(これまでのあらすじ ---といっても、以前に書いた部分はまだない--- ・・・政治や経済に国境のない地球になってはや38年の年月が過ぎた。地球連邦の成立に大きな力となったのは政治や経済、ましてや軍事の力ではなく、世界共通言語ともいえる音楽やスポーツの交流による相互理解であった。しかも、楽器そのものに民族性がなく、旧西暦2000年代に入って急速に世界に受け入れられた電子楽器テルミンが大きな役割を果たしたのであった・・・)
ときは地球連邦暦38年。旧西暦では2220年。楽器テルミン誕生300年を祝う地球連邦テルミンフェスティバル会場に選ばれたのはロシア地区の首都モスクワだ。
そこを訪れた一人の日本人少年の名はこちろう。ひ弱そうな名前である。たしかに顔色はいつも青白く、ひょろっとしていて、小さい頃のあだ名はもやしである。15歳になった今も、近所の友だちからは「もやし」と呼ばれている。
10月に入ったモスクワは古くから黄金の秋といわれるように黄金色に染まった木々が風にゆらめいて、まさに町全体が黄金に輝いているかのような風情である。たまねぎ頭の教会の黄金もその美しさを増している。
フェスティバル会場に急ぐこちろうは、これから会場で起こることへの期待でわくわくしていた。
こちろうの先祖が始めたマトリョミンアンサンブル・ニチェボー!の音源が2年前に山奥に捨てられてたサーバーから奇跡的に発掘されて、今回再生して発表されるのだ。こちろうはニチェボー!創設者の子孫として招待されたわけである。
モスクワ音楽院はその周りにすでに熱気が充満しているような雰囲気である。ホールに入ると、会場は満席で世界中から有名人が集まっていた。一歩足を踏み入れたこちろうは自分がいかにも場違いなところに立っているようで、落ち着かなかった。
しかも席は来賓席。まわりはひげを生やした大男やらドレス姿の貴婦人という感じの大人ばかりできょろきょろしていた。
さあ、ようやくマトリョミンの出番だ。何組かの演奏のあと、登場したのはおじいちゃんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんかそこいらの先祖創設のニチェボー!だ。今は昔と違って大編成になってマトリョミンオーケストラとして世界中からひっぱりだこ。ピッコロマトリョミン5体、マトリョミン35体、コントラバスマトリョミン7体、合計47体の大編成だ。
(それにしてもコントラバスマトリョミン、でかいなー。あれじゃ人間と同じ大きさだ。持ち運び大変だろうなー。)などと考えていると、演奏が始まった。
≪次回、の念音(NEON)はいよいよ最終回、未来のマトリョミンオーケストラ、ニチェボー!の演奏、そして2百年以上前のマトリョミンアンサンブル、ニチェボー!の演奏を耳にした観客の反応はどうなるのか。こちろうはその場で何を思うのか、乞うご期待。最終回はコチラ≫
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こういうのにグッときます たぶんあの方も。。。
おもしろいからアニメ化しましょう
NEON-PARTNERSを作って資金を調達
時に、どうでもいい事ですが
コントラマト、殴られてませんか?
コンテンツファンドですね。いいですね。世界的にヒットして出資者も大儲けですね。
実はSF大好きです。でもガンダムはわかりません。
・mmさん
寸止めです(笑)。演奏者は武道家なみに体を鍛えないとコントラマトの演奏には耐えられないため、どうしても殴っているように見えてしまうんですね。
オリャーっ!。
あと、むやみやたらにでかいというのも大好きです。
それにわたしの携帯、neonだし。
もちろん会場の外には大きなバルーンマトがあって、
その中でこどもたちが飛び跳ねて遊べるんですよね。
設定間違えなくてよかったです。
大きなバルーンマト、もちろんですとも!。
子供しか入っちゃいけないのに入って遊んでたしー○さんという日本人女性は連行されてましたが、、。