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23区清掃一組「清掃工場別の処理単価(平成27年度決算)」公表、20清掃工場平均11,851円/トン

2017年04月10日 20時21分56秒 | 東京23区のごみ
 
おどろくことに、世田谷清掃工場の平成27年度処理単価は51,463円/トンとなった、、
金食い虫の世田谷のガス化溶融炉は、ダイオキシン類対策で操業停止も長引き、、、
お金をつぎ込んでさまざまな対策、対策、、、従って、処理単価もバカ高に、
 
そして、、これまでは、大規模清掃工場の新江東が処理単価は一番低かったのだが、平成27年度は大田清掃工場が8,049円/トンで新江東の8,124円/トンよりも低くなっていた。運転管理のほぼ全面委託となった大田清掃工場は、人件費が抑えられたということだろうか? プラントの性能やいろいろあるのだろうが、なにが大きく改善されているのか、,素人では読み解けないが、、、 人件費や委託費は別ページでまた~


グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場別の処理単価(平成27年度決算)」から作成

 

23区清掃一組の「清掃工場別の処理単価(平成27年度決算)」が公表されている~

東京二十三区清掃一部事務組合  更新日:2017年4月7日

清掃工場別の処理単価(平成27年度決算)(PDF:120KB)



例年通り、数字だけみてもよくわからないので、いろいろグラフで比較してみた。
故障やトラブルによる焼却炉停止回数が少なく、順調に処理が可能な施設ほど処理単価は低くなっている。

灰溶融施設は、福島原発事故以降、電力逼迫に対処するため、主灰単独溶融、複数炉施設は1炉稼働と、溶融処理量は減少し た(もともと順調に稼働していた施設は極僅か)。故に、当然の如く、灰溶融処理の単価は、シンジラレナイほどの割高単価(平成23年度は 88,016円/トン~964,427円/トン)となってしまった。それでも、平成24年度、25年度は少しは溶融量も増えて、処理単価も多少は改善され たのか?中防の灰溶融処理は「今後の灰溶融処理の休止について」で平成25年度末までの稼働で、平成26年度からは休止となった27年度は足立、世田谷、品川も休止、28年度は板橋も休止、、、28年度以降の稼働は多摩川と葛飾の2施設となる。


◆灰溶融施設別の処理単価と溶融量(平成27年度)




◆清掃工場別 処理経費内訳(平成27年度)

大規模施設は、処理単価としては効率はいいのだろうが、新江東清掃工場の人件費+物件費計はダントツの3,423,8704千円。それでもごみ搬入量は421,434トンで、処理単価は8,124円/トンとなった。





◆清掃工場別 人件費の内訳(平成27年度)

清掃一組の集計では、人件費としては直営分のみで、灰溶融炉運転管理委託や清掃工場運転管理委託は物件費の中に入っている。
また、灰溶融施設併設の清掃工場は、平成25年度より、「清掃工場受付搬入など」の業務も、溶融炉運転管理の事業者に委託している。
工場の規模はそれぞれ違っても、おおむねかかる人件費に大差はないとみえる。逆に、これまでの運転管理業務だけの委託では、結局は、直営職員との混合編成になるので、それほど効果があるとも思えない。今年度からの、新大田の運転管理等業務に加えて技術管理や設備保全等業務を含めた委託の実施でどのような変化が見えてくるのか? (大田清掃工場、それでも直営職員8名)





◆清掃工場別 光熱水費(平成27年度)

中防の灰溶融炉稼働中は、ダントツの電気料金であったが、灰溶融は休止となったが、飛灰の処理でも光熱水費は中防は多い、、、
世田谷の光熱水費はなんなのだ!! これまで中防の灰溶融がダントツで、いつも年間10億円を超していたので他が目立たなかったが、、、世田谷は故障による炉停止が飛び抜けて多いので、いつも立ち上げ立ち下げ回数が多くて都市ガスの助燃を要する。平成27年度は、ダイオキシン対策でほとんど停まっていたが、それでも、、、




◆清掃工場別 定期点検補修・整備工事(平成27年度)



◆清掃工場別 薬剤購入費(平成27年度)



◆清掃工場別 環境対策測定等(平成27年度)

世田谷の灰溶融はなんだろう?
休止に伴うなにかかな~

 

 

◆清掃工場別 主灰の資源化費用(平成27年度)

28年度以降は練馬、墨田、北と、対象工場を追加している~




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清掃工場別処理単価は平成17年度分からの公表である、
昨年、清掃一組は「15年間の財政状況(平成12年度~26年度」を公表しているので、、
平成12年度から平成16年度の5年間もより透明化した~


◆清掃工場別処理単価の推移(平成17年度~平成27年度)

大田第二は、不燃ごみを燃やしていた特殊な清掃工場、


◆灰溶融施設別処理単価の推移(平成17年度~平成27年度)

こうしてみると、大田の灰溶融はなぜあのように単価が低くおさえられていたのか?
大きな疑問、元々、スラグの有効利用などはおこなわないということでの稼働だったが、



◆清掃工場別人件費の推移(平成17年度~平成27年度) <直営職員人件費>

杉並の平成17年度、18年度?

