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日本共産党が二十五日発表した総選挙の基本理念・基本政策(各論編・その3)

2008-09-28 02:07:04 | 国内政治
 6、地球温暖化対策の深刻な遅れを克服し、「人にやさしく環境を大事にする社会」をめざす
 日本を議長国として7月に開かれた洞爺湖サミットでは、世界が注目していた先進国の中長期削減目標についてなんの決定もされず、温暖化の影響を憂えている人々の失望をかいました。

 ことしから京都議定書の第1約束期間に入り、2012年までに1990年比で、日本は温室効果ガス排出量の6%削減を達成するよう迫られています。来年12月にコペンハーゲン(デンマーク)で開かれる温暖化に関する国際会議では、2013年以降の新たな国際的取り組みを具体的に決定しなければなりません。

 ところが自公政権は、国際的な取り組みをリードできないどころか、京都議定書の目標さえ達成できるか危うい状況です。すでに京都議定書の目標を超過達成し、中長期の数値目標を決定しているEU諸国に比べ、明らかに後れを取ってしまいました。これは自公政権が、最大の温室効果ガス排出国でありながら京都議定書から無責任にも離脱したブッシュ米政権に追随するとともに、具体的な削減のための施策をとることを「統制経済」と呼んでそっぽを向く財界のいいなりになってきた結果です。

 日本共産党はこの3月に欧州調査団を派遣し、6月には温暖化の抑制にかんする日本共産党の見解を発表しました。そのなかで明らかにしたように、温暖化の被害が取り返しのつかないレベルになるのを避けるには、産業革命前にくらべて2度以内の気温上昇(現在までにすでに0・76度上昇)にとどめることがカギです。そのために以下のような施策の早急な実現をめざします。

(1)ただちに温室効果ガス削減の中長期目標を示し、取り組む姿勢を明らかにする

 国連のもとにある研究者の組織IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、2度以内の気温上昇に抑えるために、世界全体やとくに先進国の中長期の削減に関する試算を明らかにしています。日本に課せられた「先進国」としての国際的義務を果たすために、2012年までに温室効果ガスの90年比6%削減という、京都議定書での約束を実質的に達成するとともに、わが国として2020年までに30%削減することを明確にした中期目標を確立し、2050年までに80%削減するという長期目標をすえて、それにむけて着実に実現していくための通過点を明示すべきです。福田ビジョンのように90年比で7・7%も増加した2005年を基準にして、「2050年まで60~80%削減」の長期目標だけを出すのでは、内外の信頼は得られません。

(2)最大の排出源である産業界の削減のため、公的削減協定など実績のある施策を実施する

 日本の温室効果ガスの削減対策が言葉だけのものとなっているのは、総排出量の8割を占め、しかもわずか200程度の事業所で日本全体の排出量の50%に達するほど極端に排出が集中している産業界の削減について、もっぱら財界の“自主努力”まかせにしているからです。EU諸国ですでに実績を上げている施策によく学んで、政府と産業界の間で削減目標を明記した公的な削減協定を義務づける必要があります。企業の削減目標達成のための補助的手段として、「国内排出量取引制度」や、二酸化炭素の排出量などに着目した環境税を導入すべきです。

(3)原発優先から自然エネルギー重視に転換し、目標を拡大し促進の制度を整備する

 二酸化炭素の排出量の9割がエネルギーに由来し、エネルギー対策は温暖化抑制のかなめです。現在、自然エネルギーは1次エネルギーのわずか2%(大規模水力発電分3%を除く)にとどまっています。2020年までにその比率を15~20%に引き上げることを明記した「自然エネルギー開発・利用計画」を策定します。自然エネルギー発電の普及には、長期的な採算の見通しが重要であるため、電力の固定価格買い取り制度を導入します。自然エネルギーから得られる電気やガス、木質ペレットなどの販売で、その地域には新たな収入が生まれ、地域経済対策としても有効です。自公政権は、原発を「温暖化対策の切り札」とし、長期的にも電力供給の約半分を原発でまかなおうとしています。事故や災害、データ捏造(ねつぞう)などによって、原発の停止があいついでいるように、原発は決して安定的な電源ではありません。事故や廃棄物による放射能汚染という環境破壊の危険も大きく、安全上も、技術的にも未確立な原発を優先にするエネルギー政策はやめるべきです。

