お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ジュニアノーベル賞発表

2009-04-15 | from Silicon Valley
Source: download.intel.com

アメリカの若い科学者に贈られる最優秀賞ともいうべきジュニアノーベル賞(インテル社主催)が発表されました。

例年通りワシントンDCに40人の最終候補者が全米から集まって開催された最終選考会は、映画のアカデミー賞授与式を髣髴とさせるブラックタイのフォーマルレセプションです。

2009年の最優秀賞はオレゴン州ユージーンのSouth Eugene High Schoolを今年卒業する Eric Larson、17歳が受賞しました。Ericは17歳にしてすでに誰にも解けなかった難問ばかりに次々に挑戦しては成功してきている若い数学者で、将来、この分野で、まったくあたらしい定義を打ち立てるのではないかと期待されている数学界のホープです。その才能はつとに知られていて、いくつもの賞を受賞していますが、最近では2007年にベトナムのハノイで開催された世界数学オリンピックで銀メダルを獲得しています。

二位はバイオケミストリーの研究プロジェクトを評価されたミズーリ州チェスターフィールドのParkway Central High SchoolのWilliam Sunが、三位はウィスコンシン州プラットヴィルのPhilip Streichが受賞しました。Philipは学校に通わずにホーム・スクーリングで学んでいます。ともに17歳です。

上位入賞者3人はハーバード大学志望で(EricはMITを,WilliamはYaleをあわせて検討中)、それぞれに、数学、化学、物理学分野での研究を継続することを希望しています。

ジュニアノーベル賞入賞者には「奨学金」が授与されます。1位が10万ドル、2位が7万5千ドル、3位が5万ドルです。

上位入賞者だけでなく、40人のファイナリストには、インテル社から総額で1億円以上の奨学金が授与されます。すでにセミファイナリストに選ばれた段階で候補者全員に一人1000ドルずつの奨学金が、ファイナリストには一人5000ドルずつの奨学金が授与されています。また、40人のファイナリストたちは、全員インテルの招待で全米各地からワシントンDCの最終選考会に出席し、それぞれの奨学金のほかに、ペンティナムを搭載したデルの最新型モバイルPCを授与されたそうです。

「高校生にそんなに多額な賞金を?」と驚かれたのではないでしょうか。

しかし、実はアメリカの大学教育の費用は日本の常識を圧倒するくらい高いのです。授業料と生活費合わせた一年間の経費はおよそ5万ドル。4年間大学に行くとおよそ20万ドル、日本円で概算2000万円かかるのです。「家が一軒買える」金額といっても過言ではありません。

それだけに、ジュニアノーベル賞の最優秀賞の10万ドルの奨学金は、親にも子にも大変に心強いサポートです。

「インテル社の社会貢献の主眼は『教育』です」とはインテルの広報担当者の語っていることですが、実際、同社はジュニアノーベル賞のほかに、学校の先生方の教員研修費用にも多額のファンドを出資しており、また地域の行政が主催する科学振興のための社会教育活動をスポンサーしたり、マイクロソフト社と共同で海外に出資し、学校の先生のための先端技術教育/研修/実習事業を実施するなど、毎年、総額およそ100億円以上を教育事業に寄付し続けています。

インテルに限らず、アメリカのハイテク企業は、教育へのサポートこそが未来の科学者を育て、ひいては独創的なアントレプレナーを生み出す、との信念を共有しています。したがって、ベンチャー企業はひとたび成功するや、さっそく利益を還元し、積極的に教育事業をサポートして、後進を育てる社会的責任を担います。これらの企業は、「掛け声」をかけるだけでなく、実際に多額の資金を拠出しており、またいかにもベンチャーらしい先端技術にかかわる独創的な事業を企画して、生徒を、教師を鼓舞し、支援して、その責任を果たしています。


コメント (1)
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