政府対策チームが発足するようだ。これは、とてつもなく遅い「政治主導」か。
しかも、産経新聞によれば、山田正彦農水副大臣や小川勝也首相補佐官らを常駐させるとか。科学的に口蹄疫を理解できていない政治家を現地に置くと、現場は大混乱に陥ると私は思うが、大丈夫だろうか。
川南町、都農町から高鍋町に拡大し、事態はさらに深刻化している。高鍋町にある県家畜改良事業団では、種牛6頭を西都市に移した直後に感染疑いが確認され残されていた牛は殺処分決定となった。6頭は陰性を確認したうえで移動させたというが、潜伏期間中で陰性結果が出ていた可能性もある。感染していないことを祈るしかない。
そのほかもろもろは、いろいろなニュースサイトなどで紹介されているので、見てほしい。
実は、私が気になったのは、えびの市で食酢の空中散布をやったというニュースだ。宮崎日日新聞が伝えている。
無人ヘリで、250倍に薄めた食酢を散布したようだ。同紙は、「心理面での効果も大きかったようだ」と伝え、新聞紙面では「できる限りの自主消毒はしているが、毎日が不安。酢を空中散布してもらい、本当にうれしかった。私は豚が好きでね。家族と一緒。ヘリコプターに思わず手を合わせ、涙が浮かんできた」という、豚30頭を飼育する女性のコメントを紹介している。
気持ちは分かる。県内では、消毒剤の不足がいよいよ深刻になってきているとのことで、藁にもすがる気持ちなのだろう。でも、250倍に薄めた食酢の防疫における実際上の効果など期待できないのではないか。こういう非科学的な『対策』を自治体がやると、根拠のない安心感を産みかねないし、「えびの市がやったのに、なぜうちの市はやらないのか?」という不満も住民に出てくる。絶対にやってはいけないことを、自治体がやり始めているように思う。そういう判断ができないほど、宮崎県が危機に瀕している、ということなのだろう。
県は義援金募集を始めている。
しかも、産経新聞によれば、山田正彦農水副大臣や小川勝也首相補佐官らを常駐させるとか。科学的に口蹄疫を理解できていない政治家を現地に置くと、現場は大混乱に陥ると私は思うが、大丈夫だろうか。
川南町、都農町から高鍋町に拡大し、事態はさらに深刻化している。高鍋町にある県家畜改良事業団では、種牛6頭を西都市に移した直後に感染疑いが確認され残されていた牛は殺処分決定となった。6頭は陰性を確認したうえで移動させたというが、潜伏期間中で陰性結果が出ていた可能性もある。感染していないことを祈るしかない。
そのほかもろもろは、いろいろなニュースサイトなどで紹介されているので、見てほしい。
実は、私が気になったのは、えびの市で食酢の空中散布をやったというニュースだ。宮崎日日新聞が伝えている。
無人ヘリで、250倍に薄めた食酢を散布したようだ。同紙は、「心理面での効果も大きかったようだ」と伝え、新聞紙面では「できる限りの自主消毒はしているが、毎日が不安。酢を空中散布してもらい、本当にうれしかった。私は豚が好きでね。家族と一緒。ヘリコプターに思わず手を合わせ、涙が浮かんできた」という、豚30頭を飼育する女性のコメントを紹介している。
気持ちは分かる。県内では、消毒剤の不足がいよいよ深刻になってきているとのことで、藁にもすがる気持ちなのだろう。でも、250倍に薄めた食酢の防疫における実際上の効果など期待できないのではないか。こういう非科学的な『対策』を自治体がやると、根拠のない安心感を産みかねないし、「えびの市がやったのに、なぜうちの市はやらないのか?」という不満も住民に出てくる。絶対にやってはいけないことを、自治体がやり始めているように思う。そういう判断ができないほど、宮崎県が危機に瀕している、ということなのだろう。
県は義援金募集を始めている。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1274436383
本当は農水省のページに従うのが一番良いと思うのですが。
農林水産省 口蹄疫に関する情報
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/index.html
