山葵の別荘

京のお山の斜面の小屋で、ときどき描いたりつくったり。
与太を飛ばすのが仕事です。

鬼記

2022年02月26日 22時30分35秒 | Weblog
朝、頭上でコトンという音がして目が覚めた。

そこは先生がいる場所で、
ああ、またなんぞお叱りか、と二度寝に入る体たらく。

二日前ぐらいからなんだか熱っぽい。しかし
測ってみても36度台後半。喘息の調子も悪いがそれよりも
目がシパシパして痛い。
この時期風邪っぽいなんていうと、とんでもないことになるので、
様子を見ることにする。多分毎度の花粉症だ。

職場に出向くのは週2回。ガラガラに空いた時間に、
空いた乗り物に乗って出勤する。
職場はかなり感染対策もしっかりしていて、
日に何度も消毒する。
毎日行くスーパーも、出入り口で消毒はする。
自宅は山小屋。一人住まい。

あまりにも横になっているのが気持ち良くて
ついつい布団でうとうとしてしまう。
夕刻 スーパー行くかーと先生をお祀りしているところを見遣ると、

先生のお骨を分骨してきて、高坏に納めて、下鴨さんからいただいた
香炉の蓋をしていたのが、ひっくり返ってガーゼに包んだお骨が剥き出しに。

ありゃまあ。

すみません、なんか怒ってますがと蓋を掃除し、戻した。こぼれたこなは飲んだ。

そうですよね、お掃除しなくちゃいけないのわかってるんですよすみませんって
毎日挨拶だけはかかさないが、杜撰な弟子がここにおりまする。

毎日、毎日、絶対にご挨拶だけはしておかないと気が済まない。
ご存命の時にできたはずなのに、できなかったことが去来する。
どういう訳だか、
先生は私だけをお選びになり、
地位も名誉もお金も全て空に返して、

あとを「この子がわかってるから」

とだけ言い遺して身軽に全てを始末して逝かれた。
本当に、あんな、お芝居のようなことができるのだなあと
そんな精神力を持つことができるのだなあと

もったいないほどに、最期のお稽古をして逝かれたと思う。

「腹をくくれ」

身に余る尊いお稽古だった。

右往左往

2022年02月17日 19時25分49秒 | Weblog
うおーさおー。


とにかく体制立て直しをと思うも、
立て直すも何も、そもそも立ってねえ。

まだ、身内以外に自分を必要としてくれる人がいるのだと思うと
できるところまではやらんとねえ。

昨年、身内以外に「どうしてもアンタじゃないとダメだ」という
名誉なお言葉を賜り、及ばずながらお見送りをした、
あとは母さえ見送れば、浮き世の役目は終わりと思うたが
まだなんぞゆうてくださる方がいらっしゃるようなので、

頑張らない程度に、やっていくよ。
頑張るとろくなことが無え。

好きなように生きますよ、

師匠

2021年10月20日 19時38分10秒 | 師匠
五月末日に師が亡くなり、四ヶ月半あまりが過ぎた。

私がちょうど二十歳の頃に出逢い、
本当にどういう縁なのか、
卒業後週一ぐらいでお稽古は続けていた。

そして、私が通っていた頃には本当に毎週
多い時には週二回のペースで夜中まで飲み歩いて
さんざ楽しい時を過ごさせてもらった。
「あんたは僕の死水とるのよ」
と何回か言われたことがある。

