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国産杉が2×4材の住宅をなぜ作らないのか?

2007年11月28日 07時40分15秒 | 建築関連
国産杉が2×4材の住宅をなぜ作らないのか?と言うご質問ですが、構造的な欠陥があります。

当然、2×4材は、断面が決まっています。ヤング係数の低い杉材は、断面が小さいと横架材として使用できないのです。つまり、SPFは、ヤング係数が高いために同じ断面積でも荷重に対して抵抗できるのですが、国産杉材は、どうしてもたわみが大きくなってしまいます。

鉛直荷重を縦方向で受ける柱材には、何の問題もありません。

国産杉の2×4材で住宅を建てるとするならば、横架材は、スギの集成でヤング係数90が欲しいところです。

(建築基準法では、杉材はヤング係数90から70をさしています)しかし、現実は、ヤング係数50で計算しないと下がると思います。

次に価格の問題があります。北米の製材は、全て2×4材です。しかし、日本でこの規格を製材しようと考えるとどうしても割高になります。というか、北米が全て2×4材でしか製材しないとすると木割り、木取りでも研究し尽くしている感があります。ある意味合理的な考え方です。2×4材は、数種類しかないのですから。

この他に金物の問題があります。シンプソン金物が有名ですが、杉にはあまり、相性が良くありません。ビス中心の考え方は、比重が高いか中程度の木材(米松)が最適です。しかし、杉の比重が38と言うのは、低比重木材に分類され、ビスの利きが良くありません。したがって、シンプソン金物が使えないのです。

最大の欠点は、日本のJIS、JASの問題です。もともと、日本の大工さんを守るために2×4住宅には、厳しいハードルを作ってしまいました。その基準をクリアーするために懸命に海外の製材メーカーは、技術を上げて日本市場に乗り込みました。つまり、日本の法律が海外のメーカの質を向上させたのです。そのために日本のメーカーが同じ基準をクリアーするために不要な資金をださなければならないと言う結果を産んでしまったのです。

そのほかに2×4を扱っている業者の国産材への不信感があります。強度が弱そうに見える、節がある、精度がまばらなどです。

以上のことは、私の主観がかなり入っていますので、間違いがあるかもしれません。

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