内部留保 雇用のため使えないのか
大企業の言い分を検証する
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「減益」や「赤字予想」を理由に、輸出大企業を中心とした「非正規労働者切り」が横行しています。「これまで空前の利益をあげてきた大企業のもうけはどこにいったのか」「ため込んだお金の一部を使えば雇用は守れるはず」という声が、世論となっています。しかし、財界・大企業は、内部留保を取り崩すことは難しいという姿勢です。一部の商業メディアも財界・大企業の言い分に同調しています。内部留保は、本当に取り崩せないものなのでしょうか。(吉川方人)
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経営が大変になる?
Q 内部留保を取り崩すと経営が大変になる?
A 雇用を維持するためには、内部留保のほんの一部分を取り崩すだけで十分です。経営に影響するような額ではありません。
今、人間を使い捨てにする「非正規労働者切り」や解雇・リストラをくり返している輸出大企業はこれまで、非正規労働者を安く使うことで、バブル期を超えるばく大な利益をあげてきました。
このもうけは、巨大な内部留保としてため込まれています。
その額は、製造業の大企業(資本金十億円以上)だけで、一九九七年度末の八十七・九兆円から二〇〇七年度末までの十年間に三十二・一兆円も増え、積み上がった額は百二十兆円に達しています。
派遣業の業界団体は、三月末までに職を失う非正規労働者を約四十万人と推計しています。非正規労働者の平均年収を三百万円とすると、四十万人分で一兆二千億円です。
製造業大企業の内部留保のわずか1%にすぎません。
これだけで経営が大変になるとは考えられません。それなのに大企業経営者は、内部留保を使うことをかたくなに拒み、無情に非正規労働者の解雇を続けているのです。
設備投資に回ってる?
Q 設備投資に回っている?
A 内部留保は設備投資などに使って機械などになっているし、内部留保がなければ設備投資ができないという主張もあります。
しかし、実際に大企業の内部留保などを使った新規投資の動きを見ると、新しい機械などへの設備投資よりも、投機を含む有価証券などへの投資に多くの金額が回されているのが実態です。
製造業の大企業の内部留保が九七年度から十年間で三十二・一兆円も増えているのに、工場や設備などの資産は逆に減少しています。
機械や土地、建物などの「有形固定資産」は、九七年度の六十八・七兆円から〇七年度の六十七・二兆円と一・五兆円減少しています。
これに対して、「投資有価証券」は、九七年度の三十二・七兆円から〇七年度の六十六・七兆円に倍増しています。
設備投資に必要な額よりもはるかに多くの資金が企業内部にたくわえられ、その多くが金融資産への投資に使われているのです。
内部留保を多少取り崩したとしても、設備投資ができないなどということはありません。
手元資金は少ない?
Q 手元資金は少ない?
A 大企業の内部留保は、現金などの流動性の高い形では保有していないので、資金繰りが困るという主張もあります。
確かに現金や預金などの「手元資金」は、製造業の大企業で〇七年度末に二十一・一兆円と十年前の三十四・八兆円から減少しています。しかし、これは、「手元資金」を投資有価証券などの金融資産への投資に振り向けてきた結果です。
投資有価証券は、〇七年度の六十六・七兆円に十年間で二倍にまで膨張しています。
今ある「手元資金」だけでも、非正規労働者四十万人の雇用維持分の一・二兆円などは、十分捻出(ねんしゅつ)できるはずです。どうしても足りないというのであれば、公社債など現金化できる金融資産も多く、金融資産などを担保に資金を調達することもできるはずです。
巨大な資産を持つ大企業が、手元資金がないからと立場の弱い非正規労働者の解雇を強行するのは、豪邸に住む資産家が、現金を株式などへ投資しておきながら、現金が手元にないからと家政婦を解雇するようなものです。
労働者使い捨て 株主配当は急増
大企業が労働者の使い捨てをする一方で、株主への配当は急増しています。
