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Fliegenfischen am Wochenende

Fly Fishing in Europe
(Bozemann Europe FFC, Tight Lines)

Russia '16 : Review

2016-06-28 | Fly Fishing Russia

総括です。

大変勝手な、かつ狭い見方なものです。
ご了承ください。



■釣行企画
Bozemannにより欧州のフライフィッシングスポットが
数多く開拓されています。その中でも、やっぱりM岡さんの貢献は大きい。

行くところ行くところ、道が開ける。釣り場が広がっていく。
OVしかり、オーストリアしかり…

今回の最大の難所は、兎も角、ロシア語。
できないから、仕組みが分からず、行けないし
克服するために高額なAgency(Roxtonなど)を使って金で解決するしかない。
選択は場所と時期と移動手段のみで、
松竹梅の"ど高いコース"から選ぶしかない。

Ponoiに行くのか、Varzugaに行くのか
ハイシーズンに行くのか、予算の関係で外すのか
ペリコプターという飛び道具を金の力で使うのか
その組み合わせを考えるだけで、
どうあがいても、xx万円コース。 

が、凄いDealがあった。

M岡さんのご努力の賜物であり、最終確認が必要な事項もあるので
当方が本ブログで書くべきでは無いので、詳細は省くが
フルペンション(朝昼晩)、釣り場までの送り迎え、釣りライセンス込みで
1日あたり 1万円ちょっと
Kola半島でアトランティックサーモンが狙える

と言ったら、アトランティックサーモン釣りに馴染みのある方々は、
どう思うのだろうか?

このM岡企画、行くしかないでしょ!
 



■心構え
今回はM岡企画に乗っからせてもらい、本当にお世話になった。
だが、せめて、最低限のロシア語をメモり、
自分でやれることは増やしておかねば
M岡さんの(幹事の)負担を増やしてしまう。

昼飯さえ注文できないんだから…

数/時間/定番料理/挨拶/簡単な定番フレーズを事前に勉強しておく必要があった。
若干、お客様気分で臨んだ自分を反省。



■ロシアでのアトランティックサーモンフィッシング


強みは魚がいること、Wildなまま自然の営みが残っていること。
時期が多少ずれても、やることやれば釣れるし、
釣りで最も大事な魚と対峙し試行錯誤する経験が、
他の釣り人のプレッシャーが無い中で体感できる。

ロシアローカル(一部の他欧州人)の予約でハイシーズンである
5月中旬から6月頭は一杯だが、この6月末は貸切状態。

ごちゃまんと遡上してきて、雑な動作に喰ってくるより
今回は、1尾の有り難みが分かる釣行の方で、良かったと思う。

魚は間違いなくいるので、アトランティックサーモンフィッシングの
一連の経験ができる。状況に応じたキャスト・スィングでの誘い・ストライクの感覚
フッキング~ファイト~ランディングまでの「0」と「1」の大きな違いを学べる。
時間の都合がつくなら行くべきと思う。

昔、師匠に言われました。
まず、釣りを体感しない、釣らないと何も始まりません…と。

僭越ながら、他の場所(国)でも多少釣ったことがあるという観点で
Iceland/Norway/Irelandと比較をさせてもらうと、
 キャストのしやすさ : Russia > Iceland > Ireland > Norway
 風の弱さ : Ireland > Russia > Norway > Iceland
 ポイントの面白さ : Russia > Iceland > Norway > Ireland
 キャスティング(距離の必要性) : Russia > Norway > Iceland > Ireland
 魚の大きさ : Norway > Iceland > Russia > Ireland
 魚の濃さ : Russia > Iceland > Norway > Ireland
 アクセスしやすさ : Ireland > Norway > Iceland > Russia
 値段の安さ : Russia (M岡) > Ireland > Iceland > Norway & Russia (Agency)
 英語 : Ireland > Iceland & Norway > Russia
 宿泊場所の快適さ : Norway > Iceland > Ireland > Russia

時間があり、宿での多少の不具合を厭わない人であれば
一番サーモンフィッシングを楽しめる場所だと思います。
 



■Varzuga村

所謂、Kola半島の相泊。
地図で見ると、その先に道は無い。

集落につながる道は、道といっても悪路中の悪路。
凸凹、角張った石、轍にタイヤが流れ、ハンドルがとられる。
それらの障害物を回避すべく、細かくハンドルを操作する
大変精神的に厳しい運転が約4時間。