その時私は、死水の意味を理解していなかったし、
飲みの席だからと思っていたのだけれど。

私が三十路に入った頃、公私ともに潰れてしまい
全てを投げやって京都に来た

たった十年とはいえ名前も取らず、事実踊りをやめていた私を
それでも会の時にはお手伝いを依頼してくださったり、
新年会によんでいただいたりと



ここまで書いて胸が詰まってしまった。
また続きを書きます。

買い物の記憶

2021年07月03日 21時25分12秒 | Weblog
桜。

ゆっくりと、呼吸を整えながら歩む、背中。

風が吹いて桜が散っている。

二歩半下がって、座れるカートを引き、侍従。
この桜が最後かもしれないという考えを頭を振って振り払う。

「この坂を下りると、もうこっちから上がれないのよね」
「そうなんですか」

「スーパーの人の流れは、ゆっくりしてるのよ」
「そういえばそうですね」

「これ、このサイズのがいいの」
小ぶりのレタスで、嬉しそうにいう。

一つ一つを愛おしそうに見せて、楽しそうに好きな理由を言ってくれる。
後ろ向きの背中から、稽古の時のように、指先で指示する。

帰りは、途中のベンチで休憩。
「大きな犬が好きなのよね」
「仰ってましたね。私は猫が好きなんです、でも大きな犬はいいですね」
「小さい犬は嫌なのよ」

ゆったりと、ゆったりと時間が流れていく

もう一年経っちまったのかい

2021年01月19日 18時56分01秒 | Weblog
気づけは2021年も二週間を超えてしまいましたよ、みなさん。
あけましておめでとうございます。

いかん、年一回の更新になってるではないですか。


しかしまあ、昨年は本当に忘れられない年になりましたね。
忘れられないと言うか、わけのわからない年でした。
どこ行っちゃったんだろう2020

ちょっとね。多分働き方とか変わってくると思うので、
と言うか、変えざるを得なくなる。
調べ、考え中。

そして自分に合うこと、合わないこともはっきりしてきた。
「やってみよう」です。

もう後はありません。

お久しぶりです。

2020年01月24日 21時08分13秒 | Weblog
こちらを更新するのは、久しぶり。

現在主にツイッターで晩酌のお供に
日々の由無し事を呟いてはいるが
そちらでアウトプットしているのでこちらには投稿していなかった。
ツイッタで絡んでいない方々、ごぶさたです。

先のエントリが確か東京への観劇遠征だったのでほぼ一年ぶりでしょうか。
昨年の年末に「何にもしなかったなー」と思ったのだか、
思い返すとそうでもなく、イベントや観劇や、自分もコミティアの参加など
割といろいろやっていたようで。
それなりにというより、きちんと思い返すとむしろ
「そんなに動くか」という一年でした。
まだ療養中なのに、よくやったと思う。

膝を壊し、「水が溜まってますね」と膝に注射されたり、
蔵書点検を張り切るあまり、誇りまるけの書庫に入って掃除して
アトピー爆発させて朦朧と病院に行ったら
「これは病院だったら入院させるレベルです」とか言われたり
体調不良なりに無茶苦茶した年でした。

まだ色々できていないことがあって、
「普通の生活」がいかにハードル高いか
で、今の自分の状況を良くも悪くも
ちゃんと把握して、丁寧に行きたいものだと思います。

支えられて生きています。
感謝。

またここも徒然更新したいと思います。

衝動旅行

2019年04月21日 22時56分04秒 | Weblog
先週の金曜から、思いつきで無茶苦茶な旅行をしてきた。

完全に無計画で、お金もないのに。

旅の目的は目黒で行われる、先日アンサンブルキャストで参加させていただいた劇団さんの舞台。
一度何かにメーターが振り切っちゃうと、もう後先考えないで行動する志向があるのは
自分でわかっていたので、今回は行かないと決めていたんだ。


でも、あまりに流れてくる情報、感想が良くて我慢できなくなった。
売り切れていることを承知で、キャンセル待ちを予約。
この土日の公演でどこか空いたらと。
ほとんど諦めた頃「空きました!」
金曜、夜行バスの空席予約を睨みながら、どうしよう、どうしようと思っていた。
直前にに空席あったのでいけると思って確認すると満席。

が、他のサイトで見ると未だ空席がある。
ウェブ上からぽちしたが、これが、、決済画面まで行っていなかった模様。
完全にやべえと思いながら二重決済にならないようにとりあえず乗り場まで行き確認。

はい、予約できてませんでした。やっぱりね。


が「この後の便で空きがあります」慌ててググる。今回はちゃんと決済完了。
どうにか無事乗り込み、発車。
浜松のSAでトイレで降りたら迷子になって乗ってきたバスを見つけられず、
この世の終わりかと思うぐらい怖かった。
発車時間を少し遅らせましたが、まあとりあえず東京に到着。


で、朝食難民。
なぜ朝っぱらから開いてるのがラーメン屋ばかりなの八重洲。
そして、全然流行ってないお蕎麦やさんで蕎麦とネギトロ丼のセット食す。
人の良いご主人。
もちろん眠れてないので空腹極まってたのでガツガツ。

