東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区清掃工場の安全で確実な工場運営とアウトソーシング/経営改革プラン2009から~

2009年09月07日 14時09分08秒 | 東京23区のごみ

●「経営改革プラン 2009」から安全操業やアウトソーシングに関する取組をピックアップしてみた。重点施策として「清掃工場のアウトソーシングを推進しながらも、安全で安定的な工場運営を実現させるため、実践的で実効性があり、運営の質を上げる取組など、質の向上を重視したものに集中的に取組む」とある。なによりも安全第一の操業を願う!

■経営改革プラン 2009
東京二十三区清掃一部事務組合(平成21年4月)
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/plan/keieikaikaku/keieikaikaku2009.pdf

(経営改革プラン 2009より一部抜粋)
3 経営改革プラン2009
(1)基本的な考え方
① 経営計画の3つの目標に基づく
 ○ 清掃工場のアウトソーシングを推進する
 ○ そのなかでも安全で安定的な工場運営を進めるために職員の人材育成を図る
 ○ 23区との連携を強化する1 安全で安定的な管理運営
② 前経営改革プランの3つの目標を踏襲する
 ○ 安全で安定的な管理運営
 ○ 行財政システムの改革
 ○ 23区との連携と透明性の向上
③ 重点施策および具体的な取組項目は、安全・安定運営の質を重視する
 ○ 本プランでは、過去3年間の達成状況を踏まえ、今後も継続し発展させる取組および新規の取組を設定する
 ○ 清掃工場のアウトソーシングを推進しながらも、安全で安定的な工場運営を実現させるため、実践的で実効性があり、運営の質を上げる取組など、質の向上を重視したものに集中的に取組む

(5)経営改革プラン2009取組項目一覧〔19項目〕
〈取組項目 N0.1 予防保全の推進〉
【現状・課題】

 現在21の清掃工場と中防処理施設が稼動しているが、建設以降稼動年数の長い工場が増加している。これらの施設を安全で安定的に運営管理するためには、故障等トラブル発生の未然防止に一層努める必要がある。
【内容】
 施設を安全かつ安定的に稼動するため、過去の故障事例を調査し、原因・要因等を分析把握して同類事故発生の未然防止に努める。
 設備機器類の維持管理にリスク管理手法を取り入れ、予防保全、予知保全(寿命予測)、事後保全の適用分類とその基準を見直す。
【年度別計画】
平成21年度:過去の故障事例を調査分析し、原因、要因を把握するとともにリスク管理手法を取り入れ安全安定稼動に影響の大きな事例について得られた知見を共有化し再発防止に努める
平成22年度:過去の故障事例を再検討し、機器類の維持管理に係る予防保全、予知保全、事後保全の適用分類と基準の見直し
【目標数値等】
平成21年度:故障による焼却炉停止件数(45回以下)←平成21年度は4月だけでも故障による休炉件数はすでに12件発生している。(情報開示資料より)【訂正】前年度からの故障で停止中が4施設(灰溶融)あったため、正しくは、平成21年度は、4/1~5/10までの故障による焼却炉停止件数は10件である。(2010/03/05追記)
平成23年度:溶融炉(ガス化炉含む)の故障件数(20年度比約15%減)←世田谷のガス化炉は一組の都合によって焼却に入ったり溶融に入ったり~ 世田谷ガス化炉を溶融炉に加えると、平成20年度の溶融炉の故障件数は49件程度(?)その15%減では42件

〈取組項目 No.9 アウトソーシングの実施と委託管理の充実〉
【現状・課題】
 18年度から20年度の3年間に、7工場の運転管理等の業務委託を実施した。
 引き続き計画的に委託を進め、委託工場数が増加していくなかで、工場を安全・安定的に運営するためには、委託管理(廃棄物処理手数料の徴収事務を含む)の充実が重要課題となっている。
【内容】
 21年度から23年度の3年間で3工場程度を委託し、20年度比で約8%の定数削減を図る。
 委託管理を充実させるため、委託管理部門の組織体制を再編し、取組むとともに、本庁・工場職員で構成する運転管理等業務委託関係機関連絡会の効果的活用を図り、情報の共有化を進めながら、受託事業者への対応を統一化するなど、各委託工場における監督職員の現場監理能力の向上に努めていく。
【年度別計画】
平成21年度
:既委託工場の委託範囲の拡大
平成22年度:運転業務等の委託化工場を拡大
【目標数値等】
平成21年度
:20年度に委託した3工場において、運転係3係〈20年度〉の委託から運転係4係全ての委託へ拡大
平成22年度:新たに2か所程度の工場で委託を実施
平成23年度:新たに1か所程度の工場で委託を実施

■東京二十三区清掃一部事務組合 経営計画23(平成18年1月)
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/plan/management_plan.pdf

●ごみ量が年々減少しているのに清掃工場運営費は増大するばかり。特に溶融処理経費の増大。実際には焼却灰の溶融処理は平成19年度で46%程度。焼却灰が全量溶融処理されると処理費はますます増えていく~

(関連:本ブログ)
■東京23区 清掃工場別の処理単価(平成19年度決算)
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/07aeaf4e98c030550e63300cfa5e2eb4

■清掃工場別人件費(直営・委託)(平成19年度)

●委託による人件費の削減も疑問。中途半端な委託の杉並や練馬は直営の600t/日クラス清掃工場より割高になっているのでは?

■東京二十三区清掃一部事務組合 財政計画 改定版2009
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/plan/zaisei/2009kaitei.pdf
 清掃一組として初めての清掃工場のアウトソーシングは、平成18年度に練馬・有明清掃工場の2工場から始めた。平成19年度は、杉並・大田清掃工場で実施、さらに、平成20年度からは、墨田・北・江戸川清掃工場において実施している。
 今後も経営計画に基づき、平成32年度までにおおむね15清掃工場の委託化を予定しており、更なる組織のスリム化を図っていく。

■東京エコサービス
http://www.tokyoecoservice.co.jp/information.html
(1)工場受託部門
 20年度は清掃一組から大田・北・江戸川の3清掃工場の運転管理等業務を受託し、約150名で業務を遂行し、また技術訓練センターで使用する教材の作成業務を受託しました。
 21年度は引き続き上記3工場の運転管理等を受託し、清掃一組の職員の方々の支援を得ながら、その技術継承や各種研修の充実等社員の能力開発・育成を継続し、安心・安全・安定」と「コストの抑制」をモットーに万全の体制で業務を推進してまいります。
 また、環境関連事業のコンサルタントを予定しており、今後、会社の事業運営が安定し、人材の確保などの体制が整い次第、開始したいと考えています。

■東京23区の灰溶融施設は全施設が委託、世田谷ガス化溶融炉は直営

●現状の一組体制では直営も委託も危うさを感じる。~今頃になって、区からの派遣職員や新規職員に対し短期間での技術習得を図るための清掃技術訓練センター等を見ていると、そんなことで大丈夫なの??と、直営だからと安心して任せていいのかとても不安になる。だからといって、灰溶融炉のように危険な仕事はすべてまる投げして委託し、その上、清掃工場(焼却炉)も次々と委託の方針、その安全管理体制に一組が責任を持てるのかも疑問である。直営であれ、委託であれ、故障やトラブル、炉停止を心配するより、なによりも、先ずは清掃工場で働く人の安全第一の管理体制の総点検をおこなってほしいものだ。

●この際、事故や故障の多い灰溶融施設は全て廃止の方向で検討すべきなのではないか!!

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-08-11 22:56:41
溶融炉は操業が大変ですからね。

また、重金属が含まれるスラグも厄介ですからね。
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