パンクなどのトラブルを考えると自分達だけで
レンタカーを借りて行くのは避けた方がいいと思う。

タクシーのおかげで、道の心配は必要無いし
途中のカンダラクシャなどでの買い出し、
食事する店、銀行などに連れて行ってくれる。


ちなみに、支払い。
Valzugaで追加で発生する費用はRubで支払う必要があるが
集落には銀行は無いので、カンダラクシャで対応しておかねばいけない。
1日あたり、引き出せる最高額が5,000Rubなので要注意。



■今回のアトランティックサーモンフィッシングで学んだ/再認識した点

キャスィングの自分なりのコツ
 - ビリビリビリィッーとネズミを走らせる。
   ラインを剥がし切り、90度視界を超えたあたりでキャスト動作へ。
 - スィング面を意識し、加速しながら最後にロッドを立てる。
 - Dループの後に、コンパクト(耳の前後)にフォローキャスト。
 - イメージは、「空へ放て!」。シュートは上へ、ロッドティップを下げない。
 - サークルC、左手はグリップ上目が良い。

スィング(誘い方)のコツ
 - 15ftのメリットは、スィングを入れる場所を変えられること。
 - アピールの重要性。どこでフライを見せるか、誘うかのシナリオを作る。
 - 積分をしっかりとやり切ること。丁寧に線をなぞるべし。
 - ただ、大所では反転する場所を変えてみる工夫も。
  「し」「J」をどう書くのか?
 - ポイントを見つけられるか?そこへどうキャストできるか?
   流せるか?イメージできるか?

その他
 - 準備を怠らない(前日夜の準備)。手間を厭わない(ティペット・フックの確認)。
   フライを確認し、勝負している時を増やせるか?
 - どう魚信と岩/底を区別できるか?

以上で、Russiaでのアトランティックサーモンチャレンジは終わりです。

1週間後には、Norwayのリベンジに行ってきます!


Russia '16 : Day 6

2016-06-28 | Fly Fishing Russia

Day 6。
格安パッケージ 最終日。

更なるオプショナルツアーとして最後までM岡さんが可能性を探っていた
白海でのピンクサーモンの情報を総合すると
ロシア政府が極東から蟹/ピンクを白海に食料用として移殖したおかげで
海でピンクが釣れるらしい。
まさにロシアの知床半島。相泊。

Day 5で訪れたクゾメニから対岸に渡してもらい
その後、車を手配し50km砂浜を走ってポイントへ到着できるらしい。

しかし、子連れ(3歳児)偵察隊なので無理は出来ない。
…っていうか、2週間前に赴任したばかりの奥さん/3歳児を伴い、
この超ハードな辺境偵察をやってること自体
通常の感覚から逸脱した釣行を今回敢行している努力を
ご理解頂ければと思う(笑)。



最終日なので、今回釣行のシステムと
他の細々としたことを備忘録として…

Rod : O-REX Accipiter 15ft #9/10
Reel : Vision XLA
Fly Line : LTS (Scandi Type) FHI 3S, #9/10 
Leader : Poly Leader LTS Intermediate 8ft
Tippet : 1X 15lb 半ヒロ
Fly : 黒系のダブルフック #10-12


OrvisのFlequent Flyer #8も持って行きましたが
ポイントの広大さにダブルハンドの飛距離が必要で
風に負けないキャスィング、手返しの良さ
手前の流れを竿を伸ばすだけで回避できる手軽さ
などの理由から使いませんでした。

SIMMS Pro Wading Staff (注 : メス部は別売)。
滑りやすい底石と苔なのと、幅の広い瀬をウェーディングで立ち込みながら
アトランティックサーモンが居つくポイントを探すので、
転けるリスクが高いですし、流れが太いんでヤバいです。

Kola半島に行ったことのある他の方のブログを確認するに
Ponoiなどでは、ガイドにピンポイントでポイントに案内され
ボートからの釣りになるようですが、格安パッケージでは
自分のことは自責で行わなくてはなりません。
本当に重宝しました。

Wader。
Day 3に、またもや浸水してしまいました。
昨年のDenmarkシートラ釣行でも、痛い目にあったのですが
足首のネオプレーン部から浸水したようで、右足はビシャビシャ。
アクアシールを持って行っていたので、修理を試みましたが
ジワっと来るのは最後まで直せませんでした。

