trilogyの映画日誌

映画を愛する私trilogyが見た映画の感想をどうぞ。

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

2008-02-27 23:08:39 | ★★★★★★★★★☆
「『髭を剃る』・『ミートパイを食べる』予定の方は、この映画の前にお済ませを」



やっとこの映画の感想がかけますね。

確か公開初日に行きました。ってことは1月18日ですね、見たの。公開日を未だに覚えてる自分にビックリです。それだけ期待が大きかった作品ということでしょう。

なんといっても「ティム&ジョニー」の黄金コンビの「ミュージカル」ですからね。そりゃもう見ないわけがない。期待しないわけがない。




スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET

上映時間 117分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2008/01/19
ジャンル サスペンス/犯罪/ミュージカル
映倫 R-15


キャッチコピー
いらっしゃいませ。
そして、永遠にさようなら。



監督: ティム・バートン
出演:
ジョニー・デップ
ヘレナ・ボナム=カーター
アラン・リックマン
ティモシー・スポール


おなじみとなったジョニー・デップとティム・バートンの名コンビが贈るホラー・ミュージカル。ブロードウェイの巨匠スティーヴン・ソンドハイムとヒュー・ウィーラーが手掛けたトニー賞受賞の同名舞台を映画化。無実の罪で投獄させられている間に愛する家族を奪われた理髪師が、名前と容姿を変え復讐に狂奔するさまをキッチュでデカダンな雰囲気満載で描く。
 19世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営み、妻と娘と幸せに暮らすベンジャミン・バーカー。だが彼はある日、妻に横恋慕したターピン判事によって無実の罪で流刑にされてしまう。やがて15年後、脱獄に成功したベンジャミンは“スウィーニー・トッド”と名を変え、街に戻ってくる。しかし、彼の大家でもあるパイ屋の女主人から、妻はターピンに追いつめられた末に自殺し、娘は幽閉されている、という驚愕の事実を知らされる。怒り狂ったスウィーニーはターピンへの復讐のみに生きることを決意。理髪店を再開し、まずは彼の過去を知る客の喉をカミソリで次々に掻き切っていく。またそれらの死体は階下の女主人によって形を変え…。




いや~、「喉をカミソリで切り裂く」

こういったシーンがあることは予告からも作品の雰囲気からも重々承知していたのですが…


いや~、痛かったですね!!!(笑)


覚悟をしておいてよかったです。そうじゃなかったら最初のシーンでノックアウトだったかもしれません。なんだ、あの血の量は。

これでも「キル・ビル」や「シン・シティ」が好きな映画に入るぐらいですし、先日みた「プラネット・テラー」にも耐えれたぐらいですから、こういった残虐シーンに対する免疫みたいなものは強くはなっているはずなんですが、それでも痛い痛い痛い…。



でも素晴らしかったです(笑)




脚本
なんか振り返ってみるとものすごい愛の悲劇ですね。どの登場人物も幸せにたどりつけないって感じです。ネタバレになっちゃいましたかね?
非常に無駄がなく、わかりやすい展開。それでいて緊張感が高まったりするから見事。若干若い二人が最後どうなったのかが気になりますが。これまたネタバレでしょうか?
これって元は舞台のミュージカルだったらしいですが、あの血みどろ残虐殺害シーンはどうしていたんでしょうか?
って感じで次々人を殺害するんでそこはやはりちょっと怖い。というか痛い。
でもその残虐性と歌の美しさが交わるあたりがこの作品のいいところでも歩きがします。


