音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

レッド・ツェッペリンⅠ (レッド・ツェッペリン/1969年)

2010-07-15 | ロック (イギリス)


大物アーティストの中で、レッド・ツェッペリンほど、ファンに取って最も好きなアルバムがそれぞれ違うというバンドも少ないであろう。例えば、パープルなら、「ライヴインジャパン」が多いだろうし、ビートルズも割れると思うが、それでも、「アビーロード」、「サージェント・ペパーズ」、「ホワイト・アルバム」に人気が集まると思う。やはりアーティストには、それぞれ代表する1枚というのがあり、例えば、「ロックの名盤」みたいな紹介本には必ず選定される作品があり、クリムゾンで言えば「クリムゾン・キングの宮殿」、イエスで言えば「危機」、フロイドで言えば「狂気」であるが、このツェッペリンは大体割れている。

全部そういう書籍等を調べた訳ではないが、ベスト3となると、、そしてファーストアルバムになるのだと思う。かくいう私はではどのアルバムなのかと言うと正直1枚には選定できない。但し、好き嫌いを除いて、ツェッペリンを象徴しているアルバムをあげろと言われれば、この「レッド・ツェッペリンⅠ」だと思う。そしてそれには幾つかの要素がある。まず、このバンドはイギリスの伝説のバンド、ヤード・パーズを引き継いでいるということである。まず、ヤード・パーズは、クラプトン、ペックとこのツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジが在籍していたことが大きい。ヤード・バーズは、R&Bを基本に、ロックン・ロールやフォーク、クラシックまでをも融合させた当時としてはかなり斬新な音づくりをしていたために活動中は寧ろ、通好みのバンドとしての評価であったが、この3人のギタリストが在籍していたことから、後々の評価が高く、この3大ギタリストという括りは、テクニックや個性、ギター・プレイということよりも、このバンドに所属していたことでそう呼ばれているのが正しいと思う。そして、このファーストアルバムはヤード・バーズの延長上にあることが明確なサウンドである。但し、大きな違いというのは、ロバート・プラントという、当時としては類稀なパワフル・ロックヴォーカリスト、更に新しいロックドラミングを創出したジョン・ボーナムと、これまたR&Bの領域ではかなり冒険の多いベースランニングを提案したジョン・ポール・ジョーンズと、この3人の参加は大きく、ファーストアルバムでは、正直、ギタリストとしてのジミー・ペイジの存在は薄いと思う。但し、コンポーサーとしてのペイジ=プラントコンビは可なり高い音楽性であり、ペイジはプロデュース能力が高いという印象である。個人的に好きな曲は「グッド・タイムス・バッド・タイムス」と「コミュニケーション・ブレイクダウン」であり、R&Bを基調としたハードロックサウンドという部分では、クリームやジミ・ヘンとの大きな差異を創出している。クリームらが提唱したのは、ハードに演奏されたブルースであったのだが、顕かにツェッペリンは、ハードロックであった。この違いは大きく、それがこのバンドを新しい音楽として認知する要因となり、後々の大きな成功に繋がっていくのである。「幻惑されて」等は、後々の「永遠の詩」等のアルバム(海賊盤演奏を含む)でのライヴ演奏に定評があり、逆にのこのアルバムでは今ひとつ物足りなさを感じてしまうが、それらも含めて新しい要素を盛り込んでいたのである。そして、イギリスのバンドには珍しく、アメリカで先行デビューし、1年以上もアルバムチャートに君臨したという実績を引っ提げて本国へ凱旋したために、その逆輸入された、「イギリス的なハードな音」が、彼らをスターダムにのし上げたのであろう。

ツェッペリンはセカンドアルバムでまた大きく飛躍する。よく考えれば、クラプトンにしても、ペックにしても、「この1枚」と言われると、それぞれ所属していたバンドでのベストはあるにしても、どのアルバムが一番良いかは可なり意見の割れるところであり、そのへんのところも併せて、今後も記事を書いていきたい。


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1 コメント

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goodtimes badtimes (Jenny)
2010-08-07 18:46:52
むかし、turtooneが、
これは景気変動の曲だって言ってましたよねw
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