If You Give A Mouse A Cookie
Laura Joffe Numeroff作の人気絵本"If You give a Mouse a Cookie"の登場人物は男の子とネズミです。
クッキーをもらったネズミが、それをきっかけに次々に繰り出す要求に、男の子が順にこたえてあげながらお話が展開します。ページをめくるたび、ネズミは新たに何かをしてもらい、同時に新しい要求を出し・・・そして男の子はそのネズミの要求を満たしてやります。
君がネズミにクッキーをあげると、きっと、ネズミは、次には「クッキーと一緒に飲むミルクがほしい」って言うにちがいないよ。そこで、君がネズミにミルクをあげると、次にはネズミはきっと・・・というふうに展開し、最後は、「・・・ミルクをもらうと、次にはネズミはきっと、そのミルクと一緒に食べるクッキーがほしいって言うよ。」というところで終わり、そうして、そう、お話の最初に戻る、というわけです。そして、また最初からぐるぐる回って"終わらない"お話になります。
テキストは男の子とネズミの会話ではなく、二人のやりとりを伝える短いナレーションの形式で書かれていますが、Felicia Bondの丹念なイラストが、次々と展開していく状況を十分に饒舌に"語って"います。
この絵本の人気のほどは、いかにこのタイトルの引用が多いかでわかります。たとえば映画"Air Force One"の中では、テロをよびさますきっかけについて交わされる会話の中で、このタイトルが引用されて使われています。
また、単なる引用だけでなく、この本に触発されて書かれたたくさんの"If You Give・・・"シリーズもあります。たとえば、ちょっと数えるだけでも"If You Give A Pig A Pancake", "If You Give A Moose A Muffin","If You Give A Cat A Cupcake"などが思い浮かびます。
その意味で、この絵本もアメリカ的教養の書と言えるかもしれませんね。いろいろな意味でお勧めですが、でも、そんなあれこれは知らないまま読んでも、お話として十分面白く、十分楽しめます。是非ご一読ください。