 

◆灰溶融炉運転管理委託費の推移(平成17年度~平成27年度)

確かに、運転管理を受託しているプラントメーカー側からみれば、灰溶融の運転は1炉稼働になるし、委託費は抑えられて、、その上、計画的に施設自体も休止するというのだから、、、「受付搬入等業務委託」程度の代替え業務では採算があわないのかもしれないが、、、しかし、大事故など起こす前に、早く撤退した方がいいかもしれないなどと、、、事業が終了してほっとしているメーカーもいるかもしれない。

 


◆清掃工場別運転管理等業務委託の推移(平成17年度~平成27年度)

 
◆清掃工場別光熱水費の推移(平成17年度~平成27年度)

それにしても金食い虫の中防灰溶融炉の電気代、、、平成26年度から溶融炉は休止に
平成26年度の大田清掃工場には、休止となった大田第一工場の経費を含む

 

◆清掃工場別定期点検補修・整備工事の推移(平成17年度~平成27年度)

 

 

◆清掃工場別薬剤購入の推移(平成17年度~平成27年度)

 

◆清掃工場別環境対策測定等費の推移(平成17年度~平成27年度)

大田第一の平成20年は雨水のダイオキシン関連??
大田清掃工場の平成26年度は第一工場の休止に伴う休止前清掃等の経費が含まれているようだ~
平成26年度 464,786千円(平成25年度 68,392千円)

 

 

◆清掃工場の処理経費内訳推移(平成17年度~平成27年度)

 

◆清掃工場等経費の合計推移(単位:千円) 《清掃工場+溶融施設》

こうしてみても、各年により、建替え工場等もあるので単純な比較はできないのだが~

 

清掃工場別の処理単価(平成27年度決算)
注釈↓↓
◎清掃工場別の経費の算出について
【人件費】

平成27年度の組織別の給与支給実績等により計上しています(退職手当及び社会保険料本人負担分は除く。)。
同一組織において複数の施設を所管している場合は、係別の配分定数等を参考に按分しています(職員数も同様に按分)。
【物件費】
ごみ焼却作業及び埋立処分委託について、平成27年度の各清掃工場における執行実績により計上しています。
同一清掃工場において複数の施設を併設している場合、共有部分など、経費を正確に算出することが困難なため、
按分計算などにより算出しているものがあります。例えば、電気料金については、支出額を焼却施設と灰溶融施設の消費電力量で按分しています。
残灰等埋立処分委託の経費には、排水処理経費(固定費)分を清掃工場とそれ以外の施設の埋立処分量に応じて按分した上で合算しています。
指定廃棄物の保管は、国からの委託により実施しており、清掃工場の運営経費ではないため、その経費(990千円)
については工場別処理単価の計算から除いてます。
【溶融量】
灰溶融の溶融量は、灰溶融炉に投入した灰及び塩基度調整剤の量です。
【その他】
練馬清掃工場は、平成27年11月30日に竣工しました。経費等には、試運転中の数値を含みます。
有明清掃工場には、管路収集作業の経費が含まれています。
杉並清掃工場は、平成27年度は建替工事中です。
中防灰溶融施設は、平成26年度から、足立・品川・世田谷清掃工場は平成26年度途中から、灰溶融処理を休止し設備管理等の業務を行っています。
表内の各計数は、それぞれを四捨五入により算出しているため、合計額が一致しない場合があります。
◎本表に含まれていない経費
1 減価償却費(建物や工作物について、耐用年数に応じて価値が減少したと認められる費用)
2 組合債償還利子(工場建設などのために借り入れた組合債の利子)
3 本庁管理経費(本庁組織の管理運営経費)
4 施設整備費(工場の建設などに要する経費)
5 歳入(エネルギー売払収入、合築施設からの光熱水費分担収入など)

 


 

参考

☆東京二十三区清掃一部事務組合「ごみれぽ23 2016」ダウンロード(PDF:14,747KB) より

灰溶融の処理形式】
板橋:平14.11竣工 住友重工電気式交流アーク式 (180トン/日)
多摩川:平15.6竣工 クボタ燃料式表面溶融式(回転型)(30トン/日)
足立:平17.3竣工 荏原電気式プラズマ式・トーチ(130トン/日)
品川:平18.3竣工 日立造船燃料式表面溶融式(固定型)(180トン/日)
葛飾:平18.12竣工 タクマ電気式プラズマ式・黒鉛電極(110トン/日)
中防灰溶融:平18.12竣工 三菱重工電気式プラズマ式・黒鉛電極(400トン/日)
世田谷:平20.3竣工 カワサキ電気式プラズマ式・トーチ(120トン/日)

 



参考

23区 平成26年度 ごみ処理経費の総額は約1,230億円、ごみ処理原価は56,305円/トン

☆グラフは清掃一組「事業概要(平成28年度)」より作成

☆23区ごみ処理量とごみ処理原価の推移


※ごみ処理量は持込みごみ含む

 

おまけ
◆23区のごみ量推移(明治33年~平成27年)◆

この1人1日当たりのごみ量は、単純に23区のごみ総量を人口で割ったもの
(環境省の計算の資源化分も含むごみ総排出量とは異なる)


※平成10年度までは「東京都清掃事業百年史」参考、以降は清掃事業年報などから作成

 

 

 

 

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