東京証券取引所の統計によると、上場企業製造業の配当総額は、九七年度の約一・三兆円から、〇七年度の約三・七兆円に急増しています。
新光総合研究所のまとめによると、〇八年度は製造業の経常利益が前年度よりも82・4%の減少となることが予想されています。しかし、年間の予想配当金総額は前年度より一割程度しか減っていません。
ソニーのように一万六千人ものリストラを計画し、赤字を予測しているのに、配当は増額する計画の大企業まであります。
株主への配当ばかりが増えていることでは、「貯蓄から投資へ」などといって、投機をあおった政府の責任も重大です。
政府は、〇三年五月十四日の証券市場活性化関係閣僚等による会合で、企業自らによる「配当性向の向上」を求め、同年の「骨太方針」で、その着実な実施を閣議決定しました。また、証券優遇税制で、配当にかかる税金を本則20%から10%に軽減しました。こうした政府の旗振りのもとで企業は配当ばかりを優先して増やす一方、賃金や下請け単価は抑え付けてきました。異常に増えた配当をもとに戻すだけでも、雇用を維持する資金は十分にできます。
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内部留保 企業が年々のもうけをため込んだもの。各年の利益から配当を引いた部分をため込む「利益剰余金」、資本取引などでのもうけをため込む「資本剰余金」、実際には支出していないのに隠し利益としてため込む各種引当金などが含まれます。
これらは、企業の財務諸表の中の貸借対照表の「純資産の部」「負債の部」で計算することができます。しかし、内部留保をどのような形の資産で持っているかはこれだけでは分かりません。
しかし、同じ貸借対照表の「資産の部」に示されている企業資産全体での内訳を見れば、設備や現金、金融資産の増減の傾向から、ため込みがどのような資産で増えているのか分かります。
(出所:日本共産党HP 2009年2月13日(金)「しんぶん赤旗」)
大企業がため込む内部留保とは?
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〈問い〉 「経営危機」だといいながら巨額の内部留保をため込む大企業があると聞きましたが、内部留保とはどんなものですか (岡山・一読者)
〈答え〉 内部留保とはひとことで言えば企業がさまざまな名目でため込んでいる利益のことです。日本の大企業は、商法や法人税法、租税特別措置法などで、さまざまな合法的なため込みの項目がみとめられ、欧米にくらべても異常に多いことが指摘されています。
代表的な項目としては▽企業の利益(税引前当期利益)から税金、配当金、役員報酬などを差し引いた部分をあてる「利益準備金」や、「任意積立金」などの剰余金▽株式の発行価額と額面金額との差益などをあてる「資本準備金」▽将来見込まれる費用や損失に備えるのがたてまえの「退職給与引当金」「修繕引当金」などの各種引当金・準備金―があります。
たとえば引当金や準備金は、運用実態とかけ離れた額の積み立てが認められ、かなりの部分がため込み資産となっていることが指摘されています。
これらの合計は欧米では考えられない膨大な額です。毎年調査している全国労働組合総連合(全労連)の「検証・大企業の内部留保」では、二〇〇〇年三月期決算時の主要四百二十七社の内部留保総額は、百二兆三千億円。大蔵省「法人企業統計年報」「季報」をもとにすると、金融・保険を除く資本金十億円以上の全企業の内部留保は、バブル崩壊後も増え続け、二〇〇〇年度は百七十三兆円でした。
これらの内部留保は、労働基準法違反のサービス残業をはじめ低賃金と長時間過密労働、下請けいじめによって生み出されたものです。内部留保のごく一部をふり向けるだけで、賃上げや労働時間の短縮、雇用創出など、労働条件をただし、向上させることができます。ため込み利益を温存しながら、不況や国際競争、「高賃金」などの口実でリストラや賃下げを強要するのは横暴勝手そのものです。
(博)
〔2002・3・13(水)〕
(出所:日本共産党HP 2002年3月13日(水)「しんぶん赤旗」)
判例で確立した「整理解雇4要件」とは?
