「ああ玉杯に・・」歌碑
矢野勘治公徳碑。「ああ玉杯に花受けて 緑酒に月の影宿し 治安の夢に耽りたる 栄華の巷低く見て 向こうが丘にそそり立つ 五寮の健児意気高し」
三木露風、矢野勘治などの文献や遺品が展示されている霞城館。
霞城館の庭。
旧居を示す案内板。
*今年も終わりました。ボケ防止と閑に任せて投稿してきましたが、お訪ねいただいている方々有難うございました。どうぞよいお年をお迎えください。
三木露風の生家から歩いて数分の所に竜野公園があり、その入口には三木露風像や「赤とんぼ」歌碑が建てられている。また少し上った白鷺山には童謡の小径があったり、一日三回市内には赤とんぼのメロディーが流れるなど、露風と竜野の縁の深さを感じ取れる。晩年には露風は東京・三鷹で過ごしているが、そちらには旧宅や墓所もあり竜野市と三鷹市姉妹都市にもなっているのだそうだ。
露風像と「赤とんぼ」歌碑
三木露風像。
赤とんぼ歌碑。
作曲は山田耕作であるが、二人で作詞作曲の童謡は三十曲ほどある。しかし、その題名をみてメロディーを口ずさむことが出来るのは「赤とんぼ」だけであった。浅学を恥じ入る。
「赤とんぼ」歌碑五線譜は山田耕作の絶筆だそうだ。
竜野が「童謡の里」と云われている由縁は誰もが知っている「赤とんぼ」の作詞家三木露風のふる里であるからである。その生家が龍野城の埋門の坂を下りた所にあり、無料で見学することが出来る。「赤とんぼ」が作詞されたのは大正10年であり、山田耕作により作曲されている。竜野を離れて上京してから故里を懐かしんで作られたものである。
三木露風の生家
木造平屋建てで明治初めから中頃に建てられたもののようだ。明治22年生まれの露風は本名を操と名付けられている。
外観は思ったより小さい家であるが、お城の真下にあり幕藩時代は政治の中心地であったようだ。
玄関を上がると両側に4つの和室がある。
仏間から座敷の様子。
庭。
向井にある幼稚園に入園したが、6歳の時両親は離婚し露風は転宅している。
湖東三山の三つ目のお寺は百済寺である。金剛輪寺からは7㎞程あるようでシャトルバスで向かった。お寺の門前に着いた頃には、つるべ落としの晩秋の陽は冷たさも持ち込んできたが、何とか散策には間に合って今日の目的は達せられそうである。
百済寺の紅葉
境内に入って“オヤッ?”と思ったのは、“紅葉が無い・・”この写真はお寺のパンフレットにも飾られている紅葉ポイントの筈だが・・見事な二つの寺とは明らかに違うようだ。気候の所為か種類の違いか、不思議な気持ちで歩を進めた。
仁王門から入っても紅葉の気配がない。
大きな草鞋と仁王像も心なしか寂しい。
本堂。創建されたのが推古天皇14年(606)で三山の中でも一番古い。
「天下遠望の名園」があるようでそこの、紅葉を期待しよう。
金剛輪寺の境内は鈴鹿山系の北西側の山麓に広がっているが、東海道新幹線の米原駅もそれ程は離れていない。冬になると雪の為の新幹線が遅れることもあるが、少しだけ南西に位置しているためにそれ程雪の影響を受ける地ではないようだ。今頃は紅葉も落葉に変わってしまったと思うが・・
境内の建物
三重塔。南北朝時代の建立と考えられているが、その後、破損が進み現在の姿は昭和の大修理によるものである。
三重塔と紅葉。
茶室。
護摩堂。
地蔵堂。
境内の山麓には千体地蔵が祀られ、紅色の風車と前掛けが周囲の景色の中で映えている。
この数日の寒波で紅葉のシーズンも終わりに近く、新聞の紅葉便りを見ても落葉の印が目立ち始めてきた。とは云っても、折角のネタ探しで歩いた湖東三山でもあり、今しばらくお付き合い下さい。この金剛輪寺も歴史は古く、聖武天皇の祈祷寺として行基菩薩が天平13年(741)に開山された古い由緒あるお寺で「湖東三山真ん中のお寺」として親しまれている。二人の爺さん、バスより早く着いて気分よく境内巡りを楽しんだ。
金剛輪寺の本堂と紅葉
境内の参道を上ると二天門がある。室町時代のもので重文に指定されている。
大きな草鞋が迎えてくれている。七難即滅を願うものだそうだ。
本堂(国宝)。現在の本堂は弘安11年に再興され、信長の焼き打ちからも難を逃れたもの。昭和になって大修理が行われている。
本堂横手から裏側にかけての紅葉は見事で特に血染めのもみじと呼ばれている。
裏側の斜面から見た紅葉。
紅と黄と紫のコントラストが素晴らしくお気に入りの一枚。
西明寺が建立されたのは平安時代(834)であるが、本堂は鎌倉時代の初期、三重塔は後期に建立されている。信長の比叡山焼き打ちの直後に当寺も焼き打ちにあったが、本堂・三重塔・二天門は火難を逃れている。江戸時代になって本格的に復興され現在に至り、いずれもが国宝に指定されている。
西明寺の本堂・三重塔
本堂。純和様建築で釘は使用されていない。
桧皮葺きで格子模様など鎌倉の様式が保存されている。
本堂の裏側の紅葉。
三重塔。塔の高さは23.7mで総桧の建物である。
内部には入れないが、堂内一面に大日如来の脇侍仏32菩薩などが極採色で画かれていて、鎌倉時代の壁画として国内唯一のものらしい。
鐘楼。