キャスト
ジョニー・デップすごいですね!!!正直まさかアカデミーにノミネートされるとは!これで名実ともに確実に実力派ハリウッドトップ俳優といっていいでしょう。
いや、確かにうまいんですがね。この作品では彼の歌声がやはり注目されてます。うまいです。確かに。いい声。間違いなく彼の声なんですが、確かにうまい。
でもそれ以上に、やっぱり彼の場合役作り力というか、演技力がハンパじゃない。今回も本当に鬼気迫るものがありましたからね。本当にこれ、チョコレート工場のチャーリーさんですか?って感じです。まあこれは監督にも言えることですが。
そして白塗りが似合う!!!これはシザーハンズの時からまあそうなんですが。髪も含めて、今回は白黒のゴシック様式がものすごい彼にピッタリでした。
でも私以上にツボなのがなんといってもヘレナ・ボナム・カーターです。いい。素晴らしい。やっぱり好きな女優です。ハリポタ然り、こういうゴシック系のどこかイッちゃった役やらせたら本当素晴らしい。いや、褒めてるんですよ!
歌もうまいし、白塗りも似合う。本当素晴らしい。
そのほか、アラン・リックマンもいいんですよね!これまたいい声なんです!歌うまいなぁ!ビックリしました。
そのほかとにかく役者が揃いも揃って歌がうまく(まあミュージカルなんですから当たり前でしょうが…)、とにかく極上のハーモニー。



褒めすぎですね。




ジャンルとしての出来栄え
「バートン作品」というジャンルを勝手に作るのであれば、まさしく彼の映画です。
もうオープニングから彼らしさ爆発。おどろおどろしい音楽とともに美しいまでに陰湿な映像。そこに映る血の赤。
そう、この映画、全体的にとにかく暗くてダークな作品なので、血が美しいんです。
すごい、不気味な表現ですかね…。でも確かに血が美しい。こんな感想持ったのは「ファーゴ」で「雪の白」と「血の赤」の対比が美しいと思った以来でしょうか?
でもこの映画の血の赤はなんかそんな白に映える赤ではないんですよね。この赤も暗い。どことなくくらい。朱色って感じでしょうか?でもこれがダークな背景に重なると不思議なまでに鮮明で美しいって感じです。

なんか血について語ってますね。そんな自分が怖いです。バートンマジックに完璧にかかってます。


もちろんそれ以外もとにかく美しい。衣装も音楽も舞台背景も。
あ、アカデミーの美術賞とってましたね。もちろん納得。おめでとうございます。




こんな感じですが、

・曲が他のミュージカル映画ほど印象に残ってない(もちろんいい曲も多かったのですが)
・他の傑作ミュージカルとどうしても比べてしまう(私の場合雨に唄えばとシカゴ)


という理由から、

★★★★★★★★★☆


一つ減らして9つ星です。でも10個に近い9個。


この感想、ヘアスプレーの時と同じですね。あれも10個に限りなく近い9つ星でした。

ジェシー・ジェームズの暗殺

2008-02-27 22:29:04 | ★★★★★★☆☆☆☆
「ブラピもいいが、ケイシー・アフレックが秀逸。アカデミー狙えるのでは?」



まず一言。

めちゃくちゃ更新が滞ってしまいました。

実際忙しかったのですが、更新できないほど忙しかったかというと・・・


まったくもってそんなことはないです。ただ単にサボっていたら…。



なんか自分でも何本分書くべきなのか忘れたほど更新が溜まっています。実際2月は本当に忙しかったので映画館いった回数少ないんですが、一月分だけであと5~6本?ひえぇ~!


これだけ期間が開いてしまうと、やはり感想も変わってくるもので。

例えば「アカデミー狙えるでしょう!」とおもった作品が実際にノミネートされたorされなかったとかです。今回紹介する作品とかまさにいい例。


ってか既にアカデミーは本番すら終わってますしね!
そちらについて熱く語りたい気持ちもありますし、この更新途絶えてる間にインディー・ジョーンズ4の予告が遂に解禁されるわ、ターミネーター新三部作の公開日やシュワちゃんのあとを継ぐ新ターミネーター役が決まるわで映画界は大賑わいなんですが…


まずは更新しなさい。


そんなわけで地道に一本ずつ消化しましょう。ってか見たのいつだっけ…



ジェシー・ジェームズの暗殺
THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD

上映時間 160分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2008/01/12
ジャンル ドラマ/西部劇/アクション
映倫 PG-12