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〈問い〉 会社の整理解雇が認められるには「整理解雇四要件」を満たさなければならないとされます。「四要件」とはどういうものなのですか。 (大阪・一読者)
〈答え〉 「整理解雇四要件」は、企業が経営上の理由で整理解雇をする場合、必要とされる条件で、最高裁を含む判例で確立されてきました。
第一は、企業の維持・存続ができないほどさしせまった必要があることです。判例は、「経営が苦しい」というだけでは足らず、「企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性を要する」「企業が客観的に高度の経営危機下にあることを要する」「企業の合理的運営上やむをえない必要性」がある等々、客観的な必要性がなければならないとしています。
第二は、解雇を回避するあらゆる努力がつくされたことです。配転・出向・希望退職の募集など雇用調整手段を講ずるといった努力をせず、いきなり整理解雇をするのは、解雇権の乱用として無効だという判例があります。また、労働者を子会社へ転籍させることは、労働組合が同意していても、本人の同意がいるとされています。
第三は、解雇対象となる労働者の選定基準、人選が合理的なことです。選定基準を明示しない整理解雇は、恣意(しい)的なものということになります。
第四は、以上の条件について労働者個人および労働組合に、事前に十分な説明をして了解を求め、解雇の規模、時期、方法などについて、労働者側の納得を得る努力がつくされていることです。
リストラを推進する財界の圧力とともに、労働裁判では「四要件」を崩す動きもあります。日本共産党は、「四要件」を法律として明文化する「解雇規制法」、横暴なリストラを抑える「リストラ規制法」の制定を主張し、参院選政策にも掲げています。
ヨーロッパ諸国では、解雇制限法など雇用上の権利を守る法律が整備されています。(沢)
(出所:日本共産党HP 2001年6月21日(木)「しんぶん赤旗」)
「ルールある雇用」の経済効果とは?
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〈問い〉派遣労働者を正規労働者にしたり、サービス残業をなくしたりするだけで内需拡大になると聞きましたが、どういうことですか。その効果は微々たるものと思えるのですが、違いますか?(東京・一読者)
〈答え〉「アメリカ発の金融危機」が“外需・輸出頼み”の日本経済を直撃し、景気が悪化しています。そのなかで、これまで、金融・住宅バブルにわくアメリカ市場に進出して大もうけをつづけてきたトヨタやキヤノンなどの大企業が、不況を口実にして「派遣切り」「非正規切り」をすすめています。
大企業の横暴を放置していては、日本経済は、雇用悪化と景気悪化という際限のない悪循環におちいることになります。
この状況を打開するためには、日本経済の体質を外需・輸出頼みから内需主導に抜本的に切りかえていくことが必要です。
非正規雇用の正社員化、サービス残業根絶、年休完全取得など雇用の安定と働くルールの厳守、つまり「ルールある雇用」を実現することは、日本経済を内需主導の方向に転換させていくうえで大きな役割を果たし、経済効果も抜群です。
そのことを具体的に明らかにしたのが昨年10月に発表された労働総研の試算です。この試算では、(1)ワーキングプアの解消のため非正規の正社員化363万人を実現する、(2)サービス残業を根絶すると118・8万人の雇用が生まれる、(3)完全週休2日制と年次有給休暇の完全取得を保障すると153・5万人の新たな雇用が必要になる――という三つのケースを明らかにし、それによってどのような経済効果が生まれるかを算出しています。
その結論は、労働者の賃金は21・3兆円増え、国内生産は24・3兆円増えるということです。その結果、日本のGDPは2・52%押し上げられます。日本の経済成長率は、景気拡大局面の時期で、04年度2・0%、05年度2・4%、06年度2・5%でしたから、それに匹敵する経済効果があることが明らかになりました。しかも、04~06年度のGDPを押し上げたのは大企業の設備投資が中心でしたが、今回は労働者の懐を直接あたためることになるので、大企業だけでなく、中小企業にも経済効果が波及することになります。
労働者の賃金支払いは21・3兆円増えることになりますが、大企業がため込んだ内部留保は、02年度の167兆円から07年度には228兆円に増えています。5年間で61兆円も積み増しているので、その3分の1をあてれば「ルールある雇用」を実現でき、経済効果も生まれます。(藤)
〔2009・1・29(木)〕
(出所:日本共産党HP 2009年1月29日(木)「しんぶん赤旗」)
大企業の言い分を検証する
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「減益」や「赤字予想」を理由に、輸出大企業を中心とした「非正規労働者切り」が横行しています。「これまで空前の利益をあげてきた大企業のもうけはどこにいったのか」「ため込んだお金の一部を使えば雇用は守れるはず」という声が、世論となっています。しかし、財界・大企業は、内部留保を取り崩すことは難しいという姿勢です。一部の商業メディアも財界・大企業の言い分に同調しています。内部留保は、本当に取り崩せないものなのでしょうか。(吉川方人)
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経営が大変になる?
Q 内部留保を取り崩すと経営が大変になる?
