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株式配当、譲渡益に対する大資産家への証券優遇税制を廃止すれば毎年約1兆円の財源。

2008-10-28 00:51:15 | 国内経済
自公・民主、延長競う 証券優遇税制
所得100億円超 大金持ち10人 減税183億円

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 わずか十人に百八十三億円の減税―。自民・公明両党と民主党が延長を競いあう証券優遇税制が、一部高額所得者に巨額の恩恵を及ぼしていることが分かりました。国税庁の申告所得税標本調査(二〇〇六年分)をもとに本紙が試算しました。

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 株式などを売却した利益、および配当にかかる税率は本来20%ですが、証券優遇税制によって〇八年末までは10%に軽減されています。減税は、年間総額約一兆円規模に達しています。

 国税庁の申告所得税標本調査から、このうち株式などを売買して得られる減税額(申告所得のみ)が分かります。〇六年分の減税額は約二千三百二十二億円にのぼります。

 株式などの売買所得のある人で申告所得の合計が一億円を超える人数は1・93%ですが、この階層の優遇措置による減税総額は千四百二十二億円に達します。減税額の六割強を占めます。

 申告所得の合計が百億円を超える人数は、わずか十人、全体の0・004%にすぎません。その減税総額は約百八十三億円に達しました。一人当たりにすると約十八億三千万円もの減税を受けている計算になります。

 自民・公明、民主の各党は、金融危機対策を口実に証券優遇税制の延長を検討しています。格差拡大に拍車をかける富裕層減税を推進します。

自民・民主の政策、語録
 ▼「現行証券優遇税制のうち、配当に対する軽減税率の延長を行う。譲渡益に対する軽減税率については、民主党税制改革大綱との整合性を調整のうえ、延長を検討する」(民主党「金融危機対応案」、15日)

 ▼「長期保有を条件に三年の期限付きで、この配当課税等については例えば(税率を)5%にするとか非課税にするとか、こういった思い切った政策ができないのか」(民主党・福山哲郎参院議員、15日の参院予算委員会での質問)

 ▼「貯蓄から投資ということに回っていくためにということを考える、そのための税制、そういったものは大変大事」(麻生太郎首相、15日の参院予算委員会での答弁)

 ▼「現行の証券優遇税制の枠組みは維持していくのがいい」(自民党・柳沢伯夫金融危機対応プロジェクトチーム座長、19日付「日経」)

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 証券優遇税制 上場株式等の譲渡益・配当に対する税金は現行、税率が10%(所得税7%、住民税3%)に軽減されています。譲渡益については、二〇〇二年まで本則26%だった税率を自公政権が〇三年から20%(国15%、地方5%)に優遇した上、〇三年から〇七年までこれを半減(10%)。〇七年度税制「改正」で期限をさらに一年延長しました。配当についても、本来20%の税率が〇三年度から〇七年度まで10%に優遇され、同様に〇八年末まで延長されています。自民党や民主党は、譲渡益、配当ともに軽減税率をさらに数年延長することを検討しています。

(出所:日本共産党HP  2008年10月27日(月)「しんぶん赤旗」)

資産家(高額所得者)とは?

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 〈問い〉 貴党の政策提言に「新たな(税)負担を求める場合は大企業・高額所得者から」という記述があります。しかし、貴党のいう高額所得者、言い換えれば資産家の定義が今一理解できません。名目上の資産を所有していても実際に支払い可能な資産を所有していない資産家もいます。そのような資産家に対しても「高額所得者」として負担を求めるというお考えなのでしょうか?(鳥取・一読者)

 〈答え〉 「資産家」といっても実際に支払い可能な資産ではない場合もあるのではないかというのは、その通りだと思います。たとえば、自宅として利用している居住用の資産や、個人事業者の事業用の資産などは、売却するわけにはいかない資産です。税の負担能力の基本は、所得です。資産があっても、そこから所得が1円も発生しないのであれば、税を負担する能力があるとはいえません。

 私たちが「資産家に応分の税負担を」という場合は、こうした小規模の資産を想定しているわけではありません。共産党の政策文書では、「大資産家」と限定した表現をしている場合が多いと思います。