(4)国の将来戦略に温暖化対策を位置づけ、政府の取り組みを義務付ける「気候保護法」(仮称)を制定する

 地球温暖化対策は、将来の日本社会のあり方を探求する総合的な戦略・政策の重要な一環に位置づけ、エネルギー・地域振興・雇用・福祉・交通・農業・税制など各分野の政策と有機的に結びつけて着実にすすめてゆくべきです。そのために、国の将来にかかわる総合的な戦略・政策のなかに地球温暖化対策をしっかり位置づけ、政府の取り組みを義務づける法律(気候保護法=仮称)を制定します。生産から流通、消費、廃棄までのすべての段階で、温室効果ガスを削減し、将来にわたって「持続可能な経済・社会」「人にやさしく環境を大事にする社会」を社会全体の努力でつくりあげるという視点から、「24時間社会」など大胆に見直すことが必要です。

7、財源――ムダをなくし、不公平税制の是正などで、国民のくらしをささえる財源を確保する
 あらゆるムダにメスを入れる…ダム、港湾などの大型開発や、政党による税金分け取りの政党助成金(320億円)など、あらゆるムダにメスを入れます。年間約5兆円にのぼる軍事費に縮減のメスを入れます。年間2500億円もの米軍への「思いやり予算」を廃止し、正面装備費、米軍との共同演習費、イラク・インド洋派兵費などを、大幅に削減します。政府・与党は、道路特定財源の「一般財源化」を国民に約束しながら、高速道路をつくり続ける「道路中期計画」は廃止せず10年を5年に短縮するだけで、ムダを削る姿勢はまったくありません。国土交通省は、来年度予算で道路予算を15%も増やすという概算要求をおこなっています。これでは揮発油税などをすべて道路に注ぎ込むことになり、現状と何ら変わりません。道路特定財源をただちに一般財源化し、揮発油税などを道路建設以外にも振り向けられるようにします。

 大企業・大資産家にもうけに応じた負担をもとめる…大企業の経常利益はバブル期の1・7倍に増えているのに、税負担は横ばいです。自公政権が、法人税率の引き下げ、研究開発減税や連結納税制度などの大企業減税を実施したからです。巨額の利益をあげている大銀行は、欠損金繰越期間の延長の恩恵で、軒並み「法人税ゼロ」となっています。所得税の最高税率も引き下げられたうえ、証券優遇税制で大資産家に膨大な減税がおこなわれています。そのうえ政府は、「緊急総合対策」に、「企業の国外所得非課税」や「証券マル優制度」など、大企業や大資産家へのいっそうの減税を盛り込んでいます。国民には「財源がない」といいながら、大企業や金持ちには減税をばらまく――こうした政治の姿勢を転換し、大企業や大資産家にもうけや所得に応じた負担を求めます。大企業・大資産家へのゆきすぎた減税をただし、優遇税制を改めれば、7兆円以上の財源が確保できます。

 いわゆる「埋蔵金」を国民のために活用する…特別会計の積立金は、年金給付以外に流用すべきでない年金積立金を除いても、数十兆円の規模に達します。恒常的な財源にはなりませんから、社会保障などの長期的な財源には不向きですが、原油高騰対策などの緊急的・臨時的な施策の財源としては、大いに活用すべきです。とくに、財政投融資特別会計の積立金は、昔から「埋蔵」されていたものではなく、この10年間で30兆円もの剰余金が発生したことによるものです。超低金利にもかかわらず、住宅金融公庫ローンの借り手や公団住宅居住者、高速道路利用者などから、高い金利や家賃、料金を取り立ててきた結果です。政府は、「借金返済にしか充てるべきでない」として、21・8兆円を国債の返済に充てましたが、国民からしぼりとってためた積立金を、国民のくらしを守るためにも使うのは当然です。雇用保険の6兆円もの積立金も、雇用対策の財源として活用します。電気料金に上乗せして徴収されている電源開発促進税は、特別会計に1000億円以上も剰余金が生じています。原発立地促進などに充てられている使途をあらため、自然エネルギーの普及促進などに活用します。

(出所:日本共産党HP 2008年9月26日(金)「しんぶん赤旗」)
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