パタゴニアのウェーダー、送料だけで無料修理をしてくれるのはいいのですが
こう何度も大事な釣行でやられるとSIMMSへ浮気しそうになります。

Wading Shoes。
スパイクを打っておくべきなんだろうか?
M岡さん曰く、「全然違う」と…
モノはあるのでNorwayに向けて準備しようと思います。

Landing Net。
勿論、あった方がいいのは分かっているんです。
でも、ガイドがいない場合、荷物になるのが億劫なのと
15ftをキャストし、釣り下がる際に邪魔に思えて…。
最近では、引きずりあげる釣りを続けていました。

…が、広大な瀬に立ち込んでロングキャストをするVarzuga川では
あった方がいいと思いました。写真を撮り易くなります。
でも、取り込む際の角度は要注意かと思います。

フォーセップ。落とし、苦労しました。
アトランティックサーモン、口が硬いんでガッチリかかった場合、一苦労です。

バンダナ、使えます。首まわりの蚊対策/日焼け対策。
何と言っても、写真を撮る際に濡れた手をサッと拭けます。

ビニールテープ/ハサミ/瞬間接着剤/裁縫道具/アクアシール
カラビナなど、用意しておきたいものです。

小物バック : 移動時と雨が降らない釣行時に便利。
カップ : フリーズドライ/コーヒー飲むのに便利。歯磨きでも活用。
ヘッドライト : 寝ながら本を読むにちょうどいい。
メモ/ペン : 小物バックへ常備。
携帯充電器 : 移動が多いので、万が一に備えて…。
 


 
Day 6。最終日。

9時30分に宿を出発し、土手下の船着場(浜辺)に着くと
ホストファザーのワシリーさん 、「ライセンス忘れた!」と失態を演ずる。
「車で行かな行かんで、20分程 待っとって」とのこと。

その間、キャスィング練習をしながら、待っていると
牛飼いと牛追いの犬が現れ、牛を河原に追い込み始めた。

牛が泳いで、勝手に川を対岸に渡っていく…

10時30分、中洲に到着。
「若干、増えた水が引いてフレッシュ個体が
入ってきたんじゃないかと思う」と、ワシリー。

期待を胸にDay 4で2尾獲ったポイントへ向かう。


一流し目。
5-6キャストぐらいした頃、流心向こうでサーモンが跳ねた。

昨日の仮説(妄想)を再び信じて、流心の強い流れを使い
大きな弧を描いてフライを回し、瀬上の緩流帯に持ち込む。
反応がなかったので、ライン回収のためリトリープを入れると

ガツンときた。

後ろへ必死に下がる。右手でロッドを操り、浅瀬へ誘導する。
魚体を確認、オスのフレッシュな個体。
65cm程か?

ロッド1本分、水草が生える浅瀬までひきよせたが
痛恨のフックオフ!慌てて捕まえに走るが、
身体をクネらせ必死で逃げるサーモン。
尾を掴めず…アウト!


ポイントに入ってから、たった20分での出来事。
冗談で「開眼したんで、サッと釣ってきますわ」と言い
子供の世話をするM岡さんの奥さんと別れたが、有言(半)実行。

これを獲れれば、今回の数値目標"1日 1尾"が達成だっただけに悔やまれる。
落ち着きを取り戻すべく、浅瀬に腰まで浸かり、メールの確認を始めた。

今朝方、UK離脱のニュースが飛び込み、
大量のメールが行き交っているのは分かっていたので、
50通を超える全てのメールにサッと目を通し、
指示を求めるメールにのみ返信し、辺境でサーモンを釣りながら、
最低限の仕事をこなす。

兎も角、"1週間遊び倒している後ろめたさ"を消し込みたかった。
二流し目に気持ちを整える。


二流し目。
サーモンが定位しているであろう場所から意識的に大きくスィングさせ
引っ張り出すと喰ってくるポイントが毎回同じであることが分かっていた。


グィっ

シナリオ通りっ。

即、追いアワセをガツンと入れた。
初期動作は完璧。

次の動作に移る。
余分なラインを回収し、リールとロッドに仕事をさせ
角度を保持しながら、後ろへ下がる。

ただ、ラインに伝える重みが今迄と違う。圧倒的に異なる。

流心脇の深みに入り、絞り込んだリールのドラグを
ジリジリと反転させていく大物特有のファイト。

鼻曲がりのオス、今回釣行最大 72cm。


魚体にはヌメヌメの膜がはっており、シーライスこそないものの
フレッシュな個体であることは一目瞭然。

ファイトの強さも、それを証明していた。
時計を見ると12時を過ぎたばかり、
これまで、たった1時間ほどの出来事。

ただ、この完璧な魚体を見せつけられると
「これを最後の1尾にしよう」という気になった。


回復を待つサーモンの傍に座り込みながら、今回釣行を振り返った。

 

「1日 1尾」の数値目標何てどうでもいい、
妄想を現実に変えられたこと
思い出の1尾と出会えたこと、
アトランティックサーモンフィッシングに自信が持て
ステップでなくステージとして1つ前に大きく成長することができたこと
Norwayに向けたトレーニングとして、十二分な釣行だった。

ありがとう!M岡さん!!


