もちろん家計は火の車

読書と映画、クルマにゲーム……いろんなものを愛しつつ、怠惰な日常を送るオッサンのつぶやき。

「勝間和代vs.香山リカ」の図式を、どう見るか? ……(前)

2010年01月03日 | 日常

ご覧になった方も多いと思うが、正月2日の午後、
TBSで、あの勝間和代と香山リカが討論していた。
正確に言うと『ビートたけしの新春ガチバトル』という番組中の1コマである。

この『ガチバトル』という番組自体は、
亀井静香に竹中平蔵をブツけてみたり、
浜田ブリトニーにゾマホンを噛みつかせてみたり(これは、ホント意味不明だったw)と、
「因縁の対決」を面白おかしく楽しんじゃおう……って
趣向の企画だったワケだが、
とにかく「勝間和代vs.香山リカ」のバトル“だけ”が
屈指の好カードで、見ていて楽しめた。
正月早々、大のオトナが“まじゲンカ”……これである(笑)。
(ま、リアルに“がちバトル”だったのかどうかについては後述したい)

昨年から真っ向、主張を対立させているこの2人だが、
なんだかんだ言っても、番組的には
それぞれ頑張ってる二人が、
最後は「互いにエールを送りつつ解散」……というような
ある種の“予定調和的展開”に着地させるものと、個人的には予測していた。
実際、みずからを批判してくる人物に対しても
一定の理解を示しつつ余裕で受け流す……といった“大人の振る舞い”は、
この種の「文化人vs.」企画のお約束。
特に勝間和代の場合、そうした傾向が顕著に見られるようである。
(文字通り「金持ちケンカせず」というヤツであろうか?w)

ま、ここらへんの具体例については、
俗に言う“勝間本”を激しく批判したエコノミスト・池田信夫氏のブログ
見れば、ご理解いただけると思う。
なんと、コメント欄に当の勝間和代みずから
登場しつつ、コメントの最後にひと言
「これを機会に、今後とも、どうかよろしくお願いいたします」……これである。
出たなジジィ殺し!(笑)と言うか、
「知的生産性&年収10倍」を自認する人物の
処世術のスゴさは、やっぱ一味違うね……と、ま、そういう話である。
さらに詳しく述べるなら、勝間和代の本領と言うか、
ある種の“イヤラシさ”は、勝間自身による当該コメントの次のくだり、
「知識層が見ると不満に感じることも、あざとく感じることも
あるのは承知の上での施策、戦略です」
……という部分に現れているのだが、そこらへんについて書くと
エントリが長くなるばかりなので、割愛。

ま、とにかく。
上記のような経緯があるので、今回「勝間和代と香山リカが激論!」と言っても
先述したとおり、決してガチンコバトルにはなるまい……と思っていたわけだ。
ところがところが……。
案に反して、冒頭から闘志満々の香山リカに煽られる形で
両者の応酬は、それなりにエキサイト。
正月早々、なかなか見ごたえのある場面の連続となった。

ここで一応、「勝間和代vs.香山リカ」論争とは
何かについて説明しておく。
この論争、気鋭の経済評論家であるとともに、
数々の自己啓発本(いわゆる“勝間本”)の著者として知られる勝間和代と、
精神科医である香山リカの間で展開しているものである。
くわしくはこちらのブログをご覧いただけると
だいたいの感じをつかんでもらえるかと思う。

端的に言えば、
「頑張って上を目指す」ことの大切さを説く勝間和代に対し、
「頑張らないこと」の意義を説く香山リカ……といった図式となろうか。
こう書いてしまうと、なんだか
香山リカが単なる“グータラ論”を主張している
……かのように思えるかもしれないが、問題はそんなに単純ではない。
両者の対立は、香山リカが著作
『しがみつかない生き方~「ふつうの幸せ」を
手に入れる10のルール』の中で「<勝間和代>を目指さない」と
書いたことによって先鋭化した。

勝間和代とは、要するに「勝ち組の代表選手」のような人物だ。
慶大在学中に結婚、出産。
当時の最年少記録で公認会計士資格を取得後、
アーサー・アンダーセン、マッキンゼーといった外資企業を渡り歩き、
数々の自己啓発本でベストセラーを連発……といった人物なのだ。
こうした人物のいう“自己啓発”がどのようなものか、ちょっと考えてほしい。
曰く「朝は4時におきて勉強」
「手帳は3冊もつ」……云々。
おそろしいのは、勝間本人にとって、それらは「苦行でもなんでもない」という点だ。
要するに、そういう「“何か”に向かって努力しているプロセス」
そのものを楽しむことができるからこそ“勝間和代”なのである。
しかし、凡人を自認する私に言わせてもらえば
「頑張るにもほどがあるだろ!」……というか、
人間、悲しいけど「“もって生まれたもの”ってあるよね」というか……。
要するに、“出来ること”と“出来ないこと”って、やっぱ「ある」と思うわけだ。

ところが、勝間和代の手になる自己啓発本、
いわゆる“勝間本”を買ってはその気になってしまう人=カツマーが世間で増加。
杓子定規に“上”を目指して努力を続けては空回り、あるいは疲れ果て、
最近ではウツ症状に陥る人まで出てきた……と、そういう話である。
臨床の現場でそのような患者、
つまり「頑張って頑張って、本当に頑張ったのに結果を出せない。
自分はやっぱり、駄目な人間でした……」と落ち込んでいるような人間を
数多く見るようになったという香山リカが、
「誰もが“スーパー・ウーマン”を目指す必要なんて、ないんじゃない?」と
主張するに至ったと、ま、ざっと説明するとこんな感じだろうか。

こういうスタンスの2人がガッツリ討論したら、どうなるか……。
ほら、なんだか面白そうでしょ?w
ついでに言えば、勝間和代と香山リカ、
対立する両者の主張は、いまの日本の縮図そのものにも見えてくる。
そのような意味も込め、
今回の2人の討論について、いろいろと考えてみたい
……と、ここまで書いたところで、
例によって続きは「その2」で、ってことで。
(なんか新年早々、えらい長文書いてるなぁ、オレ……。ヒマなのか?w)

<リンク>
「勝間和代vs.香山リカ」の図式を、どう見るか? ……(中休み)
「勝間和代vs.香山リカ」の図式を、どう見るか? ……(中)
「勝間和代vs.香山リカ」の図式を、どう見るか? ……(後)


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