日常

Mr.Children Tour 2011 SENSE

2011-05-11 14:37:01 | 音楽
Mr.Children Tour 2011 SENSEに行ってきた。
5月10日のさいたまスーパーアリーナ。
最高だった。2階席だったけれど結構近くて、卒倒しそうだった。


ライブ当日の最寄駅。
すでに最寄駅のところから、ものすごい熱気がある。
熱気は個々の人間から発されているわけで、人間から溢れ出るエネルギーというのはすごいものだ。
邪悪なものであろうと神聖なものであろうと、人間の本質はエネルギーだ。

E=mc^2
エネルギーは、質量に光の速さの2乗を掛け算する。
質量はエネルギーへ、エネルギーは質量へと互いに変換される。
人間は質量を持つ存在だから、人間はエネルギーへと変換される。
エネルギーは目には見えないかもしれないけれど、自分の身体全部で感じとっている。


徐々に会場に近づくにつれて、その熱気と称されるエネルギー密度は濃くなる。
個としての自分も集合的なエネルギーの中へと溶け込んで行く。そして全体のエネルギーに寄与する。
そんな全体的なエネルギーの染み出しを、周囲の人は何気ない熱気として感知する。
そうして、ひとりひとり参加者が増えるごとに、ライブ会場の集合的なエネルギーは増えていく。





ライブ当日の5月10日はMr.Childrenというバンドが結成された日。
今年で19周年とのことだ。
数日後に大阪で振替公演があるけれど、このさいたまスーパーアリーナの講演が基本的にはライブ最終日だった。
だから、ライブでの曲目を書くことにする。


1.NOT FOUND
2.HOWL
3.名もなき詩
4.I'm talking about lovin'
5.エソラ
-MC-
6.HANABI
7.くるみ
8.花-Memento Mori-
9.【es】~Theme of es~
10.Dive
11.シーラカンス
12.深海
13.I
14.ロザリータ
15.365日
16.ロックンロールは生きている
17.フェイク
18.ポケットカスタネット
19.HERO
20.擬態
21.Plelude
-encore-
22.横断歩道を渡る人たち
23.fanfare
24.Forever
25.かぞえうた





冒頭に『Not found』が来たのは驚いた。この曲は櫻井さんが週刊誌でたたかれたり離婚したりした時期の曲で、暗いと同時にものすごいエネルギーを放出している曲だと思う。『Not found』のPVは、映像もすごく暗示的。もちろん、歌詞も暗示的。メタファーに富んでいる。なぜか春樹さんのねじまき鳥クロニクルを思い出してしまう。 そして、そういう重層的なイメージが自分にコンコンと湧いてくるように、自分もかなり好きな曲です。櫻井さんが音楽雑誌のインタビューで「この曲のために活動を続けてきた」みたいなことを言っていたのを記憶の断片として覚えている。昔からのファンとして、この曲が最初に出てきたのは驚きと共にうれしかった。


『名もなき詩』、『HANABI』、『くるみ』、『花』、『es』・・この辺りは往年の名曲。
こんなに昔の曲を流してくれるとは思わなかった。自分もカラオケでよく歌う(ミスチルファンと行くときだけ歌う)から感動。
esは、フロイトの心理学用語.発売された当時(1995年)の自分には全然わからなかった概念。
es(エス)は無意識の場所。本能エネルギーが詰まっていて、人間を動かす性欲動(リビドー)とか攻撃性(死の欲動)とかが生まれているとされる場所。そんな無意識の場所を調節しているのがego(エゴ:自我)だし、さらにそれを上から監視しているのが超自我(Super-ego)と言われる概念.
個人的にはフロイトよりユングの方に心理学としては共感する場所は多いのだけれど、そんな小難しい心理学の言葉がわからなくても、若い自分にも「es」っていう奇妙な響きを持つ言葉は、同じように奇妙な形で海馬の記憶に残っていた。


