A Day In Happiness

観劇や好きなこと、日々のことを呟いています。

講座 ①

2012-04-29 | 役者さん雑記

篠井さんの「泉鏡花を読む~篠井英介 千夜一夜」講座に行きました。タイトルが泉鏡花の物語を朗読、解説するということでしたが、篠井さん、前置きで「泉鏡花の文学についてはよくわからないので、そういう講座は期待しないでください」と仰り、約2時間、舞台「天守物語」の裏話や演劇、お芝居について語ってくださいました(質問コーナーを含めて)

覚えているところを箇条書きに(話した順番はあちこち前後、変化していると思います)

● 西洋とアジアの舞台芸術について

西洋はリアリズムで舞台では時間の流れが同じですが、アジア、日本は緩くて、自由で、創造的、時空を飛んでいる。

日本人が外国人になって演劇をするのは普通考えたらおかしいけれど、それは観客の想像力で観ることができるんです。

● 天守物語について

去年「天守物語」という舞台をやりましたが、賛否両論だったんです、冒頭とラストのシーンや舞台セットも・・色々批判のお手紙を頂きまして、天守の守護神の獅子頭よりも現世の図書之助の方が舞台がせり上がっている場面があるのはおかしいと・・・他にも色々書かれていたそうで・・そういうなものは忘れてしまうんですけどね。

<稽古場のお話、稽古場風景のスライドを見ながら>

若いキャストは和物が初めての人ばかりだったので、何もわからず、着物の着方から、道具の使い方、所作まで一つ一つ指導して大変でした、平岡くんが夢にまで出てきたり・・・平岡くんに痩せましたね、と言われ体重計ったら4キロやせてました。富姫の役づくりもあるのに・・・とにかくご苦労されたようです。

平岡くんは素直で、観客にかっこよく見せない、彼の図書之助は透明感が出ていてよかった。よくやって立派でしたと。でも最初は着物を着てぴょこぴょこ歩いていたので、「〇始人みたいだった」とさり気なく仰っていて(苦笑)

冒頭のシーンは演出家の白井さんに「和装でやりませんか」(次の出番の着替えが楽だから)と提案したけれど、洋装になってしまったそうです。(まだ着物の方が・・)

白井さんは原作のト書きも全てやりたいとご希望だったので、富姫が煙管を持つシーンで、女郎ではないのでずっと持つことはないんですよ、最後に「カンカン」と灰を落とす音を表現するのに・・・・苦労しました。

やはり若い人(役者)は古典をやったほうがいいです(所作や台詞の言い方を覚えるために)私も習いたい・・

天守の中で酒盛りしているシーンは(メンバー)はアダムスファミリー^^

でも泉鏡花の文学は変わっています、不思議、天守物語もエンターティメントです。

玉三郎さんの演じられた富姫は見ていません。

客席に背を向けて、後ろ向きで(演技する)のシーンもあえて作りました。

<台詞について>

劇中の台詞を言うのは恥ずかしいんですが、と仰りつつ舞台の富姫の台詞を再現してくださいました。

台詞に書いてあるの「、」や「。」は無視をして、観客に伝わりやすいように、自分なりに区切って台詞を言う。若い人にもわかりやすいように肝心な台詞を強く言う。

富姫は女性ですが、あえて男性的に(強く)言うようにした場面も(図書之助に言い諭す場面で、鷹の台詞)、これは近くで聞くと凄いエネルギーと迫力でした。また時に流れるように、歌うように 起伏ある台詞の言い回しもしました。(風、雲、のところの台詞だったか)

富姫はエネルギーと神秘性があり、でもこの世のものではないから妖怪のようなところあるんですよね。台詞がないところは風情を出しました。でも風情だけではなく、ハートの中身・・(ここらへんもあやふや)

江波さんや小林さんの愚痴は、篠井さんは聞き役担当。

関係ないけれど、舞台の裏話を(立ちながら)している最中、デスク椅子の背もたれを持ってゴロゴロと前後する英介さんが可愛らしかった。

なんとなーくですが、第1回はこんな感じのお話でした。女方の演劇についてもっと語っていたのに思い出せない、三輪さんから言われたこととか。

 篠井さんは演者であっても、いつもクールな思考で、観客の目線で演じてられたいるんだなと。「欲望の・・」舞台は色んな人が演じていますが、どんな俳優が演じたら面白いんだろう、そういうことを考えるのがとても楽しいんです・・と笑顔で仰っていて、本当に演劇を愛しているんだなということが伝わりました。鈴勝さんとのトークチラシに載っているサド侯爵夫人、欲望という名の・・サロメ、女形についてもちょこっとお話されてましたが、以前、樋口可南子さんが「欲望の」をやられたのを観に行ったら、登場の時のオーラが凄かった。でもしばらく見てたら自分の方がやはり凄いと思ったと率直なお話も・・・

「日本橋」はともかく、「夜叉が池」については全然わかりませんので「次回は質問に答えるような(参加型?)感じでやろうと思ってます、演劇やミュージカル、芝居についてなんでもよいので質問を考えてきてくださいね」と仰ってました。早くも宿題が・・・

たまたま先日、新聞でこの講座のことを知ったのですが、まだ席に余裕がありそうでした。もう少し大きな会場でやるのかと思っていたんですが、席が近くて、所作の先生に、「背筋伸ばして・・」と言われないかと・・・良い緊張感をもちながら、楽しく、貴重なお話を聞くことができました。ここ数年篠井さんの舞台を拝見しただけの私なんかが参加していいのだろうかという感じもしましたが・・・次回も楽しみにしています。

ここのカルチャーセンターのチラシには単発講座で4月に「市村正親さんが演劇について語る」や3月には「泉見洋平と歌おう」という講座もありました。これは知らなかったです。この写真可愛すぎる・・本当に・・(以下自粛)

    

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown ()
2012-04-30 00:31:07
おお~大作レポありがとうございます!内容拝読して益々羨ましくなりました。私も篠井先生に教えてもらいたい…最初の挨拶の言葉と樋口ブランチへの言葉はぶちゃけ過ぎだと思いますが(^^;)

そっか~天守は批判の声も多かったんですね。まあ保守的な考えたとか色々ありますもんね。
ただ、英介さんは独りよがりという意味ではなくあまり外野の声は気にされないかたみたいなので、これからも色々試験的な舞台を作って下さることを楽しみにしてます。「サロメ」もまた観たいなあ。

ところで次回の質問は「最近のミュージカルについてどう思われますか?やってみたい役はありますか?」とかどうですか?私はダンヴァース夫人が観たいです(笑)。
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Unknown (うた)
2012-04-30 20:33:53
篠さん

ここに書いたレポはほんの一部分ですが、内容が少しでもお伝えできたらよかったです。
篠井先生、率直な発言や時々吐かれる毒もあまり嫌味がないので、本音が聞けてとても気持ちがいいといいますか・・^^;

天守の感想は半々だったみたいです、文学に精通した方や歌舞伎を観ている人にとっては斬新?な演出だったんでしょうね。私はそこまで細かいところはわからなかったんですが・・・
あまり気にされない方なんですね。
サロメは私は上の席で(舞台から遠い)観たので、もう一度近くで拝見したかったですし、サドも欲望も観たかったです。

質問は勇気がいりますね。
ダンヴァース夫人いいですねーストプレだったら可能ですね。これから色々な役に挑戦していただきたいです。

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