東京二十三区清掃一部事務組合HPより
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/6thermal.html#jisyou
新江東清掃工場(3回目)、港(2回目)、足立(4回目)の廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告
●どの工場もいつもながらの「法規制値及び協定値を下まわった。測定値は、実施前と同程度であり、廃プラ混合可燃ごみを焼却した影響は見られなかった。また、各測定値は、平成17 年度全工場測定値から判断して通常の焼却による出現範囲であった。」とのこと。以下、ごみの占める廃プラスチック割合、運転状況など一部抜粋~
●実証確認実施報告の測定値での影響は見られないにしても~実証試験期間だけでも運転データで一酸化炭素濃度の管理基準値オーバー、窒素酸化物の協定値オーバー、排ガス中の塩化水素濃度上昇は度々出てくる。清掃工場によってかなりバラツキはあるが~ 下記の一覧表を参照~
●但し、実証確認実施報告の運転データ結果「自動測定装置計測結果」で公表されているのは、ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、一酸化炭素、酸素である。水銀の自動測定に関しては公表されていない。実証確認検討委員会の場で、「各工場に水銀計がついているのになぜ自動測定結果に載せていないのか」と聞いたところ、「19 年度まではすべての清掃工場には設置していなかった。(現在は練馬工場以外は付いている)その当時の水銀計自体の信頼性が低かったこと」等の答えがあった。
廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告
■新江東清掃工場 廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告(3回目)
(平成20 年10・11・12 月実施)
実施清掃工場及び焼却対象ごみ
実施清掃工場:新江東清掃工場 (焼却能力:1,800t/日)
焼却対象ごみ:江東区、千代田区、中央区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、渋谷区、豊島区、荒川区及び江戸川区の廃プラ混合可燃ごみ
① 廃プラ混合可燃ごみ搬入量(平成20 年10 月~12 月平均)
約 2,949.54t/週
ごみ性状調査
・バンカごみ(実際に焼却するごみ)に占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は16.24%であった。
・廃プラ混合可燃ごみに占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は21.14%であった。
運転データ
・工場の運転管理用の自動測定装置計測結果はすべて法規制値及び協定値を下まわった。
・各運転データは、実施前と同程度であり、廃プラ混合可燃ごみを焼却した影響は見られなかった。
●注目!!新江東清掃工場、江東区、千代田区、中央区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、渋谷区、豊島区、荒川区及び江戸川区の廃プラ混合可燃ごみ…11区分である。
■港清掃工場 廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告(2回目)
(平成20年11月実施)
実施清掃工場及び焼却対象ごみ
実施清掃工場:港清掃工場 (焼却能力:300t/日×3炉:1炉予備)
焼却対象ごみ:港区、新宿区、品川区及び目黒区の廃プラ混合可燃ごみ
① 廃プラ混合可燃ごみ搬入量(平成20年10月~12月平均)
約 2,088.8t/週
ごみ性状調査
・バンカごみ(実際に焼却するごみ)に占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は、13.65%であった。
・廃プラ混合可燃ごみに占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は、、18.46%であった。
運転データ
・工場の運転管理用の自動測定装置計測結果はすべて法規制値及び協定値を下まわった。
・各運転データは、実施前と同程度であり、廃プラ混合可燃ごみを焼却した影響は見られなかった。
■足立清掃工場 廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告(4回目)
(平成21 年1月実施)
実施清掃工場及び焼却対象ごみ
実施清掃工場:足立清掃工場 (焼却能力:700t/日)
焼却対象ごみ:足立区、文京区、北区及び荒川区の廃プラ混合可燃ごみ
① 廃プラ混合可燃ごみ搬入量(平成20 年10 月~平成21 年1月平均)
約2,551.3t/週
ごみ性状調査
・バンカごみ(実際に焼却するごみ)に占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は、21.70%であった。
・廃プラ混合可燃ごみに占める廃プラスチック(皮革、ゴム類含む)の割合は、足立区22.37%、荒川区22.75%であった。
運転データ
・工場の運転管理用の自動測定装置計測結果は、窒素酸化物の計測値で協定値50ppm のところが一時的に64ppm(12 月26 日)となった。これはアンモニア水ポンプの吐出不良が原因で、直ちに措置し、回復した。それ以外の項目についてはすべて法規制値及び協定値を下まわった。
・運転データでは、低位発熱量(ごみカロリー)の増加に伴い、焼却量当たりの発電量の増加が見られた。また、排ガス中の塩化水素濃度が上昇したため、処理薬剤の消石灰使用量の増加が見られた。
・その他の運転データは、実施前と同程度であった。
●足立清掃工場は、3回目でも「排ガス中の塩化水素濃度が上昇したため~」ということであった。
●減温塔入口排ガスで塩化水素濃度の上昇をチェックして消石灰の吹き込み量を調整しているようだ。
●以前、板橋清掃工場を見学したとき、中央制御室では連続測定している排ガスは工場管理値をオーバーすると警告(?)がでるようになっていた。例えば、水銀の場合0.05mg/m3N 以下が管理値なので、0.03mg/m3Nを超すと警告が出るように設定されていた。
●毎回必ず何らかのオーバー等がある工場と全く何もない工場との差は何か?単純に、工場の新旧だけではなさそうだが…。実証期間中だけでもこれだけあるということは~~~大変なのだろう。日々運転管理をしている人たちの話を直に聞いてみたいものだ。本格実施以降、廃プラスチックが増えてきた焼却管理の対応や問題点について~
参考
■廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告【運転データ】
http://www.k4.dion.ne.jp/~ecobag/23kugomi/pdf/23untendeta.pdf
●これまで発表された、20清掃工場62回の実証確認試験報告から「運転データ」に、協定値オーバーなどの記載がある部分のみ抜粋一覧表とした。
■廃プラスチック焼却実証確認実施結果(実施後物理組成(%)など)
http://www.k4.dion.ne.jp/~ecobag/23kugomi/pdf/23sosei.pdf
●バンカごみやモデルごみに占める廃プラスチックの割合など一覧表
●モデルごみ(区集ごみ)の廃プラ割合でこれまで一番多かったのが足立(4回目)、足立区22.37%、荒川区22.75%であった。どちらも容リ法でのプラスチック分別収集未実施区。
(バンカごみの廃プラ割合は21.7%)
●いずれにしても今後焼却するごみ全体の廃プラ割合は15%を超すのではないだろうか?
●東京二十三区清掃一部事務組合は廃プラの割合が6~10%増加するとしている
〈参考〉想定しているごみ組成
○可燃ごみ中の廃プラスチックの割合が現状の6%~10%程度に増加するものと見込んでいる。
※平成15年度実績の工場全体の平均値である。{工場別平均値最大7.68%(有明)~最小4.61%(足立)}
※容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチックの資源化拡大を見込んでいる。(全体の平均値を示す)
--東京二十三区清掃一部事務組合「廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施要項」より--
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