東京国立近代美術館で「麻生三郎展」を見た.
(東京では12月19日(日)まで。京都国立近代美術館では2011年1月5日~2月20日までなので、興味ある方はお急ぎを。)
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【概要】(京都国立近代美術館より)
社会の現実を肌で感じながら、重い空気に抗して屹立する人間像を描き続けた麻生三郎(1913-2000)。
没後10年を経て、わかり . . . 本文を読む
■村上春樹「TVピープル」(文春文庫)
11/30に、村上春樹さんの「ねむり」(新潮社)が、書き換えの上で再販される。
原形となる短編「眠り」(漢字とひらがなで微妙に変えている)が、短編集「TVピープル」(文春文庫)に入っているので、それを読んでみた。
すべての村上作品は初見なので、毎度のことながら強い衝撃を受けた。
この短編集は、恐ろしく深い闇や森の中へ降りて書いているものだと感じた。
. . . 本文を読む
NHKの日曜美術館は、毎週楽しみに見ている。
11/21日曜朝の「私は虫である 画家・熊田千佳慕の世界」。
素晴らしい番組だった。
自分の中で、テレビ年間ベスト5に入る気がする。
あのつつましく素朴な生き方に深く感動した。大尊敬。
戦争の影を背負って描き続けたとか(戦前はグラフィックデザイナーとして活躍されていて、それが戦争を美化して戦争に加担していたのではないかと責任を感じられていた) . . . 本文を読む
■自我(ego)抜け
仕事で高齢者の方々と会うことが多い。
ただ、なぜか日常生活ではあまり会うことがない。
そう考えると、仕事を通して貴重な経験をさせてもらっていると感じている。
80歳以上もすごいけれど、90歳以上や100歳以上となると、誰もが生き神様のように見えてくる。
自我(ego)がどんどん抜けた、「存在感」の力はすさまじいものがある。
「ただ、いる」「ただ、ある」「ただ、生 . . . 本文を読む
つなげる。
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村上春樹『羊をめぐる冒険』
「ここでのおいらの役目は繋げることだよ。
ほら、配電盤みたいににね、いろんなものを繋げるんだよ。
ここは結び目なんだ。
だからおいらが繋げていくんだ。
ばらばらになっちまわないようにね、ちゃんと、しっかり繋げておくんだ。
それがおいらの役目だよ。
配電盤。繋げるんだ。
あんたが求め、手に入れたものを、おいらが繋げる . . . 本文を読む
最近、中国の道教の「タオ(TAO:道)」のことを知った。
それ以降、何かの状況に遭遇するときに、「あ、これがそのタオって状態のことなのかも。」と、ふと頭に浮かぶようになった。
「タオ(TAO:道)」は、道教(中国の土着的信仰)や老子で使われる言葉。
タオを表す「道」という漢字自体が、「しんにょう」が終わりを、「首」が始まりを示しているとされていて、そういう風に「対立しあうものをひとつにまとめる . . . 本文を読む
■因果律、論理
仕事で自然科学に接していると、思考は自然にロジカルになってくる。
思考がロジカルになると、すべてが論理で、理屈で、原因と結果の繰り返しで、物事を説明できるように思うようになる。
でも、全てが「因果律」で説明できると思いだすと、それは危ない。
全てに原因があって結果が起きると思いだすと、「偽の因果律」を無意識につくってしまう危険性がある。
何か現象を見たとき。何かの「結 . . . 本文を読む
最近、作曲家であり、現代音楽の巨匠である武満徹さんの言葉にしびれている。
「武満徹対談選―仕事の夢 夢の仕事」(ちくま学芸文庫)、武満徹エッセイ選―言葉の海へ」(ちくま学芸文庫)は、とてもすばらしい本。
言葉の端々がメタファーに富んでいるのだけど、それはメタファーのためのメタファーではない。
伝えたい言葉が、ある領域とある領域との間にあって、そこに適切な言葉が存在しないから、メタファーで紡がざ . . . 本文を読む
久しぶりに「検事・鬼島平八郎」という連続ドラマを見ている。
普通に面白い。
ダウンタウン浜田雅功が主演なのだけど、浜田が出ているドラマはいつも面白い。
古くは、「パパとなっちゃん」「ADブギ」「もしも願いが叶うなら」・・・とか、ほんと名作だった。
■トリックスター
「検事・鬼島平八郎」を見てて思うのは、トリックスターのこと。
トリックスター (trickster) とは、神話や物 . . . 本文を読む
(「株」(2010-09-14)と同じ人の話し。)
&(「あおーの、でーもん」(2010-10-26)と同じ人の話し。)
(訪問診療で家にお邪魔している、94歳のおじいちゃんの話。)
「せんせい!!なんでピアノ弾いてるの!?」
「??」
「せんせい!!なんでピアノ弾いてるのって聞いてるの!?」
「??」
(横からおばあちゃんが)
「ああ、あのことね。
先生、いつもパソコンかなんだか知らないけど . . . 本文を読む