東京23区のごみ問題を考える

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TRP 微量PCB焼却実証試験中の敷地境界ダイオキシン類の対応策

2010年10月19日 16時48分17秒 |  PCB/DXN類など

※グラフは江東区議会清掃港湾・臨海部対策特別委員会「微量PCB処理の促進」資料より作成

どんなに前代未聞の驚異的な数値になろうと、環境基準は年平均値のため、繰り返し試験をすれば値は低く抑えることは出来る。大気の場合は原因の特定は困難だし、これが我が国の環境行政の実態である。

※TRPは東京臨海リサイクルパワー(株)の略称

平成22年10月18日(月)開催の江東区議会清掃港湾・臨海部対策特別委員会を傍聴。
下記は「微量PCB処理の促進」資料より抜粋【報告は東京都環境局】



■微量PCB処理の促進
《灰積出場の管理及び実証試験結果(追加分)びついて》

【灰積出場の管理】
○ミストシャワー装置を設置

 シャッター開時に水幕を形成し出入口内外の空気を遮断
 全ての出入口(3ヶ所)に設置
○監視カメラを設置
 中央制御室でもシャッター開閉状況を監視
○灰積出作業立会者への教育(実施中)
 灰積出作業立会者に対し、作業手順や留意事項を定期的に教育
○継続的なモニタリング
 敷地境界(東西南北)大気中のダイオキシン類濃度測定を年4回実施
 周辺環境への影響がないことを継続的に確認

《追加試験(敷地境界大気中ダイオキシン類濃度》
○前回の特別委員会(8/18)後に確認した追加試験の結果は、全ての地点において環境基準値以下
環境基準:0.6pg-TEQ/m3 N(年平均値)


《生活環境影響調査の結果について》
微量PCB汚染廃電気機器等(絶縁油)の処理に係る生活環境影響調査書
(省略)


いわゆる環境アセスのような調査報告。国への無害化処理認定申請書。--告示、縦覧、地元区及び都の意見提出、専門委員会による審査、--国の認定(この間6~7ヶ月)

評価は「PCBやダイオキシン類等の将来予測濃度は微量PCBの焼却処理開始後も生活環境の保全上の目標を十分に下回り、周辺環境への影響は非常に小さい。」と、、、、「シャッターを開けっ放しにしない場合に限る」の但し書きはなかった。


《微量PCB汚染廃電気機器等(絶縁油)の処理に係る事業計画(概要)》
【事業概要】
処理事業者:東京臨海リサイクルパワー(株) 江東区青海三丁目地先
処理対象物:微量PCB汚染絶縁油 濃度:概ね50ppm以下(上限濃度:100ppm)
計画処理量
・年間処理量:24,000キロリットル/年
・日最大処理量:80キロリットル/日(他の産業廃棄物:約410t/日)
・処理予定量


【施設の主要諸元】
焼却炉の型式等:流動床ガス化溶融炉(平成18年6月設置)
廃棄物の種類、処理能力:産業廃棄物(廃プラスチック類等):550t/日(275t/日×2炉)
燃焼ガス温度、滞留時間:1,100℃以上、2秒以上
排ガスの処理:ろ過式集じん器、洗煙設備等により大気汚染物質を除去したのち煙突から排出

【処理の工程】
(省略)

【焼却処理の安全対策】
受入
○TRPが特定する専門業者が収集運搬
○受入時はTRP職員が立会
○給油口はオイルパン上に設置
○不浸透材料で被覆した防油堤を設置
焼却灰の搬出
○焼却灰搬出時は、灰積出作業者が立会
○シャッター開時にミストシャワーで水幕を形成、出入口内外の空気を遮断
焼却処理
○炉内温度1,100℃以上、滞留時間2秒以上で焼却
○溶融炉内の温度低下時は油の吹き込みを自動停止
○焼却する微量PCB絶縁油は適正流量にコンピューター制御
○微量PCB絶縁油の専用配管は二重配管でもれ防止に万全
○震度6弱程度(250gal)で油の吹き込みを自動停止
排水処理設備
○排水処理設備で処理後に下水に放流

【環境保全のための協定書】
微量PCB処理事業が安全性と環境保全を確保しつつ適正に行われることを目的に、東京都、江東区、東京臨海リサイクルパワー(株)、東京電力(株)の4者間において協定を締結
【地域環境委員会】
○事業運営に関する情報共有や相互の意見交換等により、安全で信頼される事業推進を図るため、「地域環境委員会(仮称)」を設置
【環境保全対策】
○関係法令の遵守と無害化処理認定申請書の内容の確実な履行
【情報公開の推進】
○微量PCB処理事業に関する基本的情報の公開
【モニタリングと頻度】
○排出源、排ガスのPCB及びダイオキシン類は、法基準よりも厳しい基準を自主的に設定
○周辺環境(敷地境界):年4回測定
以上、委員会資料より抜粋

とまあ~
TRPの実証試験結果、安全対策、無害化認定申請のための事業計画等を、東京都の職員がTRPに代わって説明するのであるから、なんだかな~という感じ。これは、日本環境安全事業(株)のPCB処理事業に関しても同様。産業廃棄物処理施設の監督責任としての東京都の立場の意見も織り交ぜながらの説明である。国を挙げての、東京都としても、なんとしても、微量PCBの処理施設認定で処理を確実にしようという意気込みは感じるが~

それにしても、周辺環境ダイオキシン類の基準超過が、灰積出場のシャッターが開きっぱなしであったためが原因と考えられるというようなずさんな施設の実態を前回聞いたばかりで、いろんな対策をしますので、「周辺環境に影響はありません」といわれても、そうそうすんなり快く了承できるはずもないが~
委員からは、あれやこれやといろんな質問がでていた。一度こういう問題があると、なんでも疑ってかかるではないが、そのまま鵜呑みに納得はできないだろうし、監視体制をしっかりと確立させなければ任せられないというのが現実であろう。それにしてもこんなことでほんとうに大丈夫なのだろうかという不安は拭えなかった。



関連(本ブログ)
■TRP微量PCB焼却実証試験報告 敷地境界ダイオキシン類基準値超過の原因は?
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/09601983de146c59a8f2ac4a6e6d9533
■TRP微量PCB焼却実証試験報告 敷地境界ダイオキシン類基準値超過の原因は?(続き)
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/a30fa3b3c3e8e10d3d05209f3809f266



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