潮ひかる/雑感

演劇(舞台)の技術や知識・公演案内や観劇レビュー

 


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魅力とは

2012-08-28 12:34:38 | 演技技術
芝居をするにあたって必要になるのは役者の魅力だと思います。


でも『魅力』とひとことで言っても、それはあいまいなものでしかありません。

だったら、魅力とは何かを定義づけして、それを身に着けるための足掛かりにする必要が役者にはあると思います。



魅力のある人物をたとえるならば、
タレント・スポーツ選手・政治家・歌手・作家・プロデューサー・職人・画家
いろいろとあります。



共通しているのは、人によっては、その人物に魅力があると思わないこともあるということ。



それはなぜか、


まずは、順番どおり魅力を感じると思う対象を考えることでそれを導きだそうと思います。
魅力あると思う要因を羅列してみます。
ここでは、魅力を発揮している側で無く、魅力を感じている人のことを『自分』に置き換えて考えます。



・自分にはできないことをやっている
・自分には手の届かないような理想の容姿をしている
・自分の欲求を満たしてくれそうに感じる
・自分にやるべきことを示してくれる
・自分に興味があってももてない感性をその人がもっている


などがあると思います。

まずは『自分』というキーワードが重要です。
自分が関連することでないと、その対象に興味をもつことも魅力を感じることもないと仮定してみます。
となるとどうなるか。


自分は野球に興味が無い→野球選手に魅力を感じない。
恋愛対象として好みで無い→対象の異性に魅力を感じない。
そこまで容姿にこだわらない→ファッションモデルなどに魅力を感じない。
生きることに興味を感じない→不労長寿の薬があっても魅力を感じない。


まずは自分がどう思っているかが鍵になります。



いままでは魅力=良いものととらえましたが、
別の見方もできます。例えば恐怖の対象。


・独裁政治家
・殺人犯
・やくざ
・刀
・ピストル
・ジェットコースター


さらに、日常的にも相手の出方を伺ってしまう対象もいます。

・上司
・奥さん
・動物
・子ども


これらのものは良いたとえとしてあげたものでは無く、マイナスの意味で列挙したものです。
しかし、いまあげたものに、興味を惹かれる・魅力を感じるという人は、世間を見わたした場合に、何人かいるのは事実だと思います。
これだけあげたものの共通項を探して行くと、それは、



『自分』が『対象に』影響されている



という答えが導き出されます。



野球選手にあこがれて野球をやる。
アイドルが目の保養をしてくれる。
政治家が生活を改善してくれる。
やくざが電車の中にいて、怖くて別の車両に逃げる。
人を傷つける刃物を注意して扱う。


すべて、『自分』が『対象に』影響されている状態にあります。


話はそれますが、
飲み会のときに、寡黙な男、相手の目を真直ぐにみてくるひとなども魅力の対象になりえます。
それは、その相手が一度口を開いたら、なにが起こるか予期できないからです。
そこで想像が膨らみます。


自分に話かけてくるのか。
いきなり怒り出すのか。
自分のことをどう思っているのだろうか。
何を考えているの気になる。


相手の思考が読めない場合、
人はその対象に恐怖であったり興味を覚えるようになっています。


寡黙な人でも、パッと見で、空気に馴染めていないんだなということの分かる人は魅力を感じませんし、
目をジッと見て来られても、普段から適当な発言をしている人は、何も考えて無いなこいつ、と思われて終了です。
ここでも魅力に関する定義があてはまります。
自分に考える余地をくれない相手には魅力は発生しません。
自分は相手のことを考えさせられているんです。
この状態も、


『自分』が対象に『影響されている』



といえるでしょう。
これを魅力の定義とします。




じゃあ役者がやらないといけないことは何か。


気合いの入った大声を出すこと?
役の人物が考えているであろうことを全部動きや台詞で説明してしまうこと?
全部一人言のように台詞を言うこと?


定義を当てはめるならばそれらは間違いだということになります。


・気合いがあっても、それが洗練された技術によるものでないと、あこがれる対象にはなりえません。


・客に想像力を働かせてもらうためには、役の人物の一番大事なことは隠しておくこと。


・共演者になにかをしてもらう、考えてもらう、ことをするためには、
 相手にどう思ってほしいのか、とうすれば相手に自分の考えているように動いてもらえるのか、
 それらを考えて、共演者と生の芝居すること。



・お客様を、緊張させる、安心させる、感心させる、話の先を気にさせる。


定義どうりに考えるなら、これらができてこそ”魅力のある役者”と言えるんでは無いでしょうか。



『自分』が『対象に』影響されている
同じ意味で
『劇場にいるすべてのひと』が『自分に』影響されている



この状態が理想です。
もちろん作品全体のバランスが必要で、主役でもない人が、これをやるにはさじ加減はいります。

でも、役者がまず始めに何の注釈もないならば、全力で魅力を発揮するべきです。
作品のバランスは演出家がみてくれますし、役者が始めに手加減する必要は無いと思います。



最近、後輩の演技にダメ出しをする際には、
『相手に影響して』
『相手に影響されて』
と毎回言っています。


その理由がこの、自分の魅力理論によるものだというのは否定できません。
まあほとんどアクトで学んだ経験によることなんで、受け売りを自分の中で解釈広げたものでしかありませんが…



長々と失礼しました。今回は『魅力』について語らせて頂きました。

演出助手をやります☆

2012-08-27 13:34:00 | 演劇活動
今日も暑い。


昨日は日曜教室での基礎稽古。

今日は来月に控えている戯曲推理小説の公演のこまごました雑用。

今回戯曲推理小説では、役者ではなく演出助手での参加になります。

それにしても、毎公演俺にはなにかしら課題が見つかる。それを乗り越えて乗り越えて乗り越えて…

また一歩下がって(笑)

それを繰り返しながらこれまでやってきた。

これからも続くであろうこのサイクル。


この状況が好きであることに我ながら、面白い人間だなと感じる今日この頃です。

鴻上尚史『スナフキンの手紙』を読んだ。(登場人物少ない戯曲代表?)

2012-08-10 15:36:14 | 演劇知識
潮です。

昨日の木曜夜教室ではみんなで『スナフキンの手紙』を読んでみました。

やっぱりみんなで声に出して読むというのは楽しいですね☆思ってもみなかったキャラクターが各役についていきます。個性がそれぞれに発揮されて、イメージがグッと沸いて来る感じ。

読んでみて思ったのは…

最近の小劇場でみられる作品はこの作品にかなり近いものが多いなあということ。



少し日常からズレた世界設定
冗談や笑い、そこから感動の話へもっていく感じ
登場人物全員にフォーカスが当てられる感じ
理性ではなく感覚で観たほうが楽しく感じる作品感。


そういったものがあった気がします。

あと、現代人に分からないような情緒や習慣が表記されていないので、時代設定がされていても、なんとなく内容が理解できる。

あと、役者に五月蠅いくらいの熱量があった方が面白くなる予感もしました。

さらには、登場人物が少数。


これらのことを踏まえると、高校生時代、鴻上尚史が流行った訳がわかった気がします。

演れば演るほど面白くなる、そんな感じの作品でした。


ちなみに、“感”という字を多用し過ぎました(笑)もう少し日本語力をつけたいなあなんぞと悩む今日この頃です。