5月1日宮崎県知事の災害派遣要請で、自衛隊が連日作業を行っていて、特に消毒ポイントでは24時間体制で頑張っています。
少しでもはやく皆様の努力の成果が現れることを心より祈っています。
宮崎県において発生した口蹄疫への対応に係る災害派遣
http://www.mod.go.jp/j/press/news/index.html
農水省家畜衛生試験場海外病研究部 (古)
独) 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 海外病研究施設
すいません、人間が古いもので。
日本で、FMDVの研究は不可能です。P4ですから。農水省は、FMDVの日本への持込を、研究目的でも許可していません。 日本で、研究は不可能です。
FMDVのPCRができるのは、農水省家畜衛生試験場海外病研究部だけです、そこから、パブライトに送って、決定確認が必要ですが。
正直あまり良くない状態ですね。
今の所牛だけ、以後、豚の発症が怖い感じ。
畜産農家の数にもよるでしょうが・・・。
ワクチン摂取の範囲内であることを祈ります。
酢による消毒は、4月30日の日本農業新聞において、東京農工大の白井教授の話として取り上げられたものです。
ミツカン穀物酢を「1000倍に薄めてもPHは4程度を保つ」(表によれば平均PHは4.13)うえ、これなら「酢のにおいも味もしなくなるため、噴霧しても気になら」ないとして紹介されています。ただし、「基本的な衛生管理を徹底した上で、あくまで補助的な手法として用いることが大切だ」としています。(ここでは薄めた食酢で口蹄疫ウィルスに効果があるのか、直接に確かめた実験は示されていません(塩酸のそれはあります)が、酸でウィルスが死滅することが示されれば足りるように思いますが、どうでしょうか…ここ数週間の新聞は見ていないので、その後実験していればすみません。)
同5月1日づけの記事によれば、川南・都農のJA尾鈴の取り組みとして、「「酢ならば家畜の顔や水槽にも使え、価格も安い」と効果に期待する」と、通常の消毒薬が利用しづらい場所に使用している旨が、農業新聞による「補助的な手法として用いることが大切だ」という注釈と共に報道されています。
ただ、その後の記事によれば
「読者から「薄めた酢をどのくらいの量まけばよいのか」などの質問が寄せられた。しかし、口蹄疫ウイルスはこれまで10年間日本では発生していない。(略)データが取りにくい。白井教授は「(略)どのくらい使えば良いとはいえない。ただ、ウィルスに酸が接触すれば確実に死ぬ。通常の消毒薬の補助的な利用として、使って欲しい」
としており、ここまで一貫しているのは、効果はあるが、あくまで補助的な方法であるということに留意してほしいということです。
翻って空中散布を考えてみると、絶対的に量が不足してますし、全然効果がないとはいわないけれど、無視しえるほどの効果であって、松永さんがいわれるように、「著しく不確実」と思います。
OIEが定めた口蹄疫診断マニュアルル(国際標準法)にしたがって,口蹄疫ウイスによる感染と判断したのが2000年3月23日です。
http://niah.naro.affrc.go.jp/publication/kenpo/2001/108-6.pdf
宮崎家畜保健衛生所に研究施設ができたのが去年なので、2008年発生だったら16日もしくは3月31日に国に報告がはいっていたのかも。
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=14985
19日20時に発送した検査材料で、擬似判定は20日朝までに出てます。詳細判定待たずに陽性で動きますので17日に送っていれば17日中か18日には動るはずです。
韓国の発生については一応警戒指示出てます。
http://www.maff.go.jp/aqs/pdf/h220108kr.pdf
http://www.maff.go.jp/aqs/pdf/h220413kr.pdf
また、韓国のO型は1月のA型の制限解除中の検査で引っかかったので、日本のように漏れのある可能性は低いかと、ということで日本の感染の方が早い可能性もあります。
