プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 井波律子「中国の五大小説 上下」

2017年02月27日 | ◇読んだ本の感想。
久々にこの人の著作を読んだ。十数年前に一通り読んだのでね。相変わらず面白い。

真面目な学者本なので読みがいもあるし、その中に自分の感想がちゃんと織り込まれているのも好きだ。
(学者本では)あまりないことなので、その肉声の部分が楽しめる。
この人の文章は好き。

ちなみに五大小説とは、「三国志」「西遊記」「水滸伝」「金瓶梅」「紅楼夢」。
「三国志」はいろんなバージョンで読んでいる気がするが、原文からの日本語訳というものはもしかしたら読んでないかもねー。
まあでもいいや、これは。
「西遊記」はわりと最近(ここ10年くらいという意味で)読んだ。2009年だったらしい。
「紅楼夢」はさらに前に読んだ。2005年から書き始めているこのブログに感想が載ってないので多分2005年以前に。
田辺聖子さんが「源氏物語」と引き比べていたので読んでみたはずだが、そんなに印象はなかった。
何が書いてあるか、要諦がつかめなかったような記憶がある。

「金瓶梅」と、もう一度「紅楼夢」読んでみようかなー。
「水滸伝」をどうしようか。整理されてない任侠物の世界についていけるかな。
まあ一生に一回くらい読んでもいいくらいの有名作ではあると思うけどね。

と、本作を読んで面白かったので、読者の心もこんな風に動く。
読む気にさせる。こういう解説本の場合、いい本の証拠。



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20年近く前かなあ、井波さんはNHKの教養講座に3ヶ月くらい?出てたことがあって、
真面目な優等生がそのまんま大人になったという外見だった。で、淡々と話を進めていくんだけど、
文章と同じように、やっぱりちゃんとユーモア漂う感想が織り込まれていて、その外見とのギャップが意外だった。

国際日本文化研究センターには一癖ありげな人が集まるイメージがある。近年では磯田道史。
井波さんはもう定年退職されたそうだが、近年も旺盛な著作活動を展開している。
遠くから応援をしたい。


コメント
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