U設計室 web diary

建築つれづれ日記

「大江戸打ち水大作戦」

2003-08-26 | Essay
事務所ではJ-WAVEのラジオを聞いています。
先週の放送の中で
「大江戸打ち水大作戦」なるものの情報を知らせていました。
8月25日(月)正午12時~1時の間に
道路等にみんなで一斉に打ち水をしようという呼びかけです。
仮に100万人の人が一斉に打ち水をすると
計算上では気温が2度下がるのだそうです。
使う水はエコという意味で
フロの残り湯や雨水を使うのがなおよろしい、とのことでした。
というわけで昨日のお昼
うちの事務所でも前の道路に打ち水をしました。
バケツにたまっていた雨水をしっかり再利用しました。

ちなみに、ある地点で国土交通省が測定したところ
1度気温の低下があったそうです。
NHKニュースでもやっていたけれど
参加者は随分と少なかった模様です。
事前のアピール不足でしたね。
でも確かに、打ち水すると
ヒートアイランド現象の軽減にもなるんだろうなあ。
いい風習なのに、こういう光景も見なくなりました。
「水まき」でなく、「打ち水」というのも
なんか職人の技っぽくていい呼び方ですね。

銀行のこと(2)

2003-08-23 | Works
8月22日(金)のDIARYで
土地と建物の両方に銀行の融資を受ける場合、
銀行から工務店との間で交わす「請負契約書」を
早々に出すように言われるということを書きましたが
皆さんからいろいろ教えて戴いて
別の方法が判ってきました。
銀行としては
建物の担保としての価値が知りたいということなので
平面図と設計事務所の作成した内訳書(工事金額の内訳)を
銀行に出せばいいということです。
工務店に関係なく、
設計事務所だけでつくれる資料なので安心しました。
支店では判らない人も多いけれど、
本店に問い合わせればほとんどの場合それで大丈夫ということです。
この話を聞いてちょっとホッとしました。
次回からはこの手でいきましょう!

銀行のこと

2003-08-22 | Works
最近、銀行から融資をうけて
土地を買って、
そして家を造るという建て主さんが増えています。
その時によく言われることは
「銀行から施工の請負契約書を出してほしいと言われた」ということです。
銀行によっては、そんな事を言わないところもあるようですが、
まだまだそういう銀行が多いようです。

ハウスメーカーの住宅ならば
土地を買って2.3ヶ月で建物の請負契約が結べるのでしょうが
設計事務所に設計を依頼して家を造るとなると、
設計だけで6ヶ月くらいはかかってしまい
それから工務店に見積もりをしてもらい、
値段を調整してようやく工務店と施工請負契約を結ぶという
時間のかかるスケジュールになってしまいます。
設計事務所に依頼した場合の家のつくりかたが、
銀行のマニュアルには載っていないのですね。
設計事務所に家の設計を頼む人が増えてきたとはいえ、
まだまだ絶対数ではハウスメーカーの比ではないでしょうし、
建築士会や建築家協会といった職能団体も
銀行に圧力をかけられるほどの存在ではないし、全く困ったものです。
設計事務所との契約書でもいいと思うのだけれど、現状では駄目ということです。
というわけで、よく使っている工務店に訳を話して
請負契約書をつくってもらってその場をしのいでいます。

もし、銀行関係の方がこの文章を読んでいらっしゃったら
是非いろいろ教えてください。
「スローライフの時代」の筈なんだけどなあ。

「ちょっと嬉しい気分」

2003-08-20 | Works
つい先日、三年くらい前に竣工した建て主さんから連絡がありました。
テレビのコンセントをもう一つ追加したいので
相談にのってもらえないでしょうか、という電話でした。
そのお宅は、家具の中にテレビを嵌め込むようにしていたのですが
今やテレビはワイドテレビの時代、
大きな画面にしたいとなるとその家具の中には入りきらないので、
こういった事態になったのでした。
テレビスペースを余裕をみて少し大きく造っておいたのですが、
あまり造りすぎてしまうのも考え物ということですね。