まあとりあえず公演場所の確認で目黒に移動。
ここで携帯の充電のためにマクドに入り充電がてら空腹でもないのに昼飯。
公演会場の確認後、近所の寺社で狛犬をスケッチ。
いい狛犬さんだった。

近所にあるのがわかっていたので
数十年間とり・みきさんの漫画で見知っていた目黒寄生虫館を訪問。
非常に綺麗な展示をされていて、グッズもすごくよかった。


で、舞台。
笑い、笑い、そして泣き倒して頭痛くなって、もうくったくたで東京駅に移動。
ここまでに東京の知り合いに連絡して「遊んでー」と連絡していたら、この夕食と翌日の遊び相手確保。
すげえや嬉しい。

夕食は母の店のお客さんに連絡したら、千葉からわざわざ出てきてくれてしっぽり飲み。
宿を決めてない、小洒落たネカフェあるらしいしそこ行きますと行ったら
全力で阻止されてアパを予約させられた。色気もなく、ただ宿代を渡されて。
申し訳なかった。ありがたく頂戴しました。
母店の一番人気のお客さんは現在70台も後半に差し掛かっているが
相変わらずシャキッとして素敵な男ぶりだった。

しかし予約した秋葉原のアパは2軒あり間違えた方に行き
また移動。途中派手に転んで膝から流血しながらチェックイン。
スッキリ綺麗なホテルでぐうぐう寝たのは良いが、

京都から出るときに買っていたのが靴下だけだったため
下着としてのパンツの替えがなく、ノーパンでユニクロを探す羽目になり
もうなんだかわからない状態に。
私は一体何をしているんだろう感が一番極まった瞬間だった。かなり濃い経験だった。

そして本日は大学同期が二人遊んでくれるという予定が立ったので
ユニクロでシャツと下着を購入してなんとかことなきを得た。


年々、生きることのハードルを下げている気がするし愉快。(私は)

日本人としての普通の人であるよりサバイバル感の楽しみが勝つ。
前日「宿が決まってない」とラインした友人の奥さんが「大丈夫なの?」と心配されていたようだが
「大丈夫だろ」と話されていたらしい。

さて昼頃上野で集合。
科学博物館の常設を見たかったんだが、特別展が「哺乳類展2」だったのでせっかくだからと入館。

入った途端3人、はぐれる。
全く一緒に見る気がない連中なので仕方ない。

常設は一応3人で観て、
どうしょうかなあバスで帰る体力ないなあと思っていたら
「時間を金で買え」と友人の強い説得に、体力が限界にきているのに気づき
あっさり新幹線に乗って帰ってきました。


新幹線、速いわー。
とりあえず、全く無計画でも国内は大丈夫だと思いましたが、
次どこかに行くときは、ちゃんと計画していこうと思いました。


後。グーグルマップほんとにポンコツでした。
ちゃんと下調べ要りますね。

だらだら書き垂れましたが、衝動に任せて旅行するとこんな有様になるのがわかったので
良い勉強になりました。あんまり、人に心配かけないようにしたいと思います。
でも楽しかった!(懲りてない)

自分に失笑。でも楽しかったよ。

近況

2019年03月04日 21時25分50秒 | Weblog
随分長い間、このブログのほうは更新していなかったのですが、元気にしております。
ツイッターとインスタグラムは割とマメに更新しております。

2月に吉田寮大演劇の三文オペラのアンサンブルスタッフとして参加して、
久々に板の上に乗りました。

かつて経験した舞台の高揚感や命の炸裂、みたいなものはやはり
あの時だけのものではなく、自分自身が本当に好きなものだと知りました。
もう全身が、指先まで嬉しいような日々を過ごして、
実は「舞台への想い残し」を払拭するためのものが
「やっぱりどうしても楽しくて仕方ないもの」と上書きされて困ってます。
これで終わらせるつもりだったのに。まあ仕方ない。