A 雇用を維持するためには、内部留保のほんの一部分を取り崩すだけで十分です。経営に影響するような額ではありません。
今、人間を使い捨てにする「非正規労働者切り」や解雇・リストラをくり返している輸出大企業はこれまで、非正規労働者を安く使うことで、バブル期を超えるばく大な利益をあげてきました。
このもうけは、巨大な内部留保としてため込まれています。
その額は、製造業の大企業(資本金十億円以上)だけで、一九九七年度末の八十七・九兆円から二〇〇七年度末までの十年間に三十二・一兆円も増え、積み上がった額は百二十兆円に達しています。
派遣業の業界団体は、三月末までに職を失う非正規労働者を約四十万人と推計しています。非正規労働者の平均年収を三百万円とすると、四十万人分で一兆二千億円です。
製造業大企業の内部留保のわずか1%にすぎません。
これだけで経営が大変になるとは考えられません。それなのに大企業経営者は、内部留保を使うことをかたくなに拒み、無情に非正規労働者の解雇を続けているのです。
設備投資に回ってる?
Q 設備投資に回っている?
A 内部留保は設備投資などに使って機械などになっているし、内部留保がなければ設備投資ができないという主張もあります。
しかし、実際に大企業の内部留保などを使った新規投資の動きを見ると、新しい機械などへの設備投資よりも、投機を含む有価証券などへの投資に多くの金額が回されているのが実態です。
製造業の大企業の内部留保が九七年度から十年間で三十二・一兆円も増えているのに、工場や設備などの資産は逆に減少しています。
機械や土地、建物などの「有形固定資産」は、九七年度の六十八・七兆円から〇七年度の六十七・二兆円と一・五兆円減少しています。
これに対して、「投資有価証券」は、九七年度の三十二・七兆円から〇七年度の六十六・七兆円に倍増しています。
設備投資に必要な額よりもはるかに多くの資金が企業内部にたくわえられ、その多くが金融資産への投資に使われているのです。
内部留保を多少取り崩したとしても、設備投資ができないなどということはありません。
手元資金は少ない?
Q 手元資金は少ない?
A 大企業の内部留保は、現金などの流動性の高い形では保有していないので、資金繰りが困るという主張もあります。
確かに現金や預金などの「手元資金」は、製造業の大企業で〇七年度末に二十一・一兆円と十年前の三十四・八兆円から減少しています。しかし、これは、「手元資金」を投資有価証券などの金融資産への投資に振り向けてきた結果です。
投資有価証券は、〇七年度の六十六・七兆円に十年間で二倍にまで膨張しています。
今ある「手元資金」だけでも、非正規労働者四十万人の雇用維持分の一・二兆円などは、十分捻出(ねんしゅつ)できるはずです。どうしても足りないというのであれば、公社債など現金化できる金融資産も多く、金融資産などを担保に資金を調達することもできるはずです。
巨大な資産を持つ大企業が、手元資金がないからと立場の弱い非正規労働者の解雇を強行するのは、豪邸に住む資産家が、現金を株式などへ投資しておきながら、現金が手元にないからと家政婦を解雇するようなものです。
労働者使い捨て 株主配当は急増
大企業が労働者の使い捨てをする一方で、株主への配当は急増しています。
東京証券取引所の統計によると、上場企業製造業の配当総額は、九七年度の約一・三兆円から、〇七年度の約三・七兆円に急増しています。
新光総合研究所のまとめによると、〇八年度は製造業の経常利益が前年度よりも82・4%の減少となることが予想されています。しかし、年間の予想配当金総額は前年度より一割程度しか減っていません。
ソニーのように一万六千人ものリストラを計画し、赤字を予測しているのに、配当は増額する計画の大企業まであります。
株主への配当ばかりが増えていることでは、「貯蓄から投資へ」などといって、投機をあおった政府の責任も重大です。
政府は、〇三年五月十四日の証券市場活性化関係閣僚等による会合で、企業自らによる「配当性向の向上」を求め、同年の「骨太方針」で、その着実な実施を閣議決定しました。また、証券優遇税制で、配当にかかる税金を本則20%から10%に軽減しました。こうした政府の旗振りのもとで企業は配当ばかりを優先して増やす一方、賃金や下請け単価は抑え付けてきました。異常に増えた配当をもとに戻すだけでも、雇用を維持する資金は十分にできます。
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内部留保 企業が年々のもうけをため込んだもの。各年の利益から配当を引いた部分をため込む「利益剰余金」、資本取引などでのもうけをため込む「資本剰余金」、実際には支出していないのに隠し利益としてため込む各種引当金などが含まれます。
これらは、企業の財務諸表の中の貸借対照表の「純資産の部」「負債の部」で計算することができます。しかし、内部留保をどのような形の資産で持っているかはこれだけでは分かりません。
しかし、同じ貸借対照表の「資産の部」に示されている企業資産全体での内訳を見れば、設備や現金、金融資産の増減の傾向から、ため込みがどのような資産で増えているのか分かります。
(出所:日本共産党HP 2009年2月13日(金)「しんぶん赤旗」)
大企業がため込む内部留保とは?