そして翌日、電気屋さんにまずは見てもらおうと
お伺いする都合を聞こうと建て主さん宅に連絡すると
電話に出られた奥さんはその件は初耳らしく、
「あー、そうなんですか。それはそうと、
落合さんにお会いしたらいつもお話ししようと思っていたことがあって・・」
などとおっしゃるので、
何か問題があるのかとちょっと身が固くなりました。
ところが、
「冬は暖かいし、夏も風通しがよくて涼しいし、
ほんとうに気持ちのよい、
住みやすい家を設計して戴いてほんとうにありがとうございました。」と
しみじみとお礼を言われてしまいました。
普段あまりお世辞も言わない、とっても実直な奥様から言われたので
余計にとっても嬉しい気分になりました。
何年もたってからこうしてお礼を言って戴けるのって、
設計者としてもとっても嬉しいものです。
その日は一日なんだかウキウキした気分でした。

「Talk to her」

2003-08-18 | Cinema・TV
映画「トーク・トゥ・ハー」を観ました。
家づくりの会の映画通、田代さんが
「今年のベスト1」と言うし、
映画評論家のおすぎが
「映画を観て100年分の涙を流したのは初めてです」
なんていうので、期待に胸をふくらませて観てきました。
周りの女の人達は、ラストで結構泣いていましたが
100年分は泣いていなかったなあ。
でもとっても、不思議な映画ではあります。
二つの物語が同時並行的に語られていき、混じり合いラストへ。
そして物語はまだ続いていくという構成なんですが
(なんだか判らないですねこれじゃ)
主人公の一人「ベニグノ」が観る
劇中劇の無声映画「縮みゆく人生」が迷宮性をいや増して
そして思いがけない結末へと導かれていくのです。
「いい映画はそれについて誰かと話したくなるものだ」
と誰かが言っていたけれど、
そういう意味でも確かにいい映画でした。
でも不思議な映画だなあ。

「不思議な人」

2003-08-05 | Essay
昨晩は8時から外で打ち合わせがあって
そのまま事務所には寄らずに家に帰りました。
その帰りの電車の中の出来事です。
無事に?座れて本を読んでいました。
隣には20歳代の女性がヘッドホンをつけて音楽を聴いています。
面白い本だったので、集中して読んでいました。
電車に乗って10分位して突然、
本を読んでいる僕の顔をのぞき込むように
「それでは・・・」とその女性に言われました。
「???」と絶句する僕を尻目に
「おやすみなさい」といって電車をおりていきました。
突然「それでは」といわれてもねえ。
誰だっけなあとしばらく考えましたが
思い浮かぶ人はいません。
でも突然「それでは・・・」って話しかけられるのって
結構どきどきするものですよね。
「それでは」の前の会話が全くないのに・・・
あーびっくりした!

「深夜のテレビ」

2003-08-05 | Cinema・TV
先週はとても忙しくて、家に帰るのがかなり遅くなってしまいました。
風呂に入って、ビールを飲んでもすぐには眠れないのでテレビをつけると
NHKで「子供ーその無限のいのちー」確かそんなタイトルの番組をやっていました。
1年以上の取材を重ねたドキュメンタリー番組の再放送です。
例えば、膝から下を事故で亡くしてしまった片足の少年が野球を始め、
ピッチャー兼キャプテンになってみんなからも信頼される存在になったのに
肉体的な限界から野球を諦めることになる。
それでも次の目標としてパラリンピックのスキーヤーを目指す話とか、
いろいろな感動的な話が毎夜放送されていました。
結局毎晩、深夜のその番組を見ていました。

中でもとっても感動したのは、自閉症児と健常児が一緒に勉強する高校の話です。
自閉症児と健常児が3年間ペアを組んで学園生活を過ごしていくのですが、
健常児の方も実はいろいろ問題を抱えた子供たちなのでした。
その女子生徒も小学校の時のいじめが原因で、
小五から高一まで、一言もしゃべらない(しゃべれない)生活を送っています。
本人もそれではいけないと思っているのに、
心の傷があまりに深くて、体がしゃべることを拒否しているのです。

それが自閉症の子を世話することで、
人を疑わないその無垢のたましいに触れることで
自身も逆にケアされて変わっていくのです。
そして、高二の時の学校のスピーチ大会では
全校生の前で立派にスピーチすることが出来るようになるんです。
そのスピーチの中で
「友達とさえ、話せない私がいます。そんな私が嫌いです・・・」
自分が嫌いなんて、ちょっとせつないなあ。
でも、変わりたくても心の傷が深すぎて体がいうことをきいてくれないなんて、悲しい。
でもそれから随分たったある日、
級友と談笑できるようになった彼女の姿が画面に映し出されていました。
彼女は立派に、自分の行きたい方向に、心の傷を乗り越えて変わっていったんです。

かなり、感動してしまったなあ・・・