キャッチコピー
あこがれて こがれて、心がつぶれた。


監督: アンドリュー・ドミニク
出演:
ブラッド・ピット
ケイシー・アフレック
サム・シェパード
メアリー=ルイーズ・パーカー


 アメリカ西部開拓時代の伝説的アウトローにして、いまなお南部の人々に愛される英雄ジェシー・ジェームズと、彼を慕いながらも最終的に彼を背後から撃ち殺した卑怯者としてその名を残すロバート・フォードとの切なくも皮肉な運命を、荒涼とした西部の美しい風景と共に描くウエスタン・ドラマ。出演は、ジェシー・ジェームズ役にブラッド・ピット、ロバート・フォード役にケイシー・アフレック。監督は「チョッパー・リード 史上最凶の殺人鬼」のアンドリュー・ドミニク。
 南北戦争後、仲間を率いて強盗や殺人など無法の限りを尽くした重罪人、ジェシー・ジェームズ。一方で、戦勝軍である北軍側政府の圧政に苦しむ南部州民からは抵抗の象徴として次第に英雄視されていく。そして、最初の強盗から15年あまりが過ぎた1881年。長い逃亡生活で神経をすり減らすジェシーだったが、兄フランクと新たな列車強盗を企てようとしていた。そんな彼の前に、自分を懸命に売り込もうとする一人の若者が現われる。ジェームズ一味のメンバー、チャーリーの弟で、ジェシーを人一倍崇拝する小心者の青年ロバート・フォード。フランクが相手にしようとしなかったこの青年を、ジェシーは一存で仲間に迎え入れるのだったが…。


公式サイト







う~ん、西部劇はやはり格好いいですねぇ!
しかし、この主人公ジェシー・ジェームズはアメリカではものすごい人気者らしいのですが、彼については全くの無知。彼に関する映画もたくさん撮られてきたらしいのですがそれも未見。
そんなわけでやや入り込めなかったのも事実。



脚本
上映時間、ちょっと長いです。
でも事の顛末を始めから終わりまで本当に丁寧に描いてるからしょうがないですかね。
でもやっぱり眠たくはなりました(笑)

主演の二人の掛け合いが実に丁寧に描かれているのに対し、
他のギャング団の人間関係や描き方が若干薄いかなぁとも感じました。単に私の理解力と集中力のなさが原因かもしれませんが。



キャスト
この映画はこれに尽きる気がする。とにかく縁起がいい。渋い。巧い。
ブラピはこれでヴェネチア国際映画祭の主演男優賞ですか。
確かに。一人の男に宿った静と動を見事に演じきってる。それも演じ分けてるという感じではなく、そのどちらをも持ち合わせた複雑な内面を滲み出してるって感じでしょうか?なんか自分でもそれがどんな演技なのか良くわかりませんが(笑)

でも冒頭にも書きましたが、ケイシーアフレックの方がいい。素晴らしい。
助演なのか?っておもうくらい、私の中ではブラピを食ってました。役柄的にもむしろ主人公では?
目がいいです。これまた抽象的になりますが、一人の男に向けられた憧れと猜疑心が同時に宿った目の演技って感じです。とにかくいいです。巧い。アカデミー狙えるのでは?と思ったら本当にノミネートされて何よりです。残念ながら受賞は逃しましたがね。

そのほかのキャストもいい。サム・シェパードが、まあ私が知ってる俳優だからって理由からでしょうが、はまってました。


ジャンルとしての出来栄え
とにかく舞台背景や衣装が格好いい。西部劇はやっぱりクールですね。
かといって好きなジャンルかと聞かれるとそうってわけでもないのですが。実際見た西部劇なんて数本に留まります。



こんなところですかね。


★★★★★★☆☆☆☆



演技力を考えるともっとあげてもいいのですが、
その上映時間の長さやもう一回見たい作品かどうかって事を考えると、
まあ6つ星くらいです。7つあげてもいい感じですが、まあ私の好みではないってことで。


結構褒めたのになんか評価は控えめでスイマセン。