 私たちが、「大資産家への応分の課税を」といっているのは、たとえば次のような状況があるからです。

 仮に個人事業者で課税所得が5000万円あれば、所得税と住民税あわせた税額は2200万円くらいです。これも以前に比べれば減っているのですが、それでも40%くらいの税負担です。ところが、株式資産を10億円以上も持っている大資産家で、その配当が5000万円あった場合には、税額が500万円で済んでしまいます。

 自分で事業をして稼いだ5000万円と、株式資産を持っているだけで得られた5000万円とで、こんなに税負担の違いがあるのは「大資産家優遇」といっていいのではないでしょうか。

 いまの税制では、株式配当や株式譲渡所得への課税が20%に軽減されたうえ、さらに特例措置で10%に軽減されています。政府は、この10%への軽減措置を、さらに1年間延長してしまいました。20%が10%に軽減されている分だけでも、年間1兆円もの減税です。庶民には定率減税廃止で1・7兆円の増税をおしつけながら、大資産家への減税は延長するというのは間違いだと、私たちは主張しているのです。(垣)

 〔2007・4・21(土)〕

(出所:日本共産党HP 2007年4月21日(土)「しんぶん赤旗」)

株のもうけ 税金がフランスの35%って本当なの?

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 〈問い〉 日本では、株でもうけをあげる富裕層に税金をすごく安くしていると聞きましたが本当ですか? 欧米と比べてどうですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 株のもうけにかかる税金は、日本は欧米主要国に比べて大変安くなっています。株を中心に多額の金融資産を持つ富裕層は特別に優遇され、「富めるものがますます富む」しくみです。

 株への課税には、売買差額の利益にかかる株式譲渡益課税と、企業利益から株主に分配される配当にかかる配当課税があります。政府は「貯蓄から投資」を旗印に、上場株式等への譲渡益と配当にかかる税率20%(国と地方合計)を、半分の10%にする時限措置を2003年から続けています。

 大門実紀史参議院議員の求めで財務省が計算したところ、上場株式等の譲渡益・配当課税額は、日本はおおむね欧米主要国の2分の1から4分の1に軽減されていることが明らかになりました。

 例えば1億円の配当への課税額は、日本は1000万なのに対し、アメリカは2308万円、イギリス2278万円、ドイツ1859万円、フランス2799万円で、日本はフランスの35%です(比較の単純化のため収入をすべて配当所得とし、夫婦子ども2人世帯で計算)。

 なぜこれほど軽くなるのでしょうか。一つは、欧米主要国では株への課税は総合課税が中心なのに対し、日本は分離課税だからです。

 総合課税は、事業収入、給与など、さまざまな所得を合算し、高額所得者ほど高い税率を課します(累進課税)。例えばアメリカ、イギリスでは譲渡益も配当も総合課税で、イギリスでは最高税率が譲渡益では40%、配当では32・5%です。しかし、日本では株への課税は分離課税といって、他の所得とは別に一律の低い税率10%を課しているのです。

 もう一つは、分離課税の国と比較しても税率が低いことです。フランスの譲渡益への課税は分離課税ですが税率は27%です。

 当初5年間の時限措置で07年(配当は08年3月)に終わるはずだった優遇措置は、今年度(07年度)税制改正で1年延長されました。政府税調は11月20日の答申で、来年度税制改正で優遇措置の廃止を提言しました。しかし、証券業界、経団連を先頭に、さらなる延長を求める政官財の動きが強まっています。格差拡大をすすめる証券優遇税制の廃止と、高額所得者、大資産家への応能負担原則に基づく適正な課税を求める世論と運動が求められています。

 (注)ドイツでは再来年1月より金融所得(譲渡益も配当も)への分離課税が導入されます(税率25%)。(丸)

 〔2007・12・1(土)〕

(出所:日本共産党HP 2007年12月1日(土)「しんぶん赤旗」)

7人に減税200億円って本当?