事後でごたごたして混乱の中で常に優秀な判断を迅速に求めることを期待するのは、あまりにも危機管理としては不確定要素が多すぎます。それよりは、事前に対応できる仕組みと準備と心構えを持っていた方がこのような事例には効果的に対応できるはず。
2000年3月12日の検査では、ウィルスは発見できなかったが、抗体を検出。他の肉牛も同じ症状を示し、感染の可能性があることがすでに分かっています。この時点でおおよそ分かっていたはずです。
2010年の事例であれば、4/17に鑑定を依頼し、4/20には確認が取れている。わずか4日で結果が出る(PCRならもっと正確に)ことを考えれば、検査を出せばその時点ですぐにわかったはず。ちなみに3/31下痢の水牛(陽性)、4/9(口内潰瘍の牛)(陽性)、4/17・2頭の牛(陽性)です。
10年前に、同じ宮崎で発生した口蹄疫の教訓は本当に生かされていたのでしょうか?本当に必要なのは国の対応とは私は思わない。世界の状況を見て(1月から3月までにアジアでの発生事例)、常に起こる事態であると考えると疑いがある場合は気軽に迅速に検査できる体制などの対策があってしかるべきと思います。新型インフルエンザではあれだけガンガン検査できたのに不思議な国です。(自民党政権でしたね)
これは、過去から現在までの口蹄疫の流行を考えて手を打てなかった自民党と民主党、農水省の責任です。BSEとは違い、これだけのリスクを考えると検査費用は圧倒的に安いのになぁ。
2000年
3月12日 異変がある牛を発見、口の中に水泡を確認。
農水省家畜衛生試験場海外病研究部に依頼するがウィルスは確認できず。
3月25日 宮崎県畜産課は断定できないものの、口蹄疫の疑いがあると発表。防疫対策本部を設置
4月04日 英国家畜衛生研究所に鑑定で口蹄疫ウィルスが確認された
2010年
4月09日 口内に潰瘍がある牛がいると宮崎家畜保健衛生所に連絡
4月17日 2頭に同種の症状を持つ牛が発見。農水省に鑑定を依頼
4月20日 口蹄疫ウィルスと確認
5月17日 民主党が口蹄疫対策チームを編成
5月18日 獣医が口蹄疫と診断できないのが悪いと一斉バッシング
宮崎県の初動が遅いとか、獣医師の責任だとか言う人、
まず、この時系列比べてからもの言ってね。
さて、政府の対策チームが今まで無かったかのように記されていますが、農水省の中には赤松氏を長にする対策チームが4月20日付けで設置されています。
農水省内のチームであって政府のチームではないと言われたらそれまでですが…
因みにこの中には、現場での取材を厳に慎むようにと出ています。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100420.html
ネットで調べたら無人ヘリってすごい小さいんですね。
これじゃ確かにちょっとって感じです。
ひどい目にあってる人をさらに食い物にするインチキな連中に利用されるんだったら絶対やんないほうがいいですよね。
でもこのエントリーは空中散布がメインですよね。なのに予想していた意見とか言われてよどみなく解説されちゃうとなかなーって思ったりもします。
食酢を希釈したものは酸性溶液ですから、ウイルス不活化作用は当然あるでしょう。しかし、風に乗って浮遊するか、あるいは何かが媒介して移動してきたウイルスに、無人ヘリから散布した希釈液がちょうど付着して不活化に至る確率を考えると、とても実際上の効果など期待できない、と私は思います。
無人ヘリが散布できる量もお考えください。地上散布や有人ヘリ散布とは違い、無人ヘリは大量散布はできません。
食酢は特定農薬ですし、木酢液も薬効試験が行われています。効果は、化学合成農薬に比べればかなり低いです。そうしたことも、参考になるでしょう。
非科学的、というのは言い過ぎだったかもしれません。自然環境下に近い条件での、口蹄疫に対する食酢希釈液の薬効試験データなど、私は見ていないのですから。しかし、総合的に考えると、あまりにもその効果は不確実だということは言えると思います。