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〈問い〉 「経営危機」だといいながら巨額の内部留保をため込む大企業があると聞きましたが、内部留保とはどんなものですか (岡山・一読者)
〈答え〉 内部留保とはひとことで言えば企業がさまざまな名目でため込んでいる利益のことです。日本の大企業は、商法や法人税法、租税特別措置法などで、さまざまな合法的なため込みの項目がみとめられ、欧米にくらべても異常に多いことが指摘されています。
代表的な項目としては▽企業の利益(税引前当期利益)から税金、配当金、役員報酬などを差し引いた部分をあてる「利益準備金」や、「任意積立金」などの剰余金▽株式の発行価額と額面金額との差益などをあてる「資本準備金」▽将来見込まれる費用や損失に備えるのがたてまえの「退職給与引当金」「修繕引当金」などの各種引当金・準備金―があります。
たとえば引当金や準備金は、運用実態とかけ離れた額の積み立てが認められ、かなりの部分がため込み資産となっていることが指摘されています。
これらの合計は欧米では考えられない膨大な額です。毎年調査している全国労働組合総連合(全労連)の「検証・大企業の内部留保」では、二〇〇〇年三月期決算時の主要四百二十七社の内部留保総額は、百二兆三千億円。大蔵省「法人企業統計年報」「季報」をもとにすると、金融・保険を除く資本金十億円以上の全企業の内部留保は、バブル崩壊後も増え続け、二〇〇〇年度は百七十三兆円でした。
これらの内部留保は、労働基準法違反のサービス残業をはじめ低賃金と長時間過密労働、下請けいじめによって生み出されたものです。内部留保のごく一部をふり向けるだけで、賃上げや労働時間の短縮、雇用創出など、労働条件をただし、向上させることができます。ため込み利益を温存しながら、不況や国際競争、「高賃金」などの口実でリストラや賃下げを強要するのは横暴勝手そのものです。
(博)
〔2002・3・13(水)〕
(出所:日本共産党HP 2002年3月13日(水)「しんぶん赤旗」)
判例で確立した「整理解雇4要件」とは?
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〈問い〉 会社の整理解雇が認められるには「整理解雇四要件」を満たさなければならないとされます。「四要件」とはどういうものなのですか。 (大阪・一読者)
〈答え〉 「整理解雇四要件」は、企業が経営上の理由で整理解雇をする場合、必要とされる条件で、最高裁を含む判例で確立されてきました。
第一は、企業の維持・存続ができないほどさしせまった必要があることです。判例は、「経営が苦しい」というだけでは足らず、「企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性を要する」「企業が客観的に高度の経営危機下にあることを要する」「企業の合理的運営上やむをえない必要性」がある等々、客観的な必要性がなければならないとしています。
第二は、解雇を回避するあらゆる努力がつくされたことです。配転・出向・希望退職の募集など雇用調整手段を講ずるといった努力をせず、いきなり整理解雇をするのは、解雇権の乱用として無効だという判例があります。また、労働者を子会社へ転籍させることは、労働組合が同意していても、本人の同意がいるとされています。
第三は、解雇対象となる労働者の選定基準、人選が合理的なことです。選定基準を明示しない整理解雇は、恣意(しい)的なものということになります。
第四は、以上の条件について労働者個人および労働組合に、事前に十分な説明をして了解を求め、解雇の規模、時期、方法などについて、労働者側の納得を得る努力がつくされていることです。
リストラを推進する財界の圧力とともに、労働裁判では「四要件」を崩す動きもあります。日本共産党は、「四要件」を法律として明文化する「解雇規制法」、横暴なリストラを抑える「リストラ規制法」の制定を主張し、参院選政策にも掲げています。
ヨーロッパ諸国では、解雇制限法など雇用上の権利を守る法律が整備されています。(沢)
(出所:日本共産党HP 2001年6月21日(木)「しんぶん赤旗」)
「ルールある雇用」の経済効果とは?
