■一組の職員技術発表会で「繊維のリサイクル」に関する東京都立産業技術研究センターの発表を聞い。とりあえず23区の「布類・古着」の回収状況を調べてみた。
上記の表は、東京二十三区清掃一部事務組合の「清掃事業年報」から作成したものであるが、実績数値がのっていな区で、イベント時や定期的に回収しているケースもあるようだ。
(一例) ご協力ください 古着・古布の回収 <墨田区>
着なくなった衣類など、不要な布製品の回収を行います。ぜひ、ご協力ください。*リサイクル清掃展を同時に開催 【日程】 2009年8月15日(土)~8月16日(日) 【時間】いずれも午前9時半から午後4時半まで 【会場】すみだ生涯学習センター 【対象】墨田区内在住在勤在学の方 【定員】 - 【費用】 - 【お申込み】透明な袋に入れ、期間中、直接会場へ 【お問合せ】リサイク ...
●今年も開催したようだが、古着・古布は予想以上に集まっているようだ。フリーマーケットやリサイクルショップで活用されるのはごく一部、やはり大量の衣類は行き場がないと捨てられている。
●ステーション回収の必要はないと思うが、せめて、年に数回のイベント時の回収など、なんらかの可能性を見出せればいいのだが~
■東京23区の「布類」回収実績(平成20年度)(一組「清掃事業年報」より)
行政回収:1,438,086Kg(11区分)
集団回収:2,375,499Kg(23区分)
●集団回収分は、おそらく古紙回収の業者が布類も集めているのだと思う。それぞれの地域で集めている業者が、布類を扱っているかどうかにかかっているのだろう。
■回収(選別)
東京都資源回収事業協同組合(都内各地域で再生資源を回収・リサイクルする業者の組合)のホームページで、古繊維(不要となった衣類品や布類)を取り扱う 業者を検索してみたら、42業者が該当した。
そのうち、東京23区内は23業者
内訳は
千代田 3 、墨 田 2 、世田谷 6 、中 野 2 、杉 並 1 、北 1
荒 川 3 、練 馬 1 、足 立 2 、葛 飾 1 、江戸川 1
もちろん、その他にも組合に加盟していない業者もいることだろう。
■ 選別業・原料問屋
愛知県岡崎地区は、故繊維の原料問屋、反毛、紡績、フェルト製造などが集積する、繊維リサイクル産業の一大集積地(全体の70%)東京周辺では埼玉や川崎に~
■東京近辺で知られている問屋さん「ナカノ株式会社」
http://www.nakano-inter.co.jp/index.html
ナカノさんでは回収場所に出せない人のために、直接受入もしているようだ。
「古着をお送りいただくには」の注意事項をよく読まれた上でご活用下さい。
http://www.nakano-inter.co.jp/how_to_page_1.htm
■東京23区のごみの中の「繊維」は平成20年度で5.34%である。
ごみ量から大まかに案分すると約148,000トン
活かされずに燃やされている古着や布類も多いだろう!!
■紙も、生ごみも、繊維も、きちんと分別すれば有望な資源化物
プラスチックなどより余程リサイクルに適しているのだが~
●一組の職員技術発表会(2010/02/182/18)より
13 繊維の反毛リサイクル、現場からの報告
<東京都立産業技術研究センター:大橋健一>
研究の目的:10%程度と低い、繊維のリサイクル率アップ
内容:リサイクル配慮型アパレル製品設計の検討
反毛(はんもう)とは:廃棄された衣類、布地、糸などの繊維製品を裁断、徐々にほぐしていき、綿の状態に戻すこと。綿に戻された繊維は、糸に紡いだり、固めてフェルトにするなど、再生利用される。
繊維リサイクル業の調査:古衣料回収・選別業、原料商。自治体、地域集団回収の衣料を買う。集めるコストは、古紙の4倍。 集めたものは、①古着(東南アジアへ輸出春夏物) ②ウエス(綿65%以上はウエスに加工)③反毛原料(秋冬物)④廃棄(産業廃棄物として処理・廃棄コストが経営を圧迫)
反毛業界の現状:組合員数78社(H20年度)ほとんど小規模企業←岡崎市に集中(70%)、かっては400社
原材料が不足している。利益が出る値段で、原料仕入れが困難。(梱包・輸送費) ←後継者不足で廃業など
まとめ:アパレル業界が、自らリサイクル製品の企画を広げていけば、リサイクル率の向上を図れる可能性がある。繊維の動脈産業と静脈産業および行政が情報を交換・共有化し、連携してリサイクル率の向上を図っていく必要がある。
リサイクル率向上のため、従来の技術を理解した上で今後の展望を明確にし、行政も参加し、ごみ収集等も含め新しいルール作りを行う時期にきている。
*「各種リサイクル法制定時に、繊維製品においても法制化に向けた準備が進められたが、いろんな経緯で見送られた~という話はショックだった。業界内部でもいろいろあったのだろうが、まだその当時は商売として回っていたということなのだろう。もし、繊維もリサイクル品目になっていたら、いろいろ世の中変わっているだろうな。今や、中国などを中心とした輸入品(使い捨てなのかというほどの粗悪な)衣類が山と出回っている。フリーマーケットやリサイクルショップで活用されるのはごく一部、やはり大量の衣類は捨てられている。ほんとうになんとかならないものか~