金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

最近の繕い その4 黒のマグカップ

2014-02-14 16:49:18 | 陶器の繕い例
最近親しくなった尼崎市職員の女性からの依頼品。

「忍たま乱太郎」の尼子騒兵衛さんの大ファンで、それも市職員になった一因だとか。
私が騒兵衛さんのお母さんやご本人と親しいので、いろいろ話を聞きたいと一度一緒に立ち飲み屋さんで紹介者と3人で吞んだことがある。
実は騒兵衛さん、若いときは弓道をされていて、成人になった時は三十三間堂の透し矢大会にも参加されている。ということで尼崎弓道協会では先輩にあたる方。

さて、依頼のマグカップ。
大きく割れている。
今回は簡易法で十分ですね。
先ずは、いつものアラルダイトと地の粉を使って。
(手順はすべてオープンですので、参考までにかなり詳しくしています)


内側はだいぶ欠けた部分がありますので、盛り上げて。


綺麗に仕上げるためにプラスチック板をあてがいます。
湿布薬のプラスチック板が優れもの。


翌日、プラスチック板を剥がして。


手順が若干前後していますが、適当な乾き具合の時に剃刀の刃を使って余分な接着剤を剥がします。
チョット柔らかめの段階が削りと剥がしの時期です。
剃刀の刃は、二つに割って、割れた部分にはテープを貼って使いやすいように。
この刃は、曲面にもとても使いやすいですね。


そして、しっかりと乾燥させた後に、ミニヤスリなどを使って整形です。
内側も。


そして、ベースの微調整が必要な部分も再度手入れして、いよいよ漆を使って仕上げです。
今回は、「艶黒」の本漆です。
真っ黒なマグカップですので、金粉や銀粉での装飾は必要ありません。
接着した部分に面相筆などを使って漆を置いていきます。
このあと、ムロの中で2、3日漆を乾燥させています。
このマグカップの絵柄は恐竜のようです。
カップの底に「特撮博物館」とある。
いかにも彼女らしい。


取っ手の下の部分も、落とした時の衝撃で割れ目が入っていたり、欠けた部分もありましたが、それらの繕いもしてあります。
今回の反省点は、大きな割れた部分の接着時に少しズレが生じてしまっています。
そのため、「艶黒」漆も盛り上げて仕上げています。
まだまだ、ちょっとした失敗がありますね。
うんと押し付けてズレが出ないように接着させたつもりなんですがね。
まだ不十分だったのですね。気をつけないとね。
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