『シーラカンス』のアレンジがかっこよすぎた。映像もすごかった。ほんとうに深海で歌っているかのような映像表現。
この曲が入ってる「深海」っていうアルバム(1996年、5枚目のアルバム)は、発売当時は暗いっていうことで賛否両論の評価が音楽雑誌に出てた。ポップじゃないっていう批判だった。



でも、当時の自分には暗いとかその辺がピンとこないほど、すごくいいアルバムだった。自分の鼓膜が擦り切れるほど愛聴した。同時にかなり衝撃を受けた。
「深海」っていうタイトルにあるように、人間の内面の深い海の底にもぐって浮かび上がったときに生まれてきた音だと思う。その内的な深さに、当時の自分は驚くとともに感動したのです。

『365日』はあいかわらず櫻井さんらしい世界観。泣ける。なんでこんないい曲作れるんだろうか。
『ロックンロールは生きている』は、ライブで聴いてあらためてかっこいい曲だと思った。変わったメロディーラインだと思う。

『フェイク』は盛り上がった。裏櫻井さんだと思う。人間の影とか闇の部分を唄わせてもすごい。
『ポケットカスタネット』も抒情的なメロディーが心に直達してくる。
『HERO』はまさか歌うとは思わなくて驚いた。櫻井さんが小脳梗塞から復帰した当時に歌ったのでした。2005年のap bankでの『HERO』の熱唱にはこちらも泣けてくる。 DVDで何度見たかわからん。自分が辛いなぁと思うような状況のときも、HEROの歌詞にある「人生をフルコースで深く味わうための 幾つものスパイスが誰にも用意されていて」っていう歌詞をふと思い出すのです。そして元気というエネルギーを出すのです。
『擬態』、『Plelude』は、SENSEのアルバムの中でも一番好きな曲。Preludeの世界観は壮大で、かつ希望に満ちた感じがする。6分30秒くらいある長い曲。

アンコールでの『横断歩道を渡る人たち』。 これはGIFTのカップリング曲。
(GIFTのカップリングには『風と星とメビウスの輪』もあるんですよね。この曲も好きすぎ。)
『横断歩道を渡る人たち』は、「Split The Difference」というライブ盤DVD+CDで、初めてライブアレンジバージョンを聞いた。そして衝撃的にかっこいいと思った。
ミスチルはすごいところがいっぱいあるけど、アレンジの仕方がいつも素晴らしいと思う。
原曲がいいのはもちろん。そこにさらに生命を吹き込む感じ。原曲を損なわずに、ライブの生な感じが吹きこまれる。

最後は『fanfare』『Forever』.SENSEのアルバムからの曲。
さらにほんとうの最後は、東日本大震災のチャリティー曲 『かぞえうた』で終わった。


バックで流れる映像にもストーリー性があった。
仮面をかぶって自分の世界に閉じ困っている少年が出てくる。
その少年の仮面が最後には光と共にはずれる。
ペルソナは仮面をかぶった人格のこと。そのペルソナから解放された時、都市の光景は自然の風景へと変化する。
少年から見える風景が変化していくところで、映像は終わった。

「個」という概念も、英語で表現すると『private』、『personal』、『individual』とかある。それぞれ違う。
『private』は、L.privare(=strip 奪う)から来ていて、そこから私的なとか、非公開とか内密なという意味に転じている。閉じた個。
『individual』は、in(=not)+L.dividuus(=devisible 分けられる)+al(の性質)から来ていて、分割できない最小限の単位を表すような個。
『personal』は、per+sona(音)で、役者が仮面の下から声(sona)を出すことが語源の個。仮面をかぶった個。

そんなペルソナの、仮面をかぶった個からの解放で映像は終わった。
視覚でも聴覚でも・・・・いろんな感覚(SENSE)を総動員して刺激するライブで、ミスチルは総合芸術だと思った。