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〈問い〉派遣労働者を正規労働者にしたり、サービス残業をなくしたりするだけで内需拡大になると聞きましたが、どういうことですか。その効果は微々たるものと思えるのですが、違いますか?(東京・一読者)
〈答え〉「アメリカ発の金融危機」が“外需・輸出頼み”の日本経済を直撃し、景気が悪化しています。そのなかで、これまで、金融・住宅バブルにわくアメリカ市場に進出して大もうけをつづけてきたトヨタやキヤノンなどの大企業が、不況を口実にして「派遣切り」「非正規切り」をすすめています。
大企業の横暴を放置していては、日本経済は、雇用悪化と景気悪化という際限のない悪循環におちいることになります。
この状況を打開するためには、日本経済の体質を外需・輸出頼みから内需主導に抜本的に切りかえていくことが必要です。
非正規雇用の正社員化、サービス残業根絶、年休完全取得など雇用の安定と働くルールの厳守、つまり「ルールある雇用」を実現することは、日本経済を内需主導の方向に転換させていくうえで大きな役割を果たし、経済効果も抜群です。
そのことを具体的に明らかにしたのが昨年10月に発表された労働総研の試算です。この試算では、(1)ワーキングプアの解消のため非正規の正社員化363万人を実現する、(2)サービス残業を根絶すると118・8万人の雇用が生まれる、(3)完全週休2日制と年次有給休暇の完全取得を保障すると153・5万人の新たな雇用が必要になる――という三つのケースを明らかにし、それによってどのような経済効果が生まれるかを算出しています。
その結論は、労働者の賃金は21・3兆円増え、国内生産は24・3兆円増えるということです。その結果、日本のGDPは2・52%押し上げられます。日本の経済成長率は、景気拡大局面の時期で、04年度2・0%、05年度2・4%、06年度2・5%でしたから、それに匹敵する経済効果があることが明らかになりました。しかも、04~06年度のGDPを押し上げたのは大企業の設備投資が中心でしたが、今回は労働者の懐を直接あたためることになるので、大企業だけでなく、中小企業にも経済効果が波及することになります。
労働者の賃金支払いは21・3兆円増えることになりますが、大企業がため込んだ内部留保は、02年度の167兆円から07年度には228兆円に増えています。5年間で61兆円も積み増しているので、その3分の1をあてれば「ルールある雇用」を実現でき、経済効果も生まれます。(藤)
〔2009・1・29(木)〕
(出所:日本共産党HP 2009年1月29日(木)「しんぶん赤旗」)
グラフ2:東証上場企業の経常利益と配当金総額の推移(3月期決算、97年ー07年)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-02-13/2009021303_02_0.html
内部留保は「現金ではない」と何度いったらわかるのですか?
経営に影響しない?
だったら、共産党の内部留保をまず取り崩して、職員の待遇改善に役立ててください。
役員がもらいすぎというなら、共産党役員の給与をまず削減してください。
何度もいいますが、自分たちができない無理難題を人に押し付けないでください。
「家計と企業経営のお金の流れは違う」
ということを理解している人からは、まったく相手にされない考え方ですよ。
信用取引や手形決済、減価償却などの考え方を一度きちんと学んだらどうですか?
そうしたら、恥ずかしくてそんな論理言えませんよ。
こんなこという時点で何もわかっていない証拠。笑われるだけですよ。
引当金取り崩して、もし早期退職などに対する支払能力なしになったら、それこそ企業信用失いますよ。
何千億という赤字予想の今、またこの超不況はまだまだ続くと予想され、さらにオバマが保護主義にはしるかもしれないという状況では、足元の正社員雇用の維持をまず優先と考えるのは当たり前ではないですか?
まあ、経営のことを何もわかっていない人の意見しか聞かない人にこれ以上言っても無駄ですね。
だから、しんぶん赤旗や共産党支持者が、「内部留保うんぬん」を言っても、誰からも相手にされないでしょ。昨日の小泉さんのようにムラの中で「バカ騒ぎ」しているだけでしょう。
もし、共産党の理屈で騒ぎたいのならば・・・
トヨタやパナソニックやシャープなどの大手企業の「バランスシート」を個別に出して、現状で個別企業ごとにどれだけ払えるカネがあるのか。。。公表してみたら説得力あるのでは?
