It looked like Spilt Milk
幼い子どもを連れて歩いていた頃は、しょっちゅう一緒に空を眺めていました。
カリフォルニアの冬は雨季。ハロウィーンをすぎ、時計を冬時間に合わせるころから雨の季節になり、強い風も吹いて文字どおり「冬の嵐」になることもしばしば。沈鬱なこの季節の思いがけない「贈り物」は雨上がりの空にかかる虹。空を眺める楽しみです。
空を見上げるもうひとつの楽しみは雲。季節によって、天候によって、さまざまに姿を変える雲は、いつまで眺めていても退屈しません。
「It looked like Spilt Milk」は、空と雲だけを描いたことばのない絵本です。青いというより碧い空に、まっ白い雲が、さまざまに浮かんでいるだけ。「こぼれたミルクみたい・・・」というタイトルは、そんな雲を見上げる子どものつぶやき。
一緒にページを繰りながら、あんなふうにも、こんなふうにも見えるよね、と自分たちの言葉でお話ししてもよし、黙ってただ一緒にページを繰るだけでもよし。
プリスクールの先生が、まだ英語を話さない(どころか、聞いてもわからない当時の)娘にくださった、はじめての英語の絵本が、これでした。