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NATO首脳会議-軍事同盟に未来はない-

2008-04-09 18:44:43 | 国際政治
主張
NATO首脳会議
軍事同盟に未来はない

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 ブカレストで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は三日、アフガニスタン問題での「戦略的ビジョン」を採択し、アフガンへの「長期的な関与」を確認しました。NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)が四万一千七百人の兵力を展開、米軍と一体で活動しているものの、アフガン情勢は悪化しており、問題の長期化が避けられないとの見通しを確認したものです。

 いっそうの軍事負担を求める米国と加盟諸国との矛盾は大きく、分担問題で暗礁に乗り上げる事態こそ回避したものの、首脳会議はNATOの直面する危機を浮き彫りにしました。

増派は限定的
 アフガンでは、ISAFによる掃討作戦にもかかわらず、国際テロ組織アルカイダを率いるビンラディンを捕らえることができないばかりか、治安状況が悪化しています。「兵力不足」を前にして、米国は各国に増派を要請してきました。

 しかし、派兵する各国とも国内に反対世論を抱え、重い軍事負担に悩まされています。情勢悪化が著しい南部地域を担当するカナダは、他国が増派しなければ撤退するとまで主張していました。フランスが首脳会議直前に一個大隊(七百人規模)の増派を表明したことから、カナダの要求は満たされた形となったものの、確認された増派は米英を中心にして、限られたものにとどまっています。アフガン情勢を抜本的に変えるための有効な戦略を打ち出せないなかで、各国は派兵の長期化と犠牲の拡大に直面しています。

 旧ソ連を仮想敵とした米国中心の軍事同盟は多くが解体され、NATOもその存在意義が根本から問い直されています。イラク戦争に際しては、NATOはフランスやドイツなど主要国が反対に回って分裂状態に陥り、二〇〇五年にシュレーダー独首相(当時)は、「NATOは戦略上の協議の場ではもはやない」と指摘しています。

 アフガン問題でも、派兵に消極的なNATO加盟国をゲーツ米国防長官が「第二列」と非難するなど、NATO内部に亀裂が広がっています。アフガン問題にはNATOの未来がかかっていると指摘され、ブッシュ米大統領も二日、アルカイダの打倒が「NATOの最優先課題」だと強調したにもかかわらず、ISAFへの増派が限定的となったことは、亀裂を改めて裏づけました。

 アフガン問題は軍事力で解決できないことが明白であり、それが軍事同盟であるNATOに矛盾を引き起こしているのです。

軍事では解決しない
 米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」が一月に出した報告は、「軍事的手段で(旧政権の)タリバンを一掃することはできない」と言明しています。そのうえで、民生分野での努力の必要を強調するとともに、中ロなどが加盟する「上海協力機構」やインド、イラン、パキスタンなどによる地域的共同と国連の役割が不可欠だと、平和的・外交的努力の必要を指摘しています。

 イギリスのデズ・ブラウン国防相も、ISAFの中心部隊としてタリバン掃討を進めているにもかかわらず、タリバンとの交渉が不可欠になっていることを認めています。

 首脳会議でクロアチアとアルバニアの加盟が承認され、「東方拡大」が進んだことから、NATOの存在感が強まったかのような論調が出ています。しかし、アフガン問題に表れたNATOの実情は、軍事同盟に未来のないことを示しています。

(出所:日本共産党HP 2008年4月9日(水)「しんぶん赤旗」)

NATO首脳会議
アフガン長期関与
ミサイル防衛で米欧連携

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 【パリ=山田芳進】ルーマニアの首都ブカレストで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議二日目となる三日、加盟国二十六カ国の大統領・首相らは、アフガニスタンへの長期にわたる関与や、ミサイル防衛導入に向けた動きを加速させることなどを決定しました。

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 デホープスヘッフェル事務総長は「平和と安定の構築のためにアフガニスタンを援助することは、国際社会全体にとっての最優先課題」などとのべました。