終わった後、しばし呆然。
あまりに踊ったり飛んだり跳ねたりしたもので、そのあとは疲れすぎてもぬけの殻のようになった。
翌日は朝6時30分起きで仕事だったから、翌日もいそいで頑張って起きて、頑張って仕事に励んで、しばしの昼休み休憩を迎え、昨日の熱が冷めないうちに、いそいそと感想を書いているわけです。


ミスチルのライブに行けなかった人も、是非DVDで見てほしい。ミスチルのDVDは完成度高いのですよ。

今回のツアータイトルも、アルバムタイトルも『SENSE』.
SENSEとは、感覚であり、感じること。
外の世界から受け取ること。


===========
sense
【名】
1.動物の機能としての感覚(器官)、五感
2.〔感覚器官から受け取る〕感覚、知覚、感触、感じ
3.《senses》官能、快楽感覚
4.《one's ~》平常心、本心、正気
5.分別ある判断
6.鑑識力、認識力、センス
7.分別、良識
8.知性、判断力
9.印象、感じ、予感
10.同意、一致した意見
11.要点、要旨、趣旨
12.意味、意義
【他動】
1.〔感覚器官で〕~を感知する、~に気付く
2.〔直感的に〕~を理解する、~だと分かる
3.〔機械が自動的に〕~を感知する、~を識別する
(英辞郎より)
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どんな風に外界が変わろうとも、自分が何をそこから感じるか受け取るか。そのことが、その人をその人たらしめるのだと思う。

いい文学やいい芸術と称されるものであっても、そのあたりに咲く野の花でも、毎日訪れる朝日でも、あらゆるもの。
すべては、その受け取り方次第なのだと思う。


『センスがいい』っていう褒め表現がある。
それは、まさにこの世界の感じ方(SENSE)に対する賞賛なんだろうと思う。
Outputも大事だし、Outputで評価されることが多い世の中かもしれないけれど、そのOutputという目に見える世界のほんの手前にある場所はSENSEの場所。感じる場所。そんなInputの場所が、自分という世界の入口になるドアだ。

歪みなく世界を感じること。
それは、自分の五感や第六感も含めたSENSEを磨くことだと思う。







そんなダラダラしたひとりごとはさておき。

「ミスチルのライブはほんとうに感動したよ」ってことを一行言えばいいのに、こんなに長くなるとは我ながら呆れます。


ともかく、今日もまた元気に仕事をして元気に生活をして、一日一日を大切にして日々を過ごそうと思います。
そういう思いにしてくれるのが、Mr.Childrenの不思議な力です。
きっと、自分のSENSEという感覚のドアを通って、エネルギーが通過したのだと思うのです。

2 コメント

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ライブ 行きたいナァ (村石太♪)
2013-03-04 22:02:15
ミスチル HANABI 歌詞 で プログ検索中です。
ミスチル まだ カラオケで 歌えない私です
まだ ミスチルに 詳しくない 私です。
ラブソングが 多いのかナァ.歌詞が 好きです。
ラブソングの中の 哲学的な詩 人生感のある詩に しびれます。
誰も 皆 問題を 抱えている だけど 素敵な 明日を 願っている♪~ 。弱い自分を さらけ出すのも どうなんだろう。僕の気持ちを わかってくれる人は いるだろうか。もう一回 もう一回
なんどでも 僕は やるしかない、いつか 君に会えるかなぁ。音楽同好会(名前検討中 ミスチルを語る会 HANABI
ミスチルの歌は 個人的に ベストが 違うかなぁ
どんな曲が みんな 好きかなぁ。
個人的な ベスト10 知りたいナァ 人生ソングが 好きな私かナァ。やはり ラブソングかなぁ
Unknown (いなば)
2013-03-05 19:00:56
コメント有難うございます。
HANABIの歌詞はとてもいいですね。自分もカラオケでよく歌います。と言っても、ここ2年はカラオケに行っていないことに気づきました。よく行っていた人が、引っ越したりいろいろで、身近に気軽に歌える人がいなくなったもので。
ミスチル情報はごくまれに気が向いたときにしか載せていませんが、今後ともよろしくお願いします。