P.S.
奥さんも最後の最後に初 アトランティックサーモン捕獲しました。

最終章 総括へ…(続)


Russia '16 : Day 5

2016-06-27 | Fly Fishing Russia

Day 5。

M岡さんの交渉力が炸裂し、Kitza川へ行けることになった。


Varzuga川の支流で、流程が短く上流部にはダムがあるそうで、
水温がVarzuga川に比べ低い(らしい)。
河口に近いので、まだ遡上するであろう数少ない個体を
支流で待ち伏せする作戦。


迎えのLadaの4輪駆動車で道無き道を1時間、


海沿いの集落(クゾメニ)に到着。

渋すぎる。ここに来た日本人はいるんだろうか?
辺境中の辺境。

ちなみに、ホームステイ先までの送り迎え、4,000Rub也。

集落のとある家でパスポートを見せ、ライセンスを購入し

ロシア語を容赦なく捲したてる兄ちゃんにゴムボートで
ポイントへ案内してもらう。


左岸側で上流からの風。
左手上手でのダブルスペイが必要な状況。
昨日、唯一やり残した課題である。

一流し目はアンカーの位置、Dループを作る際のスィング面、
キャストのタイミングを意識しながら、昨日のエースフライで様子見。

その後、フライを何度か変えながら、
約20m程の区間を舐め回す。

一旦、ランチを入れ、ポイントを休め、時機を伺う。

緩流帯でキャスト練習をしていた奥さんの前で
アトランティックサーモンが跳ねた。

ああいう個体は、遡上していってしまうのか?
それとも、一時居つくのか?

M岡さんと彼是、妄想を膨らませていたが、
竿を出さねば検証も出来ないので、
跳ねたアトランティックが居付いていることを信じ
エースフライを再び投入し、2歩ずつ流すと…

「来たっつ!」

会心のヒットに思わず声が出た。
上流に走ってきたので「抜けたか?」と焦ったが

ラインを素早く回収し、リールファイトに持ち込み

皆の待つ河原へランディング。

M岡さんの娘にアトランティックサーモンを
見せてあげることができた。

もう、Mr. グレイリングなんて呼ばせない。

Day 6へ…(続)


Russia '16 : Day 4

2016-06-26 | Fly Fishing Russia

Day 3 夜の反省会。
「格安パッケージをどう捉えるか?」がテーマ。
加えて、Kola半島のベストな時期と今の遡上状況についての意見交換。

というのも、親父さんが連れて行ってくれる中洲は


ポイントが限られており、この中洲周りだけで更に4日間を過ごすのは
Bozemann Kola偵察隊として不十分なのでは?
…という疑問が生まれたからである。

そこは「バイタリティの塊」。
たった半年だというのにロシア語を駆使し、


他の川の情報を/ピンク安いとシートラなど他の釣りの可能性を
ホームステイ先の親父さんのみならず、
他のロシア人釣り師からも積極的に入手。

格安パッケージを作り込んでくれたエージェンシーと交渉した結果
Day 4朝には、翌日Day 5からKitza川へ行く手配を取り付けてしまった。
 



ということで、Day 4。

Day 3と同じ区間に入る。相変わらずのピーカン、気温18度。


今日は御仁の奥さんがサーモンチャレンジするので
シングルでキャスト可能な昨日のポイントを譲り、中洲上流の大瀬部へ。
御仁が昨日、アトランティックサーモンを仕留めたポイントを狙う。

ここは下流からや岸からだと分かり難かったが
近くまでウェーディングすると、1級ポイントであることが分かった。


太く広い流れに変化が生まれ、ちょっとした深みが出来上がっており
ヨレた波で出来る泡筋が流心を教えてくれ、大瀬に繋がっていっている。
約25mの区間をお昼まで丁寧に流すことにした。

4歩ずつ下る。何故かは分からないが、そう思った。
また、上流に戻るときは64歩。16キャスト。
これも何故か分からないが…

右岸からのキャストで、風は若干だが下流から吹いてきていた。

苦手というか練習自体が不十分な左手上手でのサークルC。
頭に入れている知識と右手上手の際に意識しているコツを思い返しつつ
流心向こう側へキャストできるまで、何回も打ち返しながら下る。
次第にキャストが決まってきた。

