プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 風呂本武敏編「アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために」

2024年05月22日 | ◇読んだ本の感想。
内容自体はちょっと難しいし、近年の記憶力の低下からして
ほとんど覚えていないのだが、読み始めてから「ほう、こういう本か」と
意外性があったのでおすすめしておきたい。

この1年くらい、5、6冊ケルト関係の本を読んでいたのよ。
で、その一環でこの本を読むことになった。図書館のリストから拾ったタイトル買い。

ケルトというキーワードで出てくるのは、だいたい歴史か美術か神話の話。
わたしが求めていたのもそうだったので、この本で大飢饉やアイルランド併合、
北アイルランド問題、近代の作家たち、アイルランドの映画、などなど、
書いてある範囲が広かったのが面白かった。

まあ求めているのは歴史や美術や神話なんだけど。
でもそれ系はすでに数冊読んだからね。目新しくて良かった。

文章もあっさりしていて頭良さそうで、なかなか好きだなと思いつつ読んでいた。
が、途中で気づいたんだけど、これはいろいろな人の小論文を集めたものなんですね!
2、3を除いて、文体がかなり揃っていたので気づかなかった。
これは編者がある程度揃えましたか?それとも小論文はだいたい一定の文体に
収まるものですか?

個別作家という章立てで後半の17章、それ以外で前半の13章。全部で30章。
けっこう近現代の文学のボリュームが多かったですかね。
ほとんどが聞いたことない人だった。「ガリバー旅行記」を読んだことがないので
読んでみようと思う。

アイルランドに興味がある人――というのはけっこうレアかもしれないが、
ケルト文化よりアイルランドに興味がある人が読んで吉。
そんなに興味がなくても、アイルランドの近現代文学・映画・舞台の概説をしてくれるので、
読んでみるとちょっと面白いと思います。なかなかの良書。


コメント
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