Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

百眼巨人(ホシテンス)

2018-02-09 18:57:47 | ベラ科

久しぶりに過ごしやすい感じだった本日のやんばるです。

日差しも十分だったし、後半は南寄りの風になって、気温も20℃まで上がりましたし。

インターバルも寒さに震えることなく、心地よく過ごせました。

風は北東のち南東。曇のち晴れ。

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その巨人は全身に100の眼を持ち、それらの眼は交代で眠るのだそう。つまり巨人自身は眠らないのだという。その眼のいくつかは背後にも向けられているため、巨人には時間的にも空間的にも死角がないのだそうです。

これは、ギリシャ神話に登場する〈アルゴス〉という名の百眼巨人のこと。

彼はギリシャ神話の主神〈ゼウス〉の正妻である〈へーラー〉に使えていました。そして〈へーラー〉の命を受けて、様々な英雄的な活躍をした巨人です。

ところがその後、〈ゼウス〉の不倫問題を巡る〈へーラー〉との諍いに巻き込まれ、なんだかんだで〈ゼウス〉の部下の〈ヘルメース〉に首を切り落とされて殺されてしまうという、かわいそうな巨人でもあります。

〈へーラー〉はアルゴスの死後、彼を悼んで百個の眼を取り外し、自身の飼っていたクジャクの尾羽根に飾ったのだとか。こうしてクジャクはその尾羽根にたくさんの眼を持つ姿になったのだそうです。

不倫って、神話の時代からあったんですねぇ…。

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さて…

〈ベラ科モチノウオ亜科テンス属ホシテンス Xyrichtys pavo 18年1月8日 沖縄島新里〉

画像は幼魚。

学名種小名は『クジャク』の意。

成魚の色合いがクジャクのよう、ということのようですが、僕的には今一つしっくりこない感が…。

眼の数も圧倒的に少ないですしね。

ところで、クジャクは「イヤーン、イヤーン」と鳴くのだそう。

百眼巨人が首を切り落とされるときに「イヤーン、イヤーン」と泣いたという……

……伝説はもちろんありません。

 

コメント
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