面白い。これだけでも嬉しい。

キャストが決まるので、フライをスィングさせる動作を意識できる。

どの筋/場所でスィングさせるのか、筋の流速を確認しながら
ロッドを使ったり、ラインを出し入れして
ピンポイントでフライを送り込んでいった。

「あれっ、今迄できていなかったの?」と思われるだろう。
今更ながら恥ずかしいのですが、
魚を誘える動作が、この日、やっと実感できたんです。

自分が1つステップアップできたこと、
7月頭のNorwayリベンジへ向け、自信が持てたことが素直に嬉しく
思わず、「アトランティックサーモン、面白ぇ!」と空に向かって叫んだ。


一流し目。
若干ボリュームある黒/赤のチューブフライを選択していたが反応がない。
カラフルなフライが良いとDay 1/2のガイドは言われていたが
自分の感覚ではウィングが黒でボディがシルバー/ゴールド系の
フライに反応があることを感じていた。

二流し目。
フライを黒系に変更。
勝手な妄想で、ココっと思ていたポイントでスィングさせると

ゴンゴンっ。

乗った!
完璧に釣った1尾。一連の動作がマッチし、釣った。

オスのフレッシュな個体。尾を掴みキャッチ&リリース。


Kola半島のアトランティックサーモンは
Icelandのサーモンのような"焦らし"が無い印象。

ここまでの3尾、全て"ゴンっ"とあれば
フッキングが上手く行っている。
偶然かもしれないが…

中洲へ渡った時に気がついたが、若干だが増水していた。
昨日陸地だった部分に水が入っている。

瀬を越えたサーモンが跳ねたのも見えた。
フレッシュが入っていると確信し、もう一度ポイントに戻る。

同じ動作を繰り返し、イメージ(妄想)を膨らませつつ二流し目。

手前の筋で大きくスィングさせると、水面で真っ直ぐに流れていた
水面にできたフライラインの線が点に変わった。
…と同時に、大きな水飛沫が上がり、ジャンプ。

思った通りのシナリオでサーモンが喰ってきた。

力強いファイトを見せたのは、オスのアトランティックサーモン。
綺麗な魚体に暫し見惚れた。

満足感と自信で満たされ、中洲へ戻りランチ。
午後は、M岡さんと奥さんへ釣行を譲り
娘さん(3歳)と遊んで過ごした。



ここまで長い道のりだった。
2006年のIrelandから始め苦節10年。

色々な所へ行って、一応サーモンを釣ってきたが、
ダブルハンドのキャスィング
水中でのフライの動きへのイメージに全く自信がなく、
釣行前日/釣行中には他人のツッコミを過剰なまでに気にし
コッスイ釣りばかりして(注:名古屋弁)、
誤魔化し続けてきた自分がいた。

折角のアトランティックサーモンフィッシングを心底楽しめていなかった。
実のところ、今まで釣っていても、釣れてる/釣らせてもらってる感が否めなかった。

でも、やっと今、言える。

ダブルハンドの釣り、アトランティックサーモンフィッシング。
「俺、やってるよ!」って。
「ちょっとは語れるよ」って。

Day 5へ…(続)


Russia '16 : Non fishing related details

2016-06-26 | Fly Fishing Russia

アップ途中ですが、質問もあったので
本題を続ける前に、「情報シェア & 備忘録」として。 


フライト
 - モスクワでのムルマンスク便への乗り継ぎを考えると
  シェレメチボ空港を使うのが適切かと思います。

  モスクワは空港が数多くありますが、市内の渋滞がハンパ無いのと
  空港建物へ入る荷物チェック/チェックインなどにかかる時間を考えると
  Aeroflotを使うのが結果的に一番かと思います。

  ちなみに、近代化が進んでますので、数年前に皆が怯えていたような
  整備不良での墜落や、ダブルブッキングなどは最近聞きません。

  但し、手際悪くて、混むんで安全を見たスケジューリングが肝要です。

 - 行きのフライトは、ブラッセル発 23:40のSU2619。
  モスクワに4:00到着し(ターミナルE)、まず荷物をピックアップ。
  国内線のターミナルDへ徒歩で移動し、モスクワ発 7:15のSU1320。

  
 - ムルマンスクには、2時間半程のフライトで9:50に到着します。
   荷物ターンテーブル(Oversized)は1つだけなので問題ありませんが
   バズーガのようなロッドケースがたくさん出てくるのは圧巻です。
  