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 〈問い〉 わずか7人の大金持ちに200億円の減税をしているというのは本当ですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 7人の大金持ちへの200億円減税とは、株式等譲渡益に対する減税額のことです。

 国税庁の平成17年分申告所得税標本調査によると、2005年に100億円超の所得を申告した7人の株式等譲渡益の合計額は約2000億円でした。上場株式等譲渡益の税率は、国税と地方税を合わせると本則20%のところ、現在、特例で10%に軽減されています。そのため、本来なら7人の大金持ちの納税額は約400億円となりますが、この特例により約200億円の納税で済みます。

 この調査を見ると、7人の大金持ちだけでなく、この優遇税制が一部の資産家に多大な恩恵を与えていることがわかります。

 例えば、株式等譲渡益の申告をした31万4163人のうち、1億円以上の申告所得があった人はたった1・6%の5024人です。一方、その1・6%の人の株式等譲渡益は、総額2兆6519億円のうち1兆5005億円で、56・6%にもなります。同様に推定すると5024人の減税額は約1500億円にもなります。

 諸外国と比較すると、イギリスでは、働くことにより得る勤労所得と株式投資や預貯金等の運用益による金融所得などを合算して課税する総合課税が採用されているため、このような多額の株式の売却益を得た人も最高税率40%で課税されます。アメリカも総合課税です。フランスは申告分離課税ですが株式の売却益には一律27%の税率がかかります。

 例えば、上場株式の売却益のみの収入で300億円の所得がある人の場合、日本では、国税・地方税をあわせ約30億円の納税となります。一方、諸外国の税額は、イギリス約120億円、アメリカ(ニューヨーク市)約71億円、フランス約81億円となります。これは、応能負担の原則により所得税に再配分機能を働かせるための近代国家では当然の措置であり、日本の大金持ち優遇ぶりが際立っています。

 上場株式等の譲渡益にかかる税率は、02年までは本則26%でした。02~03年当時、株式市場が低迷したため株価対策として、この上場株式等譲渡益や配当金の軽減税率など証券優遇措置が導入されました。しかし、この措置が大金持ちを優遇し資産格差やライブドア事件などで明らかになったように投機的な投資を誘発する要因となったことは間違いありません。

 今国会、自民党公明党は、07年末までの特例であったこの優遇税制の一年延長を決めました。証券優遇税制の減税効果は約1兆円です。所得格差を拡大する金持ち優遇税制にはノーの声を上げましょう。

 〈注〉ただし、この調査では減税の対象とならない未上場株式の譲渡所得も含まれるため、あくまでもこの減税額は推定値となります。しかし、実際には、未上場株式は市場で流通していないため、その割合は非常に少ないと考えられます。(芳)〔2007・4・19(木)〕

(出所:日本共産党HP 2007年4月19日(木)「しんぶん赤旗」)
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119 コメント

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出所。 (東西)
2008-10-28 00:55:10
 図:証券優遇税制による1人当たりの減税額(所得階級別)

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-27/2008102701_01_0.html
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Unknown (todo)
2008-10-28 07:48:35
そもそも株主配当は課税後の利益を配分したもので二重課税もいいところ。
まったく、公務員がカネくれ、カネくれと。
いっそ、公務員の給与を日経平均に連動するようにしたらどうか。
ノーテンキにつける良いクスリだな。
返信する
todoさんへ。 (東西南北)
2008-11-03 22:57:16
 1:「株主配当は課税後の利益を配分したもので二重課税」

 違いますよ。税は法人と個人に対して課税するものです。A法人の利益に課税して、B法人へ株式配当を出す。A法人からの株式配当はB法人の収益ですよ。そこでB法人に課税するのは当然です。個人の方を見ても、株式配当は金融所得ですから所得税の対象になって当然です。分離課税だから、二重になっているように錯覚しているだけではないですか?

