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2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

北海道でも津波避難タワー

2024年05月04日 | 最大クラス津波

津波タワー整備遅れる恐れ 国補助、道内9市町の要望下回る

 日本海溝・千島海溝を震源とする巨大地震に伴う津波災害に備え、高所避難用のタワーや道路などの整備を計画する道内12市町のうち、9市町への2024年度の国の補助額が当初要望を下回ったことが分かった。ほとんどが8割程度にとどまったとみられる。補助を受ける自治体や事業数が増え、国の予算が不足したためだ。津波対策のハード整備は高額になりやすく国の財政支援を前提に立てられた計画が大半で、一部で完成遅れの可能性も出ている。
 
 
 
 

道内外で希望増 予算不足

 9市町は根室市、釧路市、登別市、釧路管内釧路、白糠、厚岸、浜中の4町、十勝管内豊頃町、日高管内新ひだか町。いずれも国土交通省の補助事業「都市防災総合推進事業」(都市防)を活用し、津波災害時に住民を高所待機させる避難タワーや短期間滞在可能な避難所の整備、高台への避難路の拡張を予定する。
 
 都市防に基づく事業の通常の補助率は2分の1以下。ただ国が22年9月に指定した9市町を含む太平洋沿岸の道内39市町などの「津波避難対策特別強化地域」では、避難タワーなどを整備する場合は補助率が3分の2にかさ上げされる優遇措置がある。23年度は釧路管内釧路町など7市町がこの優遇を受け、避難タワー整備などに着手した。
 
 優遇を受けるには、整備目標時期などを定めた緊急事業計画が必要で、各自治体は補助が要望通り受けられることを前提に策定している。23年度は7市町とも要望通りの額(計9億3930万円)が配分された。
 
 24年度は登別市など5市町が新たに加わり、補助を要望。各自治体は要望額を明らかにしていないが、関係者によると12市町で計40億~50億円だった。しかし、24年度の12市町への配分額は計36億766万円。国交省によると、津波対策施設の整備機運が高まったことにより道内外で補助を求める自治体が増えたが、予算額(非公表)は前年並みにとどまり、配分額を減らさざるを得なかったという。
 
 要望の約8割の7096万円が配分された豊頃町は、24年度に高台への避難路2カ所のうち1カ所を完成させる予定だった。しかし「今ある財源でできるところまで進めるが、25年度にずれ込むだろう」とする。
 
 国交省都市局都市安全課は「予算確保に努めたが、想定以上で対応できなかった。補正予算や25年度予算で不足分を補うことなどを検討したい」としている。
 
 
 <ことば>日本海溝・千島海溝地震 
東北沖から北海道・日高沖に続く日本海溝と、十勝沖から千島列島沖にかけての千島海溝周辺で発生する地震。歴史上、マグニチュード(M)7~8級の地震が繰り返し起きている。M9級の地震が起きれば、最悪の場合、北海道など7道県で19万9千人が死亡すると想定される。ほとんどは津波によるもので、政府は避難施設の整備や避難計画の充実で、8割減らす目標を掲げている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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