 - 帰りは、ムルマンスク発 18:40のSU1325。
   2時間前からチェックインカウンターが開きます。
   モスクワに21:10に到着し(ターミナルD)、
      Oversizedはターンテーブル1横のエレベーター前で受け取ります。

  ここからどこへ帰るかはそれぞれですが、今回はブラッセルだったので
  翌日 モスクワ発 8:30のSU2168(ターミナルE)にて、11:00帰国しました。


空港関連
 - シェレメチボでのパスポートコントロール。朝4時にもかかわらず
   長蛇の列で各列壁から壁までびっしりです。1時間以上かかったと思います。

 - ターミナルDとEは、5分程で建物の中を通って移動できます。
   注意点は、Norwayでも同じでしたが国内便へはチケットがあっても
      荷物だけはピックして、再度チェックインが要ります。

 - Aeroflotが加盟しているSky Teamのメンバーだったらいいのですが
   格安エコノミーは並びます。並ばされます。


荷物
 - 格安チケットは荷物が1つだけなので、フィッシングロッドは
   別途追加料金(2,000Rub = 約3,000円)が要ります。
   別カウンターでお金を払い、レシートをチェックイン時に
   チェックインカウンターで見せねばなりません。
   また、Oversized専用カウンターへ行く必要もあります。

 - ちなみに、ブラッセル空港は毎回フィッシングロッドケースを
   機内まで持ち込ませてくれます。Norwayの時もそうでした。

 - ムルマンスク空港でもロッドケースは同様です。
   チェックインカウンター右側のBookingカウンターで支払います。
  
      分からなければ、そのすぐ横のInformationカウンターの
   綺麗な女性がBookingカウンター/チェックインカウンターまで
   付きっ切りで丁寧に教えてくれます。チケットを確認してくれ
   翌日のシェレメチボ空港での荷物チェックインの際にロッドケースで
   余分な時間を取られないよう、先に支払いをさせてくれました。


ビザ
 - 必要です。観光用ビザを手配します。
   今回は地元の観光用Agency(Roxtonなどではありません)が
   申請に必要な書類を手配してくれたので、それを大使館に申請しました。

 - 最後の総括で触れますが、M岡さんが仕入れた爆弾Dealの際には
   駐ロシア以外の参加者は、若干個別に手間がかかるかもしれません。


モスクワでの帰りの乗り継ぎ
 - 土曜 21:10着、日曜 8:30発(Booking時から10分早まっていた)だったので
   空港近くのホテルに泊まりました。
   Radisson/Park inn/Novotelがあり、どのホテルもシャトルバスがあります。
   Novotelに宿泊しましたが、お手頃で綺麗でオススメです。
   WiFiは無料、ジムもあります。Barも遅くまで開いています。

 - シャトルバスは空港を出て右端の車寄せで乗り込めます。
   帰りの便は、8:40のフライトだとホテルのフロントで告げると
   6:40のシャトルバスに乗るようにレコメンドされました。
   空港へは7時前に着いたんですが、チェックインカウンターが長蛇の列で
   グリーンラベル(通関申請ゲート)横のOversizedカウンターへ
   ロッドケースを預けられたのが、7:30過ぎ。
   その後、パスポートコントロールでも10名以上の列に並び
   セキュリティーを通り、ゲートに到着したのがBoarding Timeの7:50。
   10分出発時間が早まっていたこともありますが、ギリギリでした。

 - 長蛇の列の間、空港の無料WiFi使えます。
   今回は時間がギリギリとなったので不要でしたが、ゲート前では
   カフェごとにWiFiを飛ばしているので、何か買えば無料で使わせてくれます。



 - ヤバい。尋常な数じゃない。
   昔、虫除けスプレー/マットのCMであったと思うんですが、
   蚊が数千匹いる小部屋に入れ込まれたイメージしてもらえれば
   それがVarzugaでの屋外生活です。

 - 防虫ネット/スプレー/蚊取線香・ベープ/痒み止めは必須というか
   大量に用意をしていないと、気が狂うと思います。
 

Dry Toilet
 - スル時、猛攻に遭います。右の小道を奥に入っていきます。
  
   ハッカタイプのスプレーを大事な場所にするS感と勇気は持ってないので
   痒みを選びました。特に、大きい時、それはもう悲劇です…


水(飲料水)