スポットライトは眩しく
身体は存分に伸びて
生命がとんでもない歓喜に震えました。

終わらせるつもりでしたが、また機会があれば何かやりたいと思います。
どちらかというと、セリフを言いたいので、
リーディングとか朗読をやりたいなと思います。

演技とセリフを必要とする芝居ではまだ記憶がおぼつかない。
なので今回セリフはもらわずに行きました。これで良かったと思う。
でもこの経験は、とてもいいものでした。

とにかく、思いついたらやたほうがいいなと思いました。
諦める必要なんてありません。

自分の人生ですから。

制作の方にも戻ってこようと頑張ってます。
商品化してきたものをまとめて形にしたいと思って、
ささやかながら色々動いてます。
描きたいという衝動は消えません。

なんでもいいので作りたいのです。

人と場の死

2018年10月12日 23時23分14秒 | Weblog
人の死と、場の死。

そんなことを思った。
人がいるところには、場が生まれる。

場 だけが死ぬ場合もあるし
同時に起こることもある。

直接繋がっていてもいなくても 場はあるかもしれない。

とても抽象的な表現かもしれないが、
これまで生きてきた私の内と外に、どれにもそれはあるなあって思った。
そしてそれは、生まれ、育ち、死ぬ。


絵描き、イラストレーター

2018年09月23日 20時56分36秒 | ガールズイラスト
絵描き、というかイラストレーターです、という他己や自己の紹介が増えて来て、
いやいや、そんな、とまだ思うけれど、

やっと絵描きだなと少し言えるようになって来た。

まだまだですが、描いていく。

今日は、色のブロックが外れたような気がする。
インスタグラムでは、色彩をあえて使わないようにして来た。
先日、冊子を初めて作ったがその時も、ほぼモノクロでやった。
色彩は本当に私の心を持って行ってしまうので
それまでにモノクロで足場を作っておきたかった。


今日あげているものは、ドローイングで、
色だけで置いて、多分二年ぐらい放置したものに描きたした。

融合させたい部分が、ほんの少し、指先だけ触ったそんなかんじだ。

続けるってこと

2018年04月09日 20時10分09秒 | ガールズイラスト
だいぶ動けるようになったので、
お誘いいただいてワークショップなどに参加してみたりしておりますが、
やっと今後の絵の方向性が見えて来たかなと。
ひとまず、ですが。 他にもしたいことはありますが。

で、活版で名刺を作ったりシルク印刷のTシャツを作ったりしているのですが、
それに合わせて、ポートフォリオがわりにインスタグラムで
だいたい2日に1枚のペースでガールズイラストに絞って作品を追加しています。

https://www.instagram.com/wasabi0705/?hl=ja

あまり良くない日もありますが、ざっとみて
徐々に良くなって来たんじゃないかと
今回の絵は自分でもお気に入りの絵になりました。
今まで何年も停滞していたものがクリアできていく感触がありました。

やっと「観てください」
と、言えるような気分になって来ました。
女の子ばっかり描いていて少し別のものも描いてみたい欲もありますが、
まだこれだけでも先がありそうなので、踏み込んでみます。

二日に一枚は正直ちょっとしんどいです。これはちょっとどうだろうというのもありますが
続けると、見えなかったもの、できなかったことが少しずつできるようになるものですね。

商品

2018年03月20日 18時43分19秒 | bitehim!
シルク印刷のTシャツのワークショップに行ってまいりました。

以前、商品企画とデザインの仕事に携わっていたので、たぶん気が緩んでいたのでしょうが
実際商品を作るとなると、全く違う感覚でものすごく疲れました。
時間もかかりました。

体力つけよう。
そろそろ復帰です。

原案

2018年02月23日 21時04分01秒 | ガールズイラスト
左のに書き足した

色と線

2018年02月23日 20時52分45秒 | Weblog
僭越ながら。


線の作家、というものがあるのですね。そしてそこにカテゴライズされたのに
「え?そうなの」と思った。
むしろ色の絵描きでもあると思っていたから。

で、その両方をどうにかして一つの作品に統合したいんですよ、
一生かかっちゃうかもしれない。

そのために両方研いでおきたい
何十年かかるかわからんけどさ

人と作品

2018年02月23日 20時43分21秒 | Weblog
春の空気が少し感じられるようになりました。

さて、というか今更このタイミングですが
ありがたいことに尻を叩いてくれる方に遭遇しましたので、
「私、絵描きです」という状況に一歩み足を踏み出した感じです。

ほんのきっかけだったのですが、
どんどんやればいいと後押ししてくださる人に会いまして。
これまでもたくさんの人に言ってもらってたと思うんですが
初見でそう言っていただいたことに重さを感じました。

「わたしは描いてていいんだ」ということを言ってもらったというか。
「人」ではなく「絵」で見てもらえた。

だから今とても私は嬉しいです。