アマ指導者に警鐘の筒香 甲子園を主催の新聞社も痛烈批判

2019年01月29日 05時46分03秒 | Weblog
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/246304

アマ指導者に警鐘の筒香 甲子園を主催の新聞社も痛烈批判
公開日:2019/01/26 11:50  更新日:2019/01/26 17:56

筒香嘉智
次なる矛先はアノ新聞社…(C)日刊ゲンダイ
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「聖域」にも斬り込んだ。

 25日、DeNAの筒香嘉智(27)が日本外国特派員協会で会見を開いた。以前から言及してきた、勝利至上主義によるアマチュア野球指導者の選手酷使や暴言・暴力について改めて問題提起。この日も「大人が守らないと子供の将来は潰れる」と警鐘を鳴らし、少年野球や高校野球でのリーグ戦導入や球数制限ルールの適用について訴えた。

「プロ野球選手の(ように)体ができた大人ですらリーグ戦でやっているのに、体のできていない小さい子供たちがトーナメントをしている。将来がある子供たちを守るには一発勝負のトーナメント制をやめ、リーグ制を導入したり、ルールで球数制限や練習時間を決める必要があると思う」

■高校野球の「悪」を伝え切れていない

 昨夏、金足農の吉田輝星(18=現日本ハム)は、秋田県大会から甲子園の準決勝まで10試合連続完投勝利。11試合目となる決勝で12失点を喫し、計881球で途中降板した。過去にも、早実の斎藤佑樹(30=現日本ハム)は甲子園だけで948球、1998年、横浜の松坂大輔(38=現中日)も782球を投じている。

 高校野球はエースがマウンドに立ち続けることが美学とされ、抑えれば「怪物」、打たれれば「悲運」。メディアはこぞって感動的な物語に仕立て上げ、高校野球人気を煽っている。筒香はそういったマスコミにも矛先を向けた。

「高校生が甲子園に出てやっていることは、あれは部活動です。高校の部活に大きなお金が動いたり、教育の場と言いながらドラマのようなことをつくることもある。新聞社が高校野球を主催していますので、子供にとって良くないと思っている方はたくさんいると思いますが、(メディアは)高校野球の『悪』というか、子供たちのためになっていないという思いをなかなか伝え切れていないのが現状かなと思います」

 会場で聞いていた甲子園大会を主催する「新聞社」は耳が痛かったに違いない。主催の新聞社にとって高校野球はドル箱事業。朝日新聞は中高生の部活動に対する熱中症の記事を掲載しながら、昨夏の大会で熱中症患者が続出したことへの問題提起は皆無だった。

 この会見後、春のセンバツ出場校が発表され、筒香の母校である横浜高は5年ぶり16回目の出場が決定。使命感に燃える野球の伝道師は、球界とメディアの間にはびこる悪しき文化も変えるか。

川淵三郎氏が高野連に激怒「頭の中身は明治時代」

2019年01月29日 05時45分03秒 | Weblog
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川淵三郎氏が高野連に激怒「頭の中身は明治時代」
[2019年1月26日14時38分]

日本スポーツアナリスト協会主催イベントの基調講演で高野連への怒りをぶちまけた日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長

川淵さんの怒りが爆発した。日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長(82)は26日、都内で行われた日本スポーツアナリスト協会のイベントに出席。「未来への提言」と題した基調講演で、ダンスイベント参加の高知商野球部に対して処分を検討中の日本高野連に怒りをあらわにした。

この日のイベントは各競技のアナリストが競技の枠を超えて意見交換し、スポーツ界の発展に寄与しようというもの。スポーツ界の開かれた革新をという若いアナリストたちの取り組みに「スポーツ界の未来に希望がもてる」と話した川淵氏だが、テーマに選んだのは「今、最も怒っている高野連のこと」だった。

この問題は昨年12月、高知商の引退した3年生部員が市内で行われた同校のダンス発表会に参加、ユニホーム姿で踊ったのが発端だった。野球部員たちは甲子園での応援に対する感謝の思いだったが、500円の入場料だったことで日本高野連が「商業的利用にあたる」と問題視していた。

川淵氏は今月15日、講演のために滞在していた高知市で一連の騒動を聞いた。「最初は野球部員がダンスなんて素晴らしいと思っていたら、高野連が問題にしているという。こんなばかげた話があるか」と激怒して、すぐにツイートした。その後、全国的なニュースとなって怒りも増幅。この日は、1000人近い出席者に向けてぶちまけた。

「500円とって、それが商業利用なのか」と最初はチクリ。甲子園の入場料は「新聞社のことで知りませんというんだ」と険しい表情で言った。怒りの矛先は囲んだ報道陣にも。「もっとマスコミは声高に叫ばないと」と言い「誰が考えてもおかしいのに、高校野球は不可侵なのか」と言葉を荒らげた。

20年東京五輪以降に向けて、各競技団体の独立性、公平性、自立性などが問われる時期。野球も例外ではない。だからこそ「学校の先生が悪いというわけではないが、もっと外部の人の知識や経験を取り入れてほしい」。高野連などアマチュア野球界の体質を「旧態依然」と言い放ち「頭の中身は明治(時代)から変わっていない」と容赦なくぶった切った。

高知商の処分は2月1日に開かれる日本学生野球協会審査室会議で決定するが「内容によっては、もう黙っていない」と同氏。「スポーツ界は今、大きく変わろうとしている。野球界も今が基本的な構造から変わるチャンス。野球界が今のままでいいと思っているなら、それが1番の問題」と怒りは収まらなかった。