東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

学習会「廃プラ焼却と温暖化」サーマルリサイクルって本当に大丈夫?

2008年04月13日 21時33分08秒 | 東京23区のごみ
市民学習会2008年4月12日〈土〉
サーマルリサイクルって本当に大丈夫?
講師 村田徳治氏 (循環資源研究所 所長)
会場発言 清掃工場の現場から、市民運動から
主催 廃プラ燃やすな!市民協議会 豊島・健康と環境を守る連絡会  
協催 東京清掃労働組合一組総支部

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村田先生はパワーポイントを使って話されたのだが、その資料はなかった。
おおまかな話として
先ずは、いつものように「サーマルリサイクル」などという言葉の矛盾から、物質やプラスチックの基本的なこと、発電効率のこと、廃プラ備蓄の勧め、清掃工場の稼働率、廃プラスチックを焼却する矛盾、容リ法の問題点、プラスチックリサイクルについて等いろいろ
以下は、当日資料(現代化学2008年2月)から抜粋
 ドイツでは循環経済・廃棄物法により、廃棄物の発熱量が2600Kcal/Kg以上あって、エネルギー回収率75%以上の場合に限り、廃棄物焼却が認められている。焼却によって75%以上のエネルギー回収率を得るためには、熱と電力を同時に供給する熱電併給システム(コージュネレーション)しなければ、このエネルギー効率を達成することは出来ない。残念ながら、日本の清掃工場で、この条件に適合するごみ焼却炉を保有しているところは1ヶ所もない。
 2005年度末時点で全国に存在する清掃工場1319施設のうち、発電をしている施設は286施設(22%)に過ぎない。その発電効率は10%程度である。残りの90%の熱エネルギーは回収されずに捨てられている。
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●ドイツなどと違って、日本の場合国の政策自体が以下のようにおかしいのであるから、市町村がそれに流されずに抜本的なごみ政策を行うところはまだまだ希少である。

●温暖化がテーマだと思っていたのだが~あまりその話はなかった。しかし、要点を的確に整理して話されるのでなかなか有意義であった。村田先生のお話は、何度か聞いたことはあるのだが~週刊朝日の記事以降、議員さんからも「温暖化」と「清掃工場」について聞かれることが度重なり、私もなかなか要点を伝えきれずに、多分出るであろう「ドイツの廃棄物焼却 エネルギー回収率75%」の件をしっかり聞こうと思って参加した。

●花粉が舞うこの時期は特に出不精となる。なかなか学習会にも足が向かず~ 昨日は、村田先生、清掃工場勤務の方、運動の先頭に立っている方々の熱気もあってなかなか意義のある学習会であった。また、こういう場でしかお会いできない方々にも久々に会えてよかった。


●環境省「廃棄物処理施設整備計画」閣議決定(平成20年3月25日)
廃棄物処理施設整備計画 [PDF 325KB]
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=11080&hou_id=9512
その中では、
焼却せざるを得ないごみについては、焼却時に可能な限り発電を実施し、サーマルリサイクルを推進する。
 循環型社会形成推進基本法に基づくごみの循環的利用及び処分の基本原則に基づいた上で、焼却せざるを得ない廃棄物について、最近の熱回収技術や排ガス処理技術の進展を踏まえ、一定以上の熱回収率を確保しつつ、熱回収を行う

●田中勝氏は「低炭素社会への切り札、ごみ発電(08/03/21)」の中で、ごみ発電目標達成のためには「超広域処理」に切り換え、日量500トン以上の大型焼却施設を毎年十か所以上建設する必要があるとか~
当ブログ3/21
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/1186b478b0fc3f3c0b818827ec78d14f

●環境省
一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成17年度実績)について(平成19年4月16日)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8277
2.ごみ焼却施設の状況
 ごみ焼却施設の集約化により施設数は減少。1施設当たりの処理能力は微増。
 発電設備を有する施設は全体の21.7%。総発電能力は微増。
(平成17年度末現在)
・施設数 1,319 施設(前年度 1,374 施設)[4.0%減]
・処理能力 189,478 トン/日(前年度 195,952 トン/日)
・1施設当たりの処理能力 144 トン/日(前年度 143 トン/日)
・余熱利用を行う施設数 904 施設(前年度 992 施設)
・発電設備を有する施設数 286 施設(前年度 281 施設)(全体の21.7%)
・総発電能力 1,515 千kW(前年度 1,491 千kW)[1.6%増]

●ここのところ、環境省のごみデータをいつも見ていたので、発電効率も見てみた。
環境省データ「焼却施設」
http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/h17/data/seibi/facility/01.xls

それを見る限りでは、焼却効率がけっこう高いところもあった。
福井市クリーンセンター80%
厚木市環境センター74%
安城市環境クリーンセンター60%
余熱利用の状況は「場内温水 場内蒸気 発電(場内利用) 場外温水」

円グラフは渡辺作成↑↑発電効率の数字の出し方も、個々に見ると新設炉でまだ余熱利用がなかったり??ばかり出てくるのであまり信憑性はもてない。

●東京二十三区清掃一部事務組合施設では中央、足立で18%、墨田、新江東、板橋で16%となっている。(平成17年度)
有明清掃工場は発電効率4%となっているが、有明の場合は、発電する代わりに地域冷暖房用に使用する高温の蒸気を供給しているのだから~。(現在、台場地区12箇所、有明南地区13箇所、青海南地区11箇所の事業所等がこの地域冷暖房を利用)それこそコージュネレーションなのだろうに~ だから、環境省の発表している発電効率だけで数字を見ていてもよくわからないし、発電のために、超広域で大型焼却施設を建てて目標を達成するなんてどう考えても本末転倒である。

●他にも、村田先生の容リ法プラスチックリサイクルの問題点などうなずけるところが多かったが、長くなってしまうのでまたの機会に~ 心配な工場のことなどはいずれまた~

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