 - 無いです。道が舗装されてないんだし、ある訳ないです。
   どこぞの水が汲んで貯めてあります。
  
   手を洗ったりはできますが、飲むにはどうかと思います。
   途中に寄る、カンダラクシャのスーパーで買っときましょう。


コンビニ

 - あります。21時まで営業してます(笑)。
   厳選された種類がありますが、数が限られています。
  
   
     棚に置いてある商品を自分で取ると怒られます。
   貴重な商品を万引きされると思ったんでしょうか…
  


風呂
 - お金を払えば(500Rub = 約800円)、バーニャ使わせてくれます。
   ロシア式サウナです。でも、めちゃくちゃ熱いです。
   べーニク(葉っぱ)で身体をペチペチ叩きます。
   水の有り難みを痛感する生活が送れますので、モスクワのホテルで
   お風呂に浸かるとヤバいです。 気持ち良すぎます。


携帯電波/WiFi
 - 3Gが1日の内、ほんの一瞬。通常は「E」で繋がってます。
   添付ファイルなんぞは開けません。下界と遮断された日々が送れます。
   WiFi? ある訳なかろう。



 - います。フィッシングキャンプは、森の住人がすぐ側で暮らしています。
   毎日、食事のおこぼれを貰いに来るそうですが、近過ぎますね。
  
   可愛い顔しているんで、写真を撮ったんですが、牛乳をGetした途端
   めっちゃ素早い動作で森に帰って行きました。
   あのスピードでは、絶対逃げられないと思いました。
  
 - 集落では、犬が放し飼いです。猫もいっぱいいます。 


食事
 - 美味しいです。魚中心の自給自足ですが、味が優しく美味いです!
   パイクのハンバーグだったり、サーモンのスープだったり
   時々、チキンも出してくれました。庭で育てているだろう
   きゅうり、トマトをそのまま出してくれ、キャベツの酢漬けも出て来るので
   栄養補給には問題ありません。
  
 - 朝食はロシア定番の(カーシャ:お粥)、パンケーキ。スモークサーモンとイクラは
   これでもかっ!という量が出てきました。


Russia '16 : Day 3

2016-06-25 | Fly Fishing Russia

1日 : 1,600RUB(約2,500円)。

これがロシア人ローカル向けアトランティックサーモン釣りのお値段。
この値段でできちゃうんです。

ホームステイ先の親父さんがボートで
3km上流の中州まで連れて行ってくれ

「後はご自由に」というシステム。

午前1時過ぎでもこんな感じな白夜なので、

朝6時から夜24時まで、好きな時間に釣りをしていい。

相棒は、2週間前にロシアに着いたばかりの家族連れなので、

ゆっくりとスタートし、早めにあがる計画とし
9時に出発し、ランチボックスを持って現場で食べ、
18時に迎えに来てもらうこととした。

村を流れる大河(Varzuga)が


瀬に姿を変えているが、広い広い。


ハンパないほど広く、自分達でポイントを見極める技量と
スペイキャスィング力が試される区間に正直怯んだ。


Day 3。

Mr. グレイリングとして順調に仕事はこなしつつ

左岸の広い本流筋を敢えて避け、
対岸まで自分のキャスティングレンジになる
右岸筋(中洲左岸側)でポイントを探す。

見つけた!

今迄の忠類川/手取川/Stora川/Orkla川での経験が活きた。
瀬からの流れが一筋に集まり、適度な深みもある。

中洲を挟んで右岸を遡上してくるサーモンが必ず通るであろう区間。
しつこく積分をし、フライを変えながら、何回も流すと

ラインから生命反応が伝わってきた。

ネットを持っておらず、中洲へ上げてランディングせねばならないため
適度なラインの長さを保持しつつ、リールファイトに持ち込み、
後ろへ下がる。中洲へ上がる。
サーモンが上流に走っていく動きに合わせ、自分も走る。


何とか証拠をおさえることができた。
立派な尾鰭を持つが、スキニーで色が入り身体に傷がある古い魚だった。


やはり、遡上ピークは過ぎており、晴天続きで水位が少ない状況に
サーモンも相当無理をしているのかもしれない。

ダークじゃなく、フレッシュが釣りたい…

Day 4へ…(続)


Russia '16 : Day 1 / 2

2016-06-25 | Fly Fishing Russia

Kola半島。

フィンランドを挟み、スカンジナビア半島の東側に位置するロシア領。

北極圏に位置し、普通の日本人なら訪れる機会の無いであろう土地である。
ムルマンスクという地名を聞いたことがある人もいるのではないだろうか?