案外なかったりして・・・
共産党だって、顧問の公認会計士軍団とか抱えているから出来るでしょ。
どうせ「しんぶん赤旗」もつまらん記事しか書いていないんだから・・・紙面を埋めるのにも助かるでしょ。1日1企業づつ。。。
普段ならば共産党など全く相手にしない大企業も・・・共産党が鋭い批判すれば・・・
いえいえウチの企業はそんなカネありません、そんな事したら大変な事になると反論してくるでしょう(このご時世ですから)。
本当に困ってやむを得ず首切りしているのか?
単に便乗しているのか?
見えてくるでしょう。
>手企業の「バランスシート」を個別に出して、現状で個別企業ごとにどれだけ払えるカネがあるのか。。。公表してみたら説得力あるのでは?
多分それをやると、自分たちの主張の無茶さを自ら証明してしまうから、「とにかく騒ぐ」の印象戦術に終始しているのではありませんかね?
だって、本当に自分たちの主張に自信があるなら
「お金を具体的に提示して、内部留保を切りくず捨てもまったく問題ないことの証明」
をすれば、より説得力がありますからね。
最終ダメージを相手に与えられる武器をつかわないということは、実際にはその主張はただ騒いでいるだけのものでしかないということですよね。
それから、何度でも言いますが、政治の財政政策の観点から、個別企業の労働者の雇用を維持し、労働者の労働条件を守ることから言えば、大企業全体での内部留保は十分過ぎるほどあることが証明できているわけです。財政政策を手段にして雇用助成金などで大企業の内部留保を雇用維持に還元すればいいだけです。日本共産党を押し上げて日本共産党を中心とする政権を実現しませんか?国民主権の国で日本共産党が議会で現実的に活動しているのですから、日本共産党と連帯して政治運動、選挙運動を盛り上げれば可能なのですよ。
だから、説明責任は
「経営内容の公開」
ですでに果たしていませんか?
そこには、財務バランスや収支等がすべて網羅されていますし、上場企業の場合は、そこに瑕疵があれば役員の首が飛ぶどころの話じゃないんですよ。
おかしいというなら、その公開されている情報をきちんとした「科学的アプローチ」で説明したらどうですか?
ちなみに、その程度の説明は商業高校の生徒でもまじめに勉強していればできる内容ですからね。
それをしないのはなぜですか?
内部留保を取り崩せと言っているのはあなたなんですから、取り崩しても大丈夫ということを、公開されている情報からきちんと「科学的に」検証してみてはいかがですか?
>企業全体での内部留保は十分過ぎるほどあることが証明できているわけです。
だから、一度でいいから内部留保の金額という馬鹿の一つ覚えのことを言わないで
公開されている経営情報を元にした、あなたのお好きな「科学的な解釈」をしたらいかがですか?
内部留保が十分だと主張しているんですから、当然それを数字(ただの金額の代償じゃなくて、財務バランスや収支をみて)で説明できるはずですよ。
>日本共産党を押し上げて日本共産党を中心とする政権を実現しませんか?
あなたのような非科学的論理を感情でわめきたてる人が支持している政党など真っ平ごめんです。
中小企業の経営者(複式帳簿や信用取引をしている会社)が見抜けるレベルのごまかしをいまだに主張できる人間が推薦する政党など、逆に絶対に信じられません。
あなたの説明したことが本当に共産党の考え方だとしたら、どう考えても経済の基礎中の基礎すらわかっていない政党だと考えられますから。
あなたが書き込んでいることはすべて、私が共産党を信じられなくなることに拍車をかけているだけです。
私が共産党支持(入党まで考えた)をやめた理由のひとつが、あなたのような物事を広く客観的に見れない「信者」の存在でしたからね。
それって、アメリカのビッグ3が今青息吐息なことの理由ですよ。本業を忘れてマネーゲームにうつつを抜かした。
で、ひとつ簡単な反論です。
企業は資金調達の必要があります。
で、その資金は借金の場合もあれば、市場からの調達の場合もあるわけです。
まさか、そのような資金調達のための投機も止めろというんですか?
企業は必要な金はすべて借金でまかなえとでも?
物事の表面しか見ないで(もしくは見せないで)、自分たちの主張を正当化する。
これって、崩壊した他国共産党政権がやっていたこととまったく同じですよね。
その記事を見て、ますます共産党が信じられなくなりました。
東西南北さんは、また一人共産党の敵を作ったわけですね。