 税制の原則は、生計費非課税、総合・累進制度、直接税中心、勤労所得より金融・財産所得などの不労所得への重税、国家権力に対しては権利を主張し、人類の福祉に対しては納税の義務を積極的に果たすということです。

 

 
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東西南北さんへ (cosmo)
2008-12-05 12:09:16
まず投資家が出資しあって会社を作ります。
その一口あたりの出資口が株式となります。
したがって株式配当は会社からもらうものではなく
分配されるものです。
出資者が一人だったとして考えると分かりやすいです。
個人的には配当課税を否定するものではありません。
しかし例えば配当所得100万以下のものには免除するような仕組みは必要だと思います。

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cosmoさんへ。 (東西南北)
2008-12-08 02:13:42
 はじめまして。コメントサンクスです。

 1:「個人的には配当課税を否定するものではありません。しかし例えば配当所得100万以下のものには免除するような仕組みは必要だと思います。」

 東西も配当課税を否定するものではありませんよ。協力ですね。後段については、配当金は金融所得ですから、現在の分離課税ではなくて、総合・所得課税として生計費非課税原則で課税していくことが、まず必要だと考えます。その際、金融・財産所得については勤労所得よりも高い税率を課し、勤労意欲を殺がないようにする必要があります。

 2:「株式配当は会社からもらうものではなく分配されるものです。」

 確かに、形式的にはそうなります。しかし、実質的に判断する必要があります。出資者が勤労者である場合においては、確かに勤労所得と言えなくもないですが、そうであれば報酬・賃金として反映すればいいわけです。一般論で言えば、やはり、株式配当金というものは財産所得なのであって不労所得となりますから、勤労所得よりは高率の税率を課す必要があります。出資者ではなく現場で勤労する人々こそが主人公であって配当金の源泉なのですから。
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二重課税は配当については正しいが,対策済みでしょね (plus-sum)
2009-09-22 13:42:38
企業に利益が生じたときに,その利益に対して法人税を課税しているのだから,その利益をその所有者である株主に分配しただけで,再び株主の所得税として課税するのが,二重課税で誤りだという指摘は理論的に正しいのです。

たとえていえば,専業主婦の妻に,夫が生活費を渡した時点で,妻にも所得が生じたと認め,妻にさらに所得税を課すことと同じ。ポイントは,この組織内部の資金の移動自体には,なんら追加的な生産活動が行われていない点ですね。

株式会社と株主を形式的に別物とみれば,二重課税といえないが,株主が株式会社の所有者である以上はそういう批判の方が正しくて,国際的にも認められてます。

しかし,その緩和のために,すでに株主には,配当控除という税額控除があるんですよ。配当の二重課税を持ち出す人は,なぜかこの配当控除については,知らないのか触れられたくないのか,一切指摘しない。

さらに,理論的に二重課税となるのは,株式の配当に対する課税だけ。株式の譲渡益に対する税は,二重課税とは何の関係もないわけで,こちらの方が個人・機関投資家の利益の大部分だではないのですかね。
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Unknown (すまり)
2009-09-22 22:10:09
よく「優遇廃止して財源」って言うけどね。
優遇があるから、そこに金を出す人だっている。
優遇がなくなれば、そもそもそこに金が回らない可能性は考えていないのか?
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優遇がなければ縮小するのなら,市場原理からみれば自己責任 (plus-sum)
2009-09-23 09:55:04
優遇がないなら取引の需要がない,金がまわらないというのであれば,それは民業ではなくて,官業と同じということですよ。

それこそ,新自由主義者が尊重する,市場による価格形成を歪めるものでしょう。簡単に言えば,他業界と比べてフェアな競争条件ではない。実際,税制上の特別な優遇措置がない業界の方が圧倒的多数ですけどね。

ここがずるいんだよね。「民間にできることは民間に」といって経済活動に対する政府の自由放任を唱えた人々は,証券・不動産優遇税制については,何もいわない。

優遇がなければ需要が減少する業界が縮小するのは,彼らが言い続けた「自己責任」そのものではないのかな。
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Unknown (すまり)
2009-09-23 10:13:54
優遇廃止論者の言う優遇が、しばしば単に優遇ではなく、単純負担増だったりする。問題はそっち。

累進課税の緩和を
「高所得者負担緩和」と見るか
「高所得者優遇」と見るか
たいていの高所得者優遇批判者は後者。
弱者(自分たち)が優遇されて初めて平等と言い出す人が多い。
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Unknown (todo)
2009-09-23 10:17:48
>それこそ,新自由主義者が尊重する,市場による価格形成を歪めるものでしょう

フリードマン「資本主義と自由」では個人所得税一本にすべきだと言ってますね。
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