なぜ、その辺境の地に足を踏み入れたのか?
それはBozemann伝説の男が3度目の海外駐在でモスクワに放たれ
赴任した12月以降、極寒のロシアの夜長に任せ 、
インターネットをひたすらクリックし、メールし
情報収集したからなのです。

15年年末、悪魔の誘いが舞い込み
16年2月、モスクワ出張時に久々の再会。

Kola半島でアトランティックサーモン釣ろうと…
めちゃお値打ちなパッケージを作ったと…
5月から6月頭がハイシーズンなるも、
何とか6月末に滑り込み予約申したと…
喰い筋に魅惑的な悪魔のフライをポトりと落とされた。

2か月躊躇った。
…が、行くと決めたら早い。
ビザを申請し、休みを 調整し、釣り場情報を収集。


フライトを調べ、コスト優先でアエロフロート便を予約し、
深夜便でブラッセルを発ち、モスクワ経由 でムルマンスク到着。


ムルマンスクから目指す川「Varzuga」まで
お金持ちは大型ヘリコプターで30分飛んでいくところを
僕ら格安組は、タクシーをチャーターし、500km 8時間。


カンダラクシャからは、一本道の未舗装な悪路を3時間30分。

ブラッセル出発から21時間後、
やっと辺境のフィッシングキャンプにたどり着いた。

(金持ちはこういうフィッシングキャンプを転々とするそうな・・・)

ここへのアクセスは通常、ヘリコプターかボートしかないのだが
晴天続きで水位が低かったので、
川沿いの道無き道を車で行くことができた。

気がつきましたかね…

2016年6月のロシア、Kola半島。
晴天続きで暑くなるのが早かったそう、

しかも、今は水位が少ないのだそう、
「2週間前までは良かったけど」
…と、よくありがちなフレーズを聞かされた。

確かに、他の事実環境として、
メインログハウス3棟(8-10名収容)、コテージ5棟程ある

大型フィッシングキャンプに、宿泊客がウチらだけという状況が
時機を逸している/しまっていることを物語っていた。


★豆知識★
 Varzuga川の遡上期間は5月末から6月頭だそう。
 昨冬は-46度まで冷え込み、1m程の雪に閉ざされる辺境の地では
 アトランティックサーモンの遡上は短い期間に
 一気に行なわれる様子。なので、その時期はパラダイスらしい。


Day 1。

朝食前にロッジ前で竿を振るとグレーリングが釣れた。

ブラウントラウトも釣れた。
「ちゃんと流せている」ということだと前向きに理解。
でも、15ft #9/10 O-REXで鱒系のを釣るのは
「弱いものイジメ感」がハンパない。

屈辱のNorway以来、1年振りのアトランティックサーモン故、
午前中はキャスティングのリハビリに専念した。
運良く風向きが右手上手となる区間だったこともあり、
ダブルスペイ、サークルC/スナップTを繰り返す。

午後からは2kmのビートの下流区間で瀬頭を重点的に狙っていく作戦。
左岸からスナップTにて流心の向こう側へキャストし
流心の流れを利用しフライを瀬頭でスィングさせる。

「これは上手く流せているんじゃ…」と思った瞬間、
グィっとラインが持っていかれ
竿先にグレーリングとは違う重量感を感じた。
Kola半島 初アトランティックサーモン。

でも、写真が無いんです。ガイドがネットインした後、
写真撮る前に迂闊にも取り逃しちゃったんです…

カタコトの英語で「Net in. You catch」を繰り返す
「馬鹿野郎」ガイドくん。その後すぐのキャストで釣った
良型グレーリングは、しっかりとネットインさせ、
土手でシメて持ち帰っていった。
一体お前は、なんなんだ?

ブログを見るであろうBozemann仲間に
証拠を用意できないという状況に、悶々としつつ初日が終了。


Day 2。

ピーカン。どピーカン。

グレーリングのみ順調に追加し、御仁ファミリーから
Mr. グレイリングの称号を賜わったことが唯一のニュース。

目標とした「Kola半島まで来たんだから、1日1匹」は
ここで脆くも崩れ去りました。

翌日に向け、夕方、フィッシングキャンプから移動し、Varzuga村へ。

村と言っても何もなく、舗装路もなく、上下水道もない環境。

御仁が作った格安パッケージの概要は、
ガイド無しで、ロシア人ローカルと同じように
アトランティックサーモン釣りをするので安いというカラクリ。

しかも宿泊先は、何と村のロシア人家庭にホームステイ?


トイレは自然の小川の上に作った小屋でスルらしい…


ここで5泊?!って。

ビックりこきつつ、Day 3へ…(続)