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※京都市会くらし環境委員会「焼却灰溶融施設整備工事における試運転の状況について」【資料】焼却灰溶融施設全体フロー図より
まるで、23区の中防灰溶融施設(100t/日×4炉)の悪夢の再来のようで、建設計画時からとても気になっている京都の巨大灰溶融施設。昨年5月の試運転で排水から基準の42倍のダイオキシン類検出、その後も耐火レンガの破損と、設計ミスや作業ミス発覚で引渡が遅れに遅れている施設である。原因解明・施設の対策工事後、6月稼働予定と報道されていたが、一向に稼働のニュースもなく気になっていたが、その後も不具合がおきているようでまだ試運転継続中のよう~ちなみに住友重工は工事遅延損害金を遅延日数1日につき,1,993,313円支払うようだ。
施設の概要
所在地 京都市伏見区醍醐陀羅谷1番地の138他
処理能力 330トン/日(165トン/日×2系列)
処理方式 燃料燃焼式溶融炉(都市ガス使用)
溶融炉形式 ロータリーキルン式 ← 住友重工
処理対象物 本市クリーンセンターから排出される焼却残さ
運転計画 24時間連続運転
運転方式 自動溶融制御方式
公害防止 排ガス処理設備,排水処理設備,騒音・振動・臭気対策,その他
稼動開始年度 平成21年度(予定)
京都市会くらし環境委員会(平成23年10月24日)
■「焼却灰溶融施設整備工事における試運転の状況について」資料
http://www.city.kyoto.jp/shikai/iinkai/H23/kurashi/data/kan2310-05.pdf
1 試運転開始後の状況
5月20日に試運転を開始し、概ね順調に稼働していたところ、7月下旬の第一次性能確認試験直前に、2号減温塔下ダストコンベアで詰りが発生したため、1号炉・2号炉ともに運転を停止して調整作業を行うとともに、再発防止のための改修工事を実施した。
2 減温塔の改修工事
(1)詰り発生の原因
減温塔内での排ガスの流れを調査したところ、排ガスが偏って流れており、塔内の一部とその周辺の噴霧ノズルにダストが堆積しやすい状態となっていることがわかった。その結果、堆積したダストが塊となって落下し、ダストコンベアの詰まり原因になっていた。
(2)対策
減温塔内にガスの流れを整える耐火物を施工して、ダストが堆積しにくいようにした。また、噴霧ノズルにダストが付着しても容易に除去できるように取付部をを改造した。
3 現在の試運転の状況
9月30日に試運転を再開し、約2,700トンの焼却灰を処理している(10月20日現在)。
2号炉については、二次燃焼室にダストが堆積し、残りが冷却装置(水槽)に落下するという状況が確認された。現在、点検のため、2号炉の運転を停止している。
なお、冷却装置の付近にいた作業員が、ダストの落下の際に飛散した熱水による軽い熱傷を負ったため、安全対策を指示した。
4 今後の予定について
(1)現在点検中の2号炉は、作業が完了次第、試運転を再開すると同時に、1号炉の運転を停止し、同様の点検作業を実施する。
(2)1号炉、2号炉の両炉が運転している状況で第一次性能確認試験を実施し、その結果をもとに、有識者を含む「ダイオキシン類対策チーム会議」において、対策工事を含めたシステム全体の安定性や安全性などを確認する。
(3)第二次試運転及び第二次性能確認試験を実施する。
(4)試運転結果の最終確認
(5)本市による完成検査合格後、引渡し
詳細は:http://www.city.kyoto.jp/shikai/iinkai/H23/kurashi/data/kan2310-05.pdf
ここまでして完成させて、この先も巨額の運営費を投入して、そのまま順調にいくとも思えないが~ 工事中断にもならなかったのだから、先に進むしかないのだろうか? この矛盾を他人事とは思えない~
23区の7つある灰溶融施設、唯一(?)順調といえるのが住友重工(交流アーク式)の灰溶融施設である、京都の場合はロータリーキルン式ということで、330トン/日(165トン/日×2系列)という巨大すぎるのもうまくいかない要因なのか。京都市も、工事遅延損害金まで支払わせてしまって、完成後はやはり廃止にしますとはいえないだろうに、どっちにしてもこの先はイバラの道か~
京都市の報告書など↓↓
http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000100772.html
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