と耐震性のチェックにより、最低限、安全な建物を造るのが目的です。
一戸建住宅は簡単なチェック項目で、現在の法定の安全性や耐震性は、充分把握できる筈ですが・・・それが不思議な位に膨大になってるのです。
年金確認作業みたいに。
結果的に一戸建の設計業界では、「役所主導の不況」と失笑されてます。
これ、本当で信じて下さい。苦笑
もちろん談合事件による、営業停止処分は自己責任であり論外ですよ。
何となく公務員削減の障害になる事を、自ら沢山作っている様子が伺えます。苦笑
代議士の皆さんさん!
彼らの小手先で、断じて騙されてはならないよ!
断じて削減しましょう!
猪も貧困と裕福との間を、ふらふらしてる人生なのですが、幸い一度も不動産を担保に入れる事は有りませんでした。
万一滑り台を落ちるような事が有っても、明日は明日の風が吹く、の気概で仕事に向かえる、猪には最低限の「条件」が備わっているからです。
この条件とは多少自ら学んではいますが、そんな事よりも若い頃からの友人達や、後輩達の統括責任者から得られる無償の判定情報と、新しく出会った好みの人々を六感で選択し、仕事で交流するのが結構楽しいからです。
「反貧困ーすべり台社会からの脱出」湯浅誠氏の云われる、人や企業と交流ができない人々の行く末が、貧困層を作っているのはその通りです。
これは低学歴で無知な人々だけでなく、高学歴でエリートとも呼ばれる人々にも共通し、交流できない社会になってるのが現状です。
猪の本音としてこれを何とかするには、交流できる人間力を付ける為に根底的な暮らし方や、教育の変革が重要だと思いますが、昨今の貧困問題はそれから手を付けるだけでは、直ぐに問題は解決しないでしょう。
だとすると何処かを思い切って変革するしかない。
バタバタと組み替えが起きる筈ですが、それが何処なのかが、猪にもちょっと解り難いです。
皆さんもそうでしょう?
いえ、やはり自己陶酔型人間が集まってる官僚社会でしょう!
彼らの一角か幾つかを壊して、折角ですからこの官僚達の頭脳を、初期化して貰い上手く使う必要が有ります。
これは野党が政権を取るのが前提ですが、それをサポートする団体も未だ貧弱ですから、彼らの失政を避ける準備も必要でしょう。
とんでもないJRの交通費も下げて貰わないとね?
長~く内需産業は負け犬組と、自嘲してきた業界でしたが、皆さんちょっと頑張ってお施主さんや役所に掛け合い、良質な仕事を作り出しましょう。
猪は内需産業に携わってる、人々のためだけに頑張ります。苦笑
はい、この本音は一身上により内緒ですが、外需産業には巨額な内部留保も有りますし、え~ッ、消えたのでしょうか?
やっと雨も上がり、久々の散歩に出ます。
傘だけは常に30本は有りますが・・。
例え累進課税をかなり増税されてもですね。
トップ層は資産をリスクの有るマネーゲームに、一部だけ投資しているだけ損失は少ないです。
不況になるとトップ層は、中産階級が減少しその消費が減っても、おのずと地代や家賃の増収にはなります。
日本は実態はこの30年位は中産階級が減少し、ここ20年近くはスパイラル的に減少してます。
トップ層は蓄財に貧困層を利用しますが、決して貧困層を抱えたりはしませんよ。
どちらかと云えば、地道なボランティア活動をしている階層は中産階級でしょう。
日本のトップ層はアメリカと違い、確かに資産規模が小さいです。
でも日本のトップ層にも、相応の税金を負担し、ボランティア活動もして戴かないと。
オバマ大統領は頑張ってます。
銀行頭取や役員の数十億円から何百億円の年収をカットしないと、公的資金投入しないと発言してます。
猪の本音としては無借金経営が好みだし、金融にはろくな人種しか集まってないから、金融機関はどんどん破綻させて結構なんですが。
住宅ローンは政府の直接融資で行きましょう。笑
猪は当時、無借金経営だった、優良企業城下町で育ったのです。
でもこの企業は社員に住宅ローンを組ませ、社員には借金をさせる体質でしたから、これって優良企業なのか、猪もわかんなくなって来ました。マシ?笑
あれ、これじゃ永遠に平社員は、教育費や仕送りの出費もあるし、実質的には貧困層だったのかも。
多分、これが企業資本主義の縮図ですね。
スペインの親戚は会社がマンションを新築し、低家賃にして超安値で社員に払い下げ、住宅費用を軽微にしていたようです。
父親のパコの家はワンフロアーを占め、部屋数も10室以上は有ります。(既に同居は末娘のみです。)
聞くとパコ自ら料理をし、毎週のように友達を集めてパーティー、週に三日はボランティアの生活でした。
う~む、明らかに日本は年金生活者も、生活に余裕のない感じです。
この年代も交流できない人々が、かなり居そうですね。
今度の世界恐慌の、とりわけ打撃の大きな筈の日本経済には、どう対処すれば好いのか、猪は幾人かの政経の専門家の構想を調べましたが、好い構想も解決しない矛盾が有り、かなり五里霧中な構想との感想を覚えました。
前例の恐慌の時代とは違い、一人当たりの生産力も高いし、労働の質も違い、その上ウェブ情報も発達した今とは、先例はポジティブ指向の構想にはあまり参考にはなりません。
ただ、こういった状況の時代は、ファシズムなど日本も恐慌の後に、ネガティブな独裁政治が横行した経緯が有り、それは絶対にトップも貧困層も阻止しましょう!
日本の特徴は労働者の横の組織が、この20余年で崩壊し脆弱になってますから、労働者の立場には地獄でしょう。
一時の経営者側と同じく、異業種合同で対処するのもお勧めします。
猪の近年の生業は、アナログ的な労働が多いのですが、そのニーズは充分有ります。
しかし各件の労働のボリュームが小さく、大して貢献できないですが、人工(にんく)単価はかなり高めに支払ってます。苦笑
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えっ?
そんなグロ表現で「甘苦上海」は読者を悩ませてるんですか!?
それはそれはお気の毒です。
そういえば挿絵の方も、少し悩んでたかな~??w
それじゃ、だんだん抽象的な色彩勝負の、挿絵になってませんか?ww
皆さん、ホント~に可哀相に・・・・。
でも高樹さんの犠牲になって、早死になんかしないように、気を付けて下さいね?!