右近の日々是好日。

障害者グループホームで働いています。

「目標」

2024-04-06 20:52:56 | 私の支援論
 日本社会で生きる人間は、目指す目標が見出せない状況のなかで、当面、自分の仕事や生活を成り立たせることが求められるという、苦しい状況にあります。どうすれば、良いのでしょうか。


 目標が見出せない、ということは、目標を設定して、目標を実現するために努力しても、自分が生きる状況を改善できる、という見通しを持つことが困難だ、ということでもあります。一方、目標を設定して、目標を実現するために努力をした方が良い、という論理は、社会に存在しています。


 A氏の『福祉の哲学 改訂版』(誠信書房、2008年)では、社会において目指す目標が見失われている状況に対して、人間の要望に応じる社会としての、福祉社会を生み出すことが大切だと論じられています。


 自分が目指す目標を持つこと、自分の要望を表現すること、は、関わりを持っています。自分の目標があることによって、自分はこうしたい、自分はこうしてほしい、という要望を表現することが可能になる場合が、あるからです。一方、自分の意欲が低下すると、目標を持つことや、要望を表現することが、困難になることがあります。相手の要望を聞き取り、他の人間の協力も得ながら、要望を実現していくための実践が、求められています。

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