 これを受けて首脳会議は、NATOが指揮する国際治安支援部隊(ISAF)の戦略ビジョンを採択。「長期にわたる各国の強固で共有された関与」「アフガン国民自身のリーダーシップ強化への支援」「軍民両面にわたる国際社会の全面的支援」などをアフガン支援の原則として定め、二〇一〇年までに、アフガン軍を八万人規模に増強する目標を設定しました。

 NATOがISAFの指揮権を握るようになったのは〇三年八月。ISAFは〇一年十二月のタリバン政権崩壊後、国連の仲介で首都カブールとその周辺の安全の確保を支援する有志連合軍として発足しました。

 NATOが指揮権を握るのと前後したアフガン情勢の泥沼化のなかで、ISAFは活動範囲をアフガン全土に拡大。現在は米国の「対テロ報復戦争」と連携してタリバンの掃討作戦を展開しています。

 デホープスヘッフェル事務総長はまた、イランの核兵器開発疑惑や長距離弾道ミサイルなど、大量破壊兵器の拡散などの「脅威」を念頭に、「われわれは新たな、進化する挑戦を受けている」とし、将来の防衛装置としてミサイル防衛が果たす役割について検討していくことを表明しました。

 三日に採択されたブカレスト首脳会議宣言は、米国が主導してきたミサイル防衛システムを欧州に導入する可能性について研究すること、また適切な時期にロシアとも連携することに言及しました。

 米国は同日、チェコとの間で、ミサイル防衛のためのレーダー施設建設で合意したことを明らかにしました。米国はポーランドには迎撃ミサイルを配備する計画ですが、同国との間では依然、最終合意に至っていません。

(出所:日本共産党HP 2008年4月5日(土)「しんぶん赤旗」)

仏、軍事委完全復帰へ
アフガン増派は700人

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 【パリ=山田芳進】フランスのサルコジ大統領は三日、出席中の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での記者会見で、一九六六年以来離脱しているNATO軍事委員会への完全復帰を検討していると表明しました。またアフガン国内でNATO指揮下で展開中の国際治安支援部隊(ISAF)に追加派遣する仏軍部隊が、七百人であると明らかにしました。

 軍事委員会への完全復帰についてサルコジ氏は、仏独が共催を提案している来年のNATO創立六十周年の首脳会議で実現させる意向を示しました。ただ、復帰の条件として、欧州連合(EU)独自の防衛能力の向上を挙げ、「二つは同時進行で、どちらか一つではない」と強調しました。

 その上で、ブッシュ米大統領がNATOを補完するものとして欧州独自の防衛の必要性に言及したことを、「米国の外交政策の歴史的転換だ」と歓迎しました。欧州独自の防衛能力の向上について、これまで米・英は、NATOと競合する危険があるとして、積極的ではありませんでした。

 アフガン増派についてサルコジ氏は「アフガンの安定と復興の向上につながる」とし、撤退は「タリバンの復活とアルカイダの勝利を意味する」とこれまでの立場を正当化しました。

兵器開発で米予算超過

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 【ワシントン=西村央】米政府監査院(GAO)が三月三十一日発表した報告によると、米軍が計画している兵器システム開発のうち、二〇〇七年度では相当数のシステムで当初の予算計画を超過しました。その総額は二千九百五十億ドル(約三十兆円)、超過率は26%に上っています。

 これによると、国防総省が予定する新たな武器システムへの投資計画は、二〇〇〇年度の七千九百億ドルから二〇〇七年は一兆六千億ドルへとほぼ倍増しています。報告は、調達にあたっての計画性に改善がみられないと、指摘しています。

 二〇〇七年度でGAOが調査したのは、九十五の兵器システムのうち七十二です。このうち、63%でいったんシステムの開発が始まってから必要とされるものが変更され、費用もまた大きく増加していると指摘しています。

(出所:日本共産党HP 2008年4月5日(土)「しんぶん赤旗」)
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