著しく不確実なことを自治体がやることには、私は反対します。「なにかやった」という安心感は、本当に必要な対策を疎かにすることにもつながりかねません。宮崎の人たちはそのようなことはしないと思いますが。
もう一つ、農業現場では、効果のないものを「防除効果がある」などと思い込ませて売る商法が後を絶ちません。調べてみたら水だった、みたいな商品もあります。
不確実なことを自治体が率先してやると、利用する商売人が必ず出てくることでしょう。私は、それを心配しています。
あくまでも今回のウイルスが、従来のウイルスと同様弱アルカリ域でのみ活性を維持でき、中性以下で不活化するという仮定の上での話ですが、酢酸4%程度の食酢を250倍希釈して10000分の1オーダーの酢酸水溶液なら、至適pH域での緩衝能の強い水溶性の表面でない限り、それほど皮膚刺激性は示さないで、それなりの酸性化効果=ウイルス不活化効果が期待できると思います。界面活性剤やグリセロールなんかの保湿剤を配合すればさらに効果的だと思います。(ただ、なぜコスト高な穀物酢を使うのかは?ですけどね。余裕ができたらぜひ効果を検証して今後に役立ててほしい)
これを非科学的と断定することもですが、適切な治療法の選択肢があるにかかわらずレメディとか怪しげな健康食品を使用するのとは全く状況の違う地獄のような汚染地域で、少なくともなんらかの科学的効果が合理的に予見できる手段を講じることを「根拠のない安心感を産みかねない」と危惧することに大きな疑問を感じました。
また、犬・猫に感染するみたいなコメントがありましたが、一般的には彼らは移動する限りウイルスのキャリアになっても感染、宿主化することはないということです。(実験的に感染が実現されたという知見もあるようですが)
つまらない政治ごっこは他にやるとこがうんざりするほどあるのだからそっちでやってよと言いたいです。
とされる根拠は何でしょうか?
農作物の消毒用に希釈する場合はそれぐらいに希釈すると記憶していますが?
これが詐欺ではないことを第三者が確認する術はありませんし、チェーンという性質上、伝播する過程で、例えば自分の口座にすり替えたバージョンを流して便乗詐欺をする輩が現れても、それを停める手立てはありません。発信者の意図とは無関係に自己増殖するのがチェーンですから。
獣医師は、疫学、観察、やらなければならない事ができないじょうきょうです。
FMDVは <PH6・PH10< で不活性になりますので。 酢酸を薄めて空中散布は、気持ちの問題だけでしょう。
こうした際には、移動手段の確保や寝食の手配などで現地対策本部に迷惑をかけない、自律的な状態で入るのが最低限のマナーですが、これを認識している政治家は皆無でしょう。政治家が現地入りし励ませば喜ぶとさえ思っているかもしれません。
山田氏も推して知るべしで、彼が入ることで県との連絡、スケジュール調整などのロジに数人の職員が確実に割かれます。また、彼には科学的素養がないので、現地で飛び交う情報を整理しあれこれ教えて差し上げるサブにも人があてがわれるでしょう。こういう場合にはエース級が割り当てられるはずですので、現地の戦力ダウンは相当のものと思われます。
さらに、彼は、片手間に牧場を経営していたことがあるので、「俺は牛飼いだ」という思いが強く、的外れな指示を出し現場を引っ掻き回す可能性が高いと思われます。
バカの親身なお節介は一番厄介です。
国ができる当面の対策は、口は出さず対応は現地に任せるが作業員としての人は出す(農水省は出先機関が多い役所ですよね)、現地が「困った」と助けを求めてきたらすぐに対処できる体制を敷くこと(埋設場所として国有地を提示する、運送手段を提供するなど)であって、現地に入って邪魔をすることではありません。すぐに霞ヶ関に帰すべきですね。
政治主導を実現するには、政治家に高い資質が求められるのは当然のことですが、単に「政府に政治家を何人送り込む」といったうわべの数あわせでは到底実現できません。実際、大臣、副大臣、政務官の顔ぶれを見るとまともな人間がいないことに気づきます。
こうした機能不全が証明されただけ…とならないように祈るばかりです。
これで、現地ではまたゼロから説明するハメになるのでしょうか。