つれづれ蒔々

ごく稀に長文を流し込む為の場所。

ウィズアニSS・アリフアフター第六回

2010-02-27 13:23:48 | SS
      *その5:飛ぶ


「どういう事だ?」

 異物? 世界の防疫機構?
 この説明頭巾は一体何を言っている?

「まあ客観的に理解出来る話ではないから、
 そう簡単に呑み込める話でも無いだろうが」

「そうじゃよ。訳の分からぬ話で混乱するばかりじゃ。
 今はそんな事をしている場合ではないというのに!」

 アリスの大声が思考の渦に落ちかけた俺の意識を呼び戻す。

「事件は外で起きているのじゃ!」

 指し示すのは窓の外。

「あのペガ牛をすぐに何とかせねば!
 “ちきゅうがちきゅうが大ぴんち”なのじゃ!」

「おお、ふぁいやーまん。●谷の黒歴史」

「にゅるるー! 黒歴史ではないのじゃ!
 うっかり作中で説明していない裏設定が多いだけなのじゃ!
 キングザウラに負けたのはペンダントが無かったからなのじゃー!」

 すまん。力説は結構なんだが俺にも分かる話にして欲しい。

「ともかく行くぞ弟よ! この街を救うのじゃ!」

 アリスが俺の腕を取る‥‥って!

「なんでそっちに!?」

 進んでいるのは窓の方向に思えるんですが!

「いざ! 正義のヒロイン、アリス推参なのじゃー!」

 叫んで、アリスは窓の外へ!

「な、な───っ!?」

 抵抗しようとしたが、物凄い力で引っ張られた。
 あの小さな身体で一体どうやって‥‥。

「ふおーっっっ!! あいきゃんふらーい!」

 叫びが街の空に響き渡る。
 気が付けば俺は空を飛んでいた───逆さまの状態で。

「ぎゃーっっっ! おい、ちょ‥‥うああああっ!!」

 そして迫り来る牛、牛牛牛の群れ!

「にゅにゅー!」

 しかしそれらは俺と接触する直前で弾き飛ばされる。
 ああもう一体何が何だか!

「どういう事だこれは! アリス!」

 俺は上を振り仰ぐ。
 そこには───箒に跨った少女が居た。

 手にした杖を中心に浮かぶ複数の幾何学模様。
 描かれた古代の文字は魔法の文言であると聞いた事がある。
 つまり───。

「‥‥お前、魔法使いだったのか」

「そうじゃよ。アリスは、この世にはびこる悪を討つ、
 正義の魔法使いなのじゃ!」

 ───魔法使い。
 大気に存在するエリティルを用いて異能を行使する者。

 伝え聞く話によれば、その力を持つのは万人に一人。
 ベルフィエのような小さな街では、滅多に見る事の出来ない存在。
 正直言って、魔法を目の前で見たのは初めてであり‥‥。

「なんじゃ、何故そんなに驚いた顔をしておる」

「だ、だってそりゃお前‥‥」

「あー、そうか。そういえば男は箒が使えぬから、
 高い所は慣れておらぬのじゃったな。
 姉うっかりなのじゃ」

 い、いやそういう事ではなく!

「まあよい。ともかく重要なのは前を見る事じゃ。
 あまり下を見ないようにするのが肝要ぞ」

 言われて俺は下を見る。

「‥‥」

「‥‥どうしたのじゃ、弟よ?」

「‥‥ぎぃぃぃやゃーっっっっっ!!!
 ななな、ナニコレ! 高い! 街が遠い!
 人が芥子粒みたいに小さい!!」

 役場の二階より高い所なんて登った事無いのに!
 それが今はその数倍、いや数十倍の高さでしかも宙吊りで!!

「死ぬー! しんじゃうー!!」

「にゅー、じゃから下を見るなと言うたのに」

「そんな事言われたら余計に見るのが人情ってモンだろ!
 おおお、下ろせ! 今すぐ俺を地面に帰してくれ!」

「ダメ」

 魔女は冷酷に言い放つ。

「どうして!?」

「言ったであろ、事件は外で起こっておると。
 この空こそまさに問題の現場。
 闊歩するペガ牛の中こそ、我らの力を見せる所なのじゃ!」

「ち、力を見せるって、何で俺が‥‥」

 あ。

 不意に俺は自分の手の中に熱を感じた。
 気が付けば、いつの間にか左手に例の木槌が握られていて。

「もしかして‥‥」

「そうじゃ。それこそお主の───否、我らが力。
 歪みを質し、討ち滅ぼす槌」

 アリスが言葉を切る。
 そして上空を見た。

「!!!!」

 突然、アリスが急加速で上昇を始める。
 それはつまり、吊り下げられた俺も一緒という事で。

「ちょ、ちょちょちょちょっっ!!!」

「さあ喰らわせようぞ“撃ち滅ぼすモノ<ミョルニルの槌>”の一撃を!」

「喰らわせるって───どうやって!」

「もちろん、急降下の突撃で、じゃーっっ!」

「ぎゃーっっっっっっ!!!」

 叫びと共に、俺とアリスは反転一気の降下を───。

「死ぬ───っっっっっ!!!!」

 否、墜落を開始した。



ダメモード悪化

2010-02-27 11:27:24 | 雑記
部屋が暗いのはさすがに不便。
なので電球を買ってきました。

が、その日の内に切れた!

それまで東芝製の電球を使っていたのですが、
今回は気分を変えてみよう~、と思ったのが間違いでした。

もうパナソ○ックの電球は買うまい。
雨が止んだら電気屋へ行こう‥‥。