福沢諭吉さんは「学問ノスゝメ」を著しておりますが、今日は前代未聞の「拷問ノススメ」についての話、著者はあのドナルド・トランプさんです。
昨1月27日の朝日新聞はトランプさんが拷問をおおっぴらに推奨しているというニュース、この重大ニュースを、またしても外信面で小さく小さく報じておりました。短い記事ですので、以下に全文を記しておきます。
《水責めで拷問「効果的」/ トランプ氏、復活を示唆》
「トランプ大統領は25日の米ABCテレビのインタビューで、禁止されている水責めなどの拷問がテロ容疑者への尋問に効果的であるとして、復活させる可能性を示唆した。
トランプ氏は水責めについて「絶対に機能すると思う」と言及。ポンぺオCIA長官やマティス国防長官らに意見を求めるとし、「もし彼らがやりたいのなら、できるようにしたい」と話した。
トランプ氏は情報機関の幹部から、拷問に効果があると聞いたと説明。過激派組織「イスラム国」(IS)がキリスト教徒を斬首していることを挙げ、「中世以来、聞いたことがないことをしている時、火には火で対抗しなければならない」と述べた。
オバマ前政権では、水責めなどの過酷な尋問を禁止していた」
トランプ大統領は就任以来わずか一週間のあいだに、みなさんもご存知のとおり、メキシコ国境の壁の建設、オバマ・ケアの廃止、TPPからの離脱、中東・北アフリカ諸国の出身者および難民の受け入れ禁止、カナダからメキシコ湾への原油パイプラインの建設など、まるでとりつかれたように次々に大統領令を発しています。
これらの大統領令のなかには人権上問題があるのではないかと思われるものがないわけではありませんが、明確に違法と断言できるものは今のところないようです。
しかしながら、上記の記事に見られるトランプ氏の発言は大問題です。拷問を合法としている国は、現在では独裁国家以外には存在しないでありませう。米国の場合は、「連邦拷問禁止法」が存在しており、拷問は刑事犯罪であると規定されています。また米国は国連の「拷問禁止条約」に加盟しており、1994年に批准しています。(日本の場合は憲法第36条において、公務員による拷問ならびに残虐な刑罰は絶対に禁止するとされています)
一国の首脳が最も極端な人権侵害ともいえる「拷問」という違法行為を犯すことを公然と許すとは、そのことを堂々と口にするとは、狂気の沙汰です。トランプ氏は完全に常軌を逸しています。政治家としてまったく失格です。トランプ氏は拷問を教唆・扇動した罪によりただちに訴追されるべきであると言わざるを得ません
ただし、ポンペオCIA長官は就任前に水責めは違法ではないと発言していましたが、公聴会では拷問をやるつもりはないと述べているとされています。
と、ここまで書いてきまして、GGIは2009年ごろ、アフガン・イラク戦争における米軍によるの拷問などをテーマにした米国産のドキュメンタリー映画の上映会を無料で行ったことがあるのを思い出しました。インチキな上映会ではありません。ちゃんと上映の許可を得て行ったものです
上映作品は2008年度アカデミー長編ドキュメンタリー賞、2007年度トライベッカ映画祭ベスト・ドキュメンタリー賞に輝く、米国人監督による正真正銘の優秀作品であります
題名は《タクシー・トゥ・ザ・ダークサイド》(TAXI TO THE DARK SIDE)。アフガンでタクシーの運転手が捕まり米兵などから拷問され死亡した事件を題材に、米軍・CIAによる拷問の実態を追った作品です。
「テロとの戦い」の闇に切り込むドキュメンタリー、日本の劇場では未公開の作品です。NHKやわが湖国のBBCは放映してないものの、英国のBBCはすでに放映しているとされていました(NHKは他の番組の中で、この作品の一部を放映していました)
この作品、ありていに申しあげれば、米国政府お墨付きによる米軍・CIAによる組織的拷問・虐待の記録と関係者の証言を映画化したものです。
この上映会、参加してくださった方々の大半は中高年の市民でありましたが、参加者のなかにアメリカ人の女性がおられ、この方は映画の感想などを問うアンケートに「このような映画、もっと若い人み観てもらわなくてはダメですよ」とを書いておりました。ご説ごもっともであります。
この映画のことをもっと知りたいを思われる方は以下のサイトなどをごらんくださいませ。ユーチューブでも見ることができます
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%80%8C%E9%97%87%E3%80%8D%E3%81%B8
http://www.imdb.com/title/tt0854678/
今日の写真は上記の新聞記事を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ。
グッドナイト・グッドラック!