イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

バンフィ、ブルネッロ ディ モンタルチーノ “ポッジョ アローロ”2004

2012-04-24 09:21:16 | ブログ
Photo バンフィのブルネッロ ディ モンタルチーノ “ポッジョ アローロ”2004(Brunello di Montalcino “Poggio all’Oro”)を新しくオンリストしました。このイタリアワインは今時珍しくヘクタール当たり植樹本数が2100です。初出荷が1985年で、ステンレスタンクで発酵の後、350Lのオーク樽で熟成させています。現在の高密度(5000本~10000本)植えの畑から見ると、その低密度の理由が知りたいと思います。
このワインは。ブドウのよい年にしか造らないそうです。過去にも購入しようとしたことがあるのですが。高価なワインなので、評価の高い年を狙って検討するも、予算がなかったり、ヴィンテージが飛ばされたりとタイミングが合いませんでしたが。今回はかなり無理をして半ダースを買ってしまいました。納品書を眺めていると、これだけの金額があれば、かなり楽しめるワインを2ダースは買えと思うと、とても複雑な心境になります。10年後を楽しみに眺めていようと思います。

フラスカーティ “エポス” 2010

2012-04-20 09:59:21 | ブログ

Photo 新しくフラスカーティ スペリオーレ セッコ “エポス”2010(Frascati Superiore Secco Epos)をオンリストしました。白のイタリアワインで醸し発酵して造られたと聞けば、今は何にでも飛び付く状態です。このワインは“ルナ マーテル”の代替えです。ルナ マーテルはとても気に入っていたワインでしたが。特別条件で購入した事情もあり、抜栓価格を特別に4300円に抑えていましたが。今回の“エポス”は最初からヴィンテージを付けた価格にしています。お客様から要望があれば抜栓しますが。3年ほどエイジングをしてから要望に応えていけるワインにするつもりでいます。フレッシュ感を楽しむもよし、熟成感も楽しめるワインであることを期待してワインリストに加えました。ルナ マーテルは在庫が1本しかありません。もしも“エポス”を指名されたら、事情を説明して、どちらかを選択して頂くつもりです。
個性的な野菜料理、鳥肉料理から豚肉料理まで合わせられると思います。私なりに楽しむならば、仔牛、ラム、内臓料理までいけると考えています。
山菜とエポスの組み合わせ3年後の今頃が楽しみです。
もう1本のワインは余市のドメーヌ ソガで造られ、ブドウは中井農園のケルナーです。このワインは2~3年後に楽しみが来ると思われます。曽我さんは将来的にピノ ネロだけでワインを造りたいようなことを語っていたので、過渡期のワインでと思いますが。試飲した時に記憶の中に留めておきたいと思ったワインです。


パテルノステル、アリアニコ デル ヴルトゥレ “ドン アンセルモ”2007

2012-04-12 10:02:18 | ブログ
Photo_2 アリアニコ デル ヴルトゥレ “ドン アンセルモ”(Aglianico del Vulture Don Anselmo) 2007を新しくオンリストしました。ボトルにはリゼルヴァの表示がありませんが。インポーターや評価本にはRiservaの表記があり不思議です。リゼルヴァの規定では5年熟成が義務づけられていますが。このあたりが微妙な期間で何とも言えないところです。瓶熟の期間をどのように捉えるのかが争点になると思いますが。このイタリアワインもエイジングに5年くらいはかかると思います。しかし、致福の時が訪れるのは10年後だと思います。

パテルノステル、アリアニコ デル ヴルトゥ “ドン アセルモ”2007

2012-04-04 09:41:33 | ブログ

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数日前の試飲会に出品されていた、このイタリアワインは2005年を購入するつもりで準備をしていました。カンパーニア州とバジリカータ州の05年は特別にいい年だったようで、気にいった銘柄があればリストに加えようと思っていたのですが。このワインはヴィンテージ変更がされないまま、2007年がリリースされることになりました。
アリアニコのワインはタンニンが固く、長いエイジングを必要とするワインが多い中で、比較的早くから抜栓することが出来るワインだと思います。しかし以前の“ドン アンセルモ”は、歯が立たないほど堅かったような記憶があったので意外でした。
リストのコメントはこのように書くつもりです。「アリアニコ100%をスラヴォニア産の2500Lの大樽(50%)とフレンチバリック(50%)で18ヶ月間の熟成をされます。タバコ、スパイス(カルダモン、コリアンダー)、ココア、桑の実のしなやかで端正な香りは、あほれるほどに豊かです。輪郭のくっきりしたメリハリのある酸と張りがあり厳格で豊かなタンニンに、スレンダーな果実味は立体的で、素朴に振る舞うも優雅で几帳面に構成された味わいがあり。スパイシーでフルーティーなアフターテイストに身震いを誘うような長い余韻が続きます。」

もう一本は、ジュゼッペ ガッバス社カンノナウ ディ サルデーニャ “ドゥーレ”に押し出された、以前のカンノナウです。ヴィンテージは2001年だったので、ピークはとっくに過ぎていると思っていたのですが。そのままの状態で疲れた様子もなく、さすがに円熟しているとは言い難いが。充分に美味しさを堪能することが出来ました。しかし、カンノナウの目印である松脂のような香りを探し当てることが出来ませんでした。


最後のべこ餅

2012-04-01 19:12:22 | ブログ

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和菓子屋さんの「和菓子処ふじ」が先月末で閉店することになりました。またこれで私にとって美味しい店が一つなくなります。 最終日に草もちと豆大福を食べようと訪れたんですが。午前中のひと固まりなった客の集団の、最後の私のために残っていたようなべこ餅を包んで頂きました。それにしても長い間美味しい和菓子をありがとうございました。

紫雲亭はシャッターを下ろしたままだし、三四朗は移転のため一時休業の張り紙が貼られたままだし。手切りの千切りキャベツに、温かい付け合わせの赤スパが乗ったトンカツが気に入っていた洋食屋さん。うどんのほし野。それぞれ、事情があって暖簾をたたんでしまうのでしょうが。

困ったことに私を満足させてくれる店がどんどん減っていくばかり。洋食屋さんが無い、中華料理屋さんが無い。かつての職人さんは、今どこで何をしているのか。 職人の情熱が